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マウスピースを持って笑う女性

マウスピース矯正で抜歯が必要になるケースと抜歯をするメリット!

2023年10月11日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

マウスピース矯正で抜歯が必要になるケースは、虫歯や歯周病がある場合や、前歯が大きく突出している場合などが挙げられます。

今回は、マウスピース矯正で抜歯が必要になるケースやマウスピース矯正で抜歯をするメリット・デメリットなどをご紹介します。マウスピース矯正で歯を動かす仕組みも解説するので、ぜひ参考にしてください。

マウスピース矯正で歯を動かす仕組み

顎に手を当てて考える白い服の女性

マウスピース矯正では、形状の異なるマウスピースを複数作成し、治療計画に沿って交換することで歯を動かします。適度に歯に力がかかるように、40〜50枚のマウスピースを装着して理想の歯並びを目指すのが一般的です。

基本的にマウスピースの交換は1〜2週間に一度行い、一度使用したマウスピースを再度使用することはありません。

マウスピース矯正で抜歯が必要になるケース

歯科医院で抜歯された歯を拡大する

マウスピース矯正で抜歯が必要になるケースは、以下のとおりです。

・虫歯や歯周病がある

・前歯が大きく突出している

・歯並びがガタガタしている

・上の前歯よりも下顎が前に出ている

それぞれ解説します。

虫歯や歯周病がある

重度の虫歯や歯周病がある場合は、抜歯が必要になるでしょう。歯の神経を抜くだけでは治らないほど虫歯が悪化している場合や、歯周病が重症化して歯茎や歯槽骨が弱くなっている場合などは、抜歯を行います。

マウスピース矯正に限らず歯列矯正では、歯や顎の骨に負荷がかかります。重度の虫歯や歯周病があると、治療途中で歯が抜け落ちるリスクがあるので、治療前に抜歯をするのです。

前歯が大きく突出している

前歯が大きく突出しているケースも、抜歯が必要になることがあります。前歯が大きく突出している場合は、歯がきれいに並ぶためのスペースが足りていません。抜歯によってスペースを確保する必要があります。

前歯が大きく突出してしまう原因としては、幼少期のおしゃぶりの使用や指しゃぶりの癖、口呼吸などが挙げられます。可能であれば改善しましょう。

前歯の突出度合いによって、抜歯が必要かどうかは異なります。事前に歯科医師に確認するとよいでしょう。

歯並びがガタガタしている

歯並びがガタガタしている叢生をマウスピース矯正で治療する場合、抜歯が必要になることがあります。叢生は、歯が正しい位置に生えるためのスペースが足りていないことが原因の場合が多いです。きれいに並ぶスペースが足りないことで、歯が重なり合って生える、ねじれて生えるなど、叢生になります。

顎が小さい場合や、顎のサイズに対して歯が大きい場合なども、叢生になることがあるでしょう。

軽度の叢生の場合は抜歯が必要ないこともあるので、事前に確認しましょう。

上の前歯よりも下顎が前に出ている

上の前歯よりも下顎が前に出ている反対咬合をマウスピース矯正で治療する場合、歯を動かすスペースを確保するために抜歯が必要になります。反対咬合は、上下の噛み合わせが反対になっている状態で、受け口ともよばれます。

マウスピース矯正では対応できず、ワイヤー矯正や外科手術などが必要になることもあるでしょう。

マウスピース矯正で抜歯をするメリット・デメリット

merit demeritと書かれた看板が建てられている

マウスピース矯正で抜歯をするメリット・デメリットをご紹介します。マウスピース矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

抜歯をするメリット

マウスピース矯正で抜歯をするメリットは、以下のとおりです。

・歯が動きやすくなる

・顎や顔の輪郭に悪影響が出にくい

・複雑な症例でも治療できる

それぞれ解説します。

歯が動きやすくなる

マウスピース矯正で抜歯を行う最大のメリットは、歯が動きやすくなることです。歯を1本抜歯するだけで、歯を動かせるスペースを大きく確保できます。重度の出っ歯や叢生などの治療が可能になる場合もあるでしょう。

歯を動かせるスペースが大きくなれば、確実に歯が移動します。治療計画どおりに歯を動かせるので、治療計画が立てやすく、スムーズに治療を進められるでしょう。

顎や顔の輪郭に悪影響が出にくい

マウスピース矯正で抜歯をすると、治療完了後に顎や顔の輪郭などに悪影響が出にくいです。例えば、歯のスペースがあまりない状態で抜歯をせずに矯正を進めた場合、前歯が前に押し出されて口元が盛り上がるリスクがあるでしょう。

歯並びだけを重視してマウスピース矯正を進めると、顎や顔の輪郭に悪影響を与えます。歯が移動するスペースが少なく歯科医師から抜歯を勧められた場合は、抜歯をしたほうがよいでしょう。

複雑な症例でも治療できる

抜歯をすると歯を動かすスペースを確保できるので、複雑な症例でも治療できます。抜歯をすることで治療可能になる複雑な症例は、以下のとおりです。

・重度の叢生

・出っ歯

・受け口

ガタつきが多い歯並びでも、抜歯をすることで理想の歯並びを目指せるでしょう。

抜歯をするデメリット

マウスピース矯正で抜歯をするデメリットは、以下のとおりです。

・身体への負担が大きい

・費用がかかる

・治療期間が延びる

それぞれ解説します。

身体への負担が大きい

抜歯をすると、身体への負担が大きくなります。抜歯が必要なほど使えなくなった歯であれば問題ありませんが、健康な歯を抜くことに抵抗がある方もいるでしょう。身体的にも大きな負担がかかります。

抜歯後は、激しい運動ができない、湯船に入れないなど、生活の制限もあります。抜歯をすることで、骨や神経を傷つけるリスクもあるでしょう。

費用がかかる

抜歯をするには、費用がかかります。マウスピース矯正を進めるうえで健康な歯を抜く場合は保険が適用されず、1本あたり15,000円程度かかるでしょう。

マウスピース矯正の費用とは別で抜歯の費用がかかる歯科医院も多いので、事前に確認することが重要です。

治療期間が延びる

抜歯をすると、抜歯した部分の傷口を治す必要があります。抜歯をしない場合と比較すると、治療期間が延びるでしょう。

また、抜歯をするということは、歯を大きく動かす必要があるということです。歯の移動距離が大きい場合も、治療期間が延びやすいです。

矯正治療後は、保定装置を装着して後戻りを防ぐ期間が必要になります。保定期間は矯正治療にかかった期間と同程度とする歯科医院も多いので、矯正治療にかかる期間が延びると保定期間も延びるでしょう。

矯正治療にかかるトータルの期間が長期化する可能性があります。

どのタイミングで抜歯をする?

歯科医院で治療を受ける女性患者

マウスピース矯正において抜歯をするタイミングは、歯並びや治療計画によって異なります。基本的には、マウスピース矯正を開始する前に抜歯を行うでしょう。

特に、親知らずを抜かずに矯正治療を進めると、歯が動きにくいです。親知らずがある場合は矯正治療前に抜歯するでしょう。

出っ歯の場合は、歯並びを整えてから抜歯をするケースも多いです。治療中のトラブルを避けるためにも、事前に治療計画を確認しましょう。

まとめ

両手でマウスピースをもって装着する女性

今回は、マウスピース矯正で抜歯が必要になるケースや、マウスピース矯正で抜歯をするメリット・デメリットなどをご紹介しました。

マウスピース矯正で抜歯が必要になるケースは、虫歯や歯周病がある、前歯が大きく突出しているなどが挙げられます。抜歯をするデメリットは、身体への負担が大きい、費用がかかる、治療期間が延びるなどが挙げられるでしょう。

マウスピース矯正で抜歯が必要になるケースやメリット・デメリットを理解したうえで、治療方法を決定しましょう。

マウスピース矯正を検討している方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。

インビザラインを持つ眼鏡の女性

インビザライン治療で後悔しない!歯科医院の選び方を解説!

2023年9月13日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

インビザラインは、専用システムを使うことで自動的に治療計画を立てられるため、どこの歯医者で治療を受けても結果は同じと思われがちです。

しかし、患者様に合わせた治療にするためには微調整が必要になるため、担当する歯医者の経験や知識、技術力によって、治療の仕上がりが左右されるといえます。そのため、インビザライン治療を受ける歯医者の選び方を間違ってしまうと、治療の失敗につながってしまうかもしれません。

今回は、安心してインビザライン治療を受けるための歯医者の選び方について解説しています。インビザライン治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

インビザラインとは?

クエスチョンマークの男

インビザラインとは、マウスピースを使用して歯並びを整える矯正治療のことです。インビザラインは1日20~22時間マウスピースを装着し、1~2週間ごとに新しいものに交換して治療をすすめます。

マウスピースを何枚も交換しながら徐々に歯を移動させるので、ワイヤー矯正のように違和感や痛みが出にくいのがメリットです。また、インビザラインで使用するマウスピースは薄くて透明なため、矯正治療中でありながら口元が目立ちにくいメリットがあります。そのため、インビザラインは、矯正治療中の見た目が気になる方におすすめの治療です。

ただし、インビザラインはマウスピースを患者様自身で管理する必要があるため、マウスピースの装着時間や交換時期を守れないと、正しい位置に歯が動かず、うまく治療がすすまない可能性があります。また、インビザラインは大きく動かすのが苦手といわれているため、歯並びの状態によっては適応できないこともあるでしょう。

インビザライン治療において歯科医院選びが重要な理由

赤ペンで強調される「who」の文字

インビザラインは、クリンチェックという専用システムを使うことで、自動で治療計画を立てられるため、どこの歯医者で治療を受けても結果は同じだと思われがちです。

しかし、自動で作られた治療計画だけでは不十分なことが多いため、患者様に合わせた治療計画を立てなければなりません。

インビザラインは、定期的に通院して歯医者によるチェックを受けるものの、基本的には用意したマウスピースを順番に装着することで治療をすすめます。そのため、インビザラインの治療がうまくいくかどうかは、マウスピースを作るまでの綿密な治療計画が欠かせないといえるでしょう。綿密な治療計画を立てるには、精密検査の結果を読み解く力を持ち、インビザラインの知識や経験が豊富な歯医者を選ぶことが重要です。

インビザラインを含めた矯正治療は、適切に治療を行えば一生に一度で終わるはずです。

しかし、インビザラインの治療経験が浅い歯医者を選んでしまうことで、歯並びが整わない、噛み合わせが悪くなるなど、仕上がりに満足できない可能性もあります。矯正治療は、一般の歯科治療に比べると期間も費用もかかります。治療の仕上がりに満足できなければ、一生に一度のはずの矯正治療が再度必要になってしまうことがあるのです。

インビザラインはクリンチェックというシステムを使えばどんな歯医者でも治療計画を立てられるものの、どこの歯医者で治療を受けるかによって仕上がりに差ができるといえます。そのため、トラブルなく安全にインビザライン治療を受けるには、歯医者の選び方が重要といえるでしょう。

インビザライン治療を受ける歯科医院の選び方

アイデアをひらめいた女性

インビザラインはどこの歯医者で受けても同じと思われがちですが、上記で説明したように、歯医者によって治療の仕上がりが左右されるため、治療を受ける歯医者の選び方が重要です。ここで紹介する、インビザライン治療を受ける歯医者の選び方のポイントを参考にしていただくことで、トラブルを避け、安全に治療が受けられるでしょう。

①矯正の専門医か

歯科には、虫歯や歯周病などの治療を専門に行う一般歯科と、矯正治療を専門に行う矯正歯科があります。インビザラインを含めた矯正治療を受ける場合、矯正専門で行っている矯正歯科を選ぶとよいでしょう。

一般歯科でも矯正歯科があり、インビザラインを取り扱っている歯医者もあります。

しかし、矯正専門医が常駐しておらず、通院日が限られることやトラブルがあってもすぐに対応してくれないことがあるので注意しましょう。

インビザラインは、虫歯や歯周病治療と比べると期間も費用もかかります。安心してインビザライン治療を受けるには、歯並びを整える治療や噛み合わせを整える治療に精通した、矯正歯科を選ぶのがおすすめです。

②インビザラインの症例数が豊富か

安心してインビザラインの治療を受けられる歯医者の選び方の重要なポイントとして、インビザラインの症例数が豊富な歯医者かどうかが挙げられます。

インビザラインは、専用システムを使用すれば自動で治療計画が立てられるため、どこの歯医者で治療を受けても同じだと思われがちです。

しかし、患者様一人ひとりにあった治療計画を立てるには微調整が必要になるため、歯医者の知識や経験、技術力によってインビザラインの仕上がりに差が出るといえます。そのため、歯医者の選び方を間違ってしまうと治療の仕上がりに満足できず、再治療が必要になってしまうこともあるので注意が必要です。

インビザラインの症例数が経験豊富な歯医者を見極めるには、まずは歯医者のホームページを確認し、症例数や症例の写真などを載せているか確認しましょう。また、インビザラインは年間の症例数によってステータスのランク付けがあるため、100症例以上の経験がある歯医者を選ぶのがおすすめです。

③検査設備が整っているか

先述したように、インビザライン治療が成功するかどうかは、マウスピースを作る前段階の精密検査が重要です。

一般歯科にもあるレントゲン撮影だけではお口全体の把握は不十分なため、横顔を撮影できるセファロや3次元的な撮影ができるCTなどが欠かせません。インビザラインを含めた矯正治療では、歯の生え方や骨の状態の確認のための精密検査が重要になるため、検査設備が整っている歯医者を選ぶようにしましょう。

④費用が明示されているか

インビザラインは保険適用の治療ではないため、歯医者によって自由に料金を設定できます。費用が異なるだけでなく、料金システムも歯医者によって異なるのです。例えば、トータルの費用を払えば追加の費用がかからないところもあれば、通院ごとに追加で費用がかかるところもあります。

歯医者の選び方によっては、通院のたびに追加で費用がかかってしまい、始めに聞いていた治療費よりも高くなってしまうかもしれません。安心してインビザライン治療を受けるには、追加でかかる費用はどのくらいあるのかなど、実際にかかる費用についてきちんと説明してくれる歯医者を選ぶとよいでしょう。

⑤インビザラインだけでなくワイヤー矯正も行っているか

一生に一度の矯正治療を安心して受けられる歯医者には、インビザラインだけでなく、矯正治療全般の知識や経験が豊富なことが重要だといえます。

インビザラインはさまざまな症例に対応できますが、歯並びの状態によっては治療に適応できないことがあります。例えば、重度の叢生(そうせい)や出っ歯、受け口の場合や、抜歯が複数本必要な場合などです。また、インビザラインの適応であっても、歯並びの状態によっては顎間(がっかん)ゴムやワイヤー矯正など、ほかの矯正方法の併用が必要になることもあります。

これらのことから、インビザラインだけではなく、矯正治療全般に精通している歯医者を選ぶことで、安心してインビザライン治療が受けられるでしょう。インビザラインを含めた矯正治療の知識が豊富かを見極めるためには、日本矯正歯科学会の認定医かどうかなど、矯正に関する資格や認定医として認められているかどうかをチェックするのがおすすめです。

⑥保定期間も重要視しているか

インビザラインを含めた矯正治療は、歯を動かす「矯正期間」と歯の後戻りを防ぐための「保定期間」があり、歯を動かす期間と同じくらい保定期間が大切です。

しかし、インビザラインを含めた矯正治療の知識が浅い歯医者の場合、保定期間が短かったり保定期間を設けなかったりするなど、保定期間を重視していないケースがあります。

保定期間は歯を動かすのにかかった期間と同じくらい必要といわれているため、保定期間が短すぎると、歯並びがまた悪くなり、再治療が必要になる可能性があるのです。そのため、インビザライン治療を受ける歯医者を選ぶ際は、歯を動かす矯正期間だけでなく、保定期間も重視している歯医者を選びましょう。

⑦コミュニケーションの相性がよいか

インビザラインは、一般的な歯科治療に比べると通院期間が長いため、快適な治療期間を過ごすには、コミュニケーションの相性がよい歯医者を選ぶことも1つのポイントです。「歯並びをもう少し引っ込めたい」「ここが気になる」など、歯並びに関しての要望を伝えても、コミュニケーションがうまく取れていないと治療のゴールが共有できず、インビザラインの治療を後悔してしまうおそれがあります。

また、自費診療で費用が高額になるため、デメリットやリスクなどもきちんと理解したうえで治療を始めましょう。たとえインビザラインの知識や経験が豊富であっても、質問にきちんと答えてくれなかったり、デメリットやリスクの説明をしてくれなかったりする場合は、のちのちトラブルに発展してしまうかもしれません。

このことから、コミュニケーションの相性がよい歯医者を選ぶことが、トラブルを避け、治療の成功につながるといえます。インビザライン治療に関する無料相談を行っている歯医者も多いため、気になる歯医者があれば、まずはカウンセリングを利用してみるのがおすすめです。

まとめ

頼りになりそうな男性歯科医

インビザラインは、クリンチェックという専用システムを使うことで自動で治療計画を立てられるため、どこの歯医者で治療を受けても結果は同じだと思われがちです。

しかし、患者様一人ひとりにあった治療計画を立てるには微調整が必要になるため、歯医者の知識や経験、技術力によってインビザラインの仕上がりに差が出るといえます。そのため、インビザライン治療を安全に受けるには、歯医者の選び方が重要といえるでしょう。

インビザライン治療を受ける歯医者を選ぶ時は、矯正の専門医か、インビザラインの症例数が豊富か、コミュニケーションの相性がよいかどうかなどを見極めるとよいでしょう。特に、インビザラインは一般的な歯科治療に比べると通院期間が長いため、快適な治療期間を過ごすには、コミュニケーションの相性がよい歯医者を選ぶことも重要です。

当院では精密な検査結果をもとに、患者様一人ひとりに合った最適な治療法をご提案させていただきます。インビザライン治療でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。

インビザライン治療で使用するマウスピース

インビザラインのアタッチメントはなぜ必要?役割や装着期間を解説

2023年8月5日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

インビザラインで全顎矯正を検討している方は「アタッチメント」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。アタッチメントは歯の表面に着ける小さい部品であり、歯列矯正を成功させるために非常に大切な役割を担っています。

今回は、アタッチメントの必要性や装着方法、装着中の注意点などについて解説します。

インビザラインのアタッチメントとは

クエスチョンマーク

インビザラインのアタッチメントは、歯の表面に取り付ける小さな部品(3~5mm)で、長方形や台形など目的によってさまざまな形状があります。アタッチメントは、なめらかな歯では密着しにくいインビザラインの装着を助けてくれます。素材はレジンでできており、歯に馴染むようなカラーでできていることがほとんどです。

全ての方に装着するわけではありませんが、装着すべきなのに装着しなかった場合、予定どおり歯が動かない、治療が長引くなどのトラブルが発生することがあります。アタッチメントは、インビザラインの歯列矯正における「サポーター」として、重要な役割を担っているといえるでしょう。

アタッチメントの役割

笑顔の女性

アタッチメントにはどのような役割があるのでしょうか。アタッチメントの役割は、大きくわけて2つあります。以下、それぞれ解説します。

インビザラインを安定させる

インビザライン治療でマウスピースを装着するだけでは、浮いたりずれたりすることがあります。アタッチメントは、フックのように作用し、マウスピースが安定して歯に装着することを助ける役割を担っています。

歯を立体的に動かす

マウスピースを装着するだけでは、歯を動かすために必要な力を十分に加えることができず、歯が計画どおりに動かないことがあります。

しかし、アタッチメントを装着すると歯根の部分まで力を加えることができます。アタッチメントは、歯を回転させる、歯を傾けるなど、立体的に歯を動かすために重要な役割を担っています。

アタッチメントの種類

マウスピースを手に持っている男性

アタッチメントの種類は主に5つあり、歯並びの症状やかけたい力の方向などによって歯科医師が種類を選択します。以下、アタッチメントの種類について解説します。

ルートコントロール用

ルートコントロール用のアタッチメントは、歯を根元から動かすようコントロールしてくれます。空隙歯列の方や歯が傾いている方などに装着します。1つの歯に対して、2つのアタッチメントをつけている方が該当することが多いです。

根元から歯を動かしてすき間をうめたり、傾きを修正したりすることが得意です。

ディープバイト用

ディープバイト用のアタッチメントは、過蓋咬合やガミースマイルで悩んでいる方に使用されることが多いです。

噛み合わせが深くなっているため、歯茎内の歯を引っ張り出したり、上前歯を歯肉内に出納したりする力が作用します。

オープンバイト用

オープンバイト用のアタッチメントは、主に前歯につけるアタッチメントです。奥歯を噛むと上下の前歯にすき間ができる方に適応されることが多いです。

前歯につけるため審美的な影響を気にする方が多いですが、インビザラインを装着すれば、さほど目立つことはありません。

回転用

回転用のアタッチメントは、名前のとおり「ねじれ」に対して作用させるアタッチメントです。やや傾斜のあるアタッチメントを装着します。

アンカレッジ用

アンカレッジ用のアタッチメントは、叢生(歯列が上下に重なってでこぼこした歯列)の方に適応されます。

インビザラインでは矯正が難しいとされていた抜歯ありの歯列矯正が、アンカレッジ用のアタッチメントのおかけで矯正可能になった症例が多くあります。

アタッチメントの装着方法

歯科医師と患者が笑顔で会話している

アタッチメントは、インビザライン治療を行っている歯科医院やクリニックで装着することができます。

歯の表面にある「ペリクル」という唾液由来の膜や肉眼では見えにくい汚れを清掃し、歯科材料(詰め物などに使うライトで硬化するものが多い)を使用してアタッチメントを装着します。除去したペリクルは処置後に自然に回復します。

アタッチメントを全顎につけるのに必要な時間は、1時間程度です。

アタッチメントの装着期間

時間経過をあらわす砂時計

多くの場合、インビザライン治療を開始して、最初のマウスピースが終わる頃にアタッチメントを装着します。アタッチメントは必ず装着するわけではありませんが、歯列を大きく動かす重程度の矯正治療では装着することが多いです。

アタッチメントの装着期間は、歯を動かす「動定期間」とよばれる、インビザライン装着中の1~2年程度です。歯列を大きく動かす場所が一部しかない場合は、これよりも短くなります。

インビザライン装着期間が終わったら、リテーナーを装着する「保定期間」に入りますが、保定期間ではアタッチメントの装着は不要です。

アタッチメント装着期間中の注意点

注意をうながす警告マーク

アタッチメントの有効性を高めるために、装着期間中は日常生活で気をつけることがあります。アタッチメント装着期間中の3つの注意点は、以下のとおりです。

インビザラインは無理に力をかけずに着脱する

インビザラインは、歯に密着するように装着されています。無理に外そうとすると、アタッチメントも一緒に外れてしまうため注意しましょう。

アタッチメントには、インビザラインを外しにくくする作用もあります。インビザラインを外そうとしてアタッチメントが脱落してしまう場合があるため、インビザラインを脱着する際は、チューイーやリムーバーを使用することを心がけましょう。

粘着質なたべものや硬いたべものに注意する

キャラメルやソフトキャンディなど、粘着性の強い食べ物を食べると、アタッチメントが脱落する場合があります。積極的にとることはひかえましょう。

また、おせんべいなどの硬い食べ物はアタッチメントに衝撃を与えてしまうため、注意が必要です。

硬い歯ブラシで口腔ケアをしない

アタッチメントは、自身の歯に詰め物と同様の歯科材料をつけているだけです。そのため、硬い歯ブラシでアタッチメント周囲を磨いてしまうと、アタッチメントが脱落する原因になります。

歯列矯正中に口腔内を清潔に保つことは非常に大切ですが、適度な力でブラッシングするように心がけましょう。

アタッチメントは痛くないの?

こめかみに指をあて疑問の様子の女性

アタッチメントは、通常のなめらかな歯に凹凸ができてしまうため、凸部が口腔内粘膜に触れる違和感を「痛み」と認識する方がいらっしゃるようです。

インビザラインのマウスピースは、アタッチメントの上に被せるように装着します。一日のうちの大半はアタッチメントが覆われている状態なので、痛みを感じにくいでしょう。耐えらないほどの痛みを感じる方はほとんどいないため、ご安心ください。

アタッチメントが取れてしまったら

驚きの表情をうかべる女性

もし、インビザライン治療期間中にアタッチメントが取れてしまったら、すみやかに治療中の歯科医院に相談しましょう。早急にアタッチメントの再装着が必要な場合と、次回の受診までマウスピースの装着を継続する場合があります。

ただし、これは歯科医師にしか判断できません。治療計画に影響がでることがあるため、ご自身で判断し放置しないようにしましょう。

どのような情報を伝えればよい?

歯科医院に相談するときは、どのような情報を伝えればよいのでしょうか。電話相談では、必要な情報を正しく伝える必要があります。特に、以下の事柄はしっかり伝えてください。

・いつ外れたのか

・何番目のマウスピースをつけているのか

・どこの歯のアタッチメントが外れたのか(一般的には奥歯から数えます)

アタッチメントが外れる理由は?

アタッチメントは、無理にインビザラインを外そうとして外から力がかかったときや、アタッチメントレジンの劣化、硬い食べ物の摂取などで外れてしまいます。

また、噛み合わせが深いところもアタッチメントが外れやすくなります。 噛み合ったときの衝撃でアタッチメントが外れることが多いです。

まとめ

ポイントをまとめる女性

今回は、インビザラインのアタッチメントについて解説しました。

アタッチメントは、歯の表面の滑らかさがなくなってしまうため「あまりつけたくない」と考える方もいらっしゃるようです。

しかし、アタッチメントは、効果的に歯を動かすために重要な役割を担っています。アタッチメントは、矯正期間中ずっとつけなくてはいけないものではなく、メリットのほうが大きいため、インビザライン治療を乗り越えましょう。

インビザラインのアタッチメントでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。

インビザラインをはめようとしている女性

インビザラインは後戻りしやすいのか?後戻りの原因と対処法を解説

2023年7月4日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

インビザラインは後戻りしやすいのか、矯正治療をご検討中の方なら気になると思います。矯正治療はさまざまな種類がありますが、治療法によって後戻りのしやすさに変わりはあるのでしょうか。

今回は、インビザラインは後戻りしやすいのか、後戻りする理由や対処法・対策法を解説します。矯正治療後の後戻りについて理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。

後戻りとは?

クエスチョンマーク

後戻りとは、インビザラインなど矯正治療で整えた歯並びがもとの状態に戻ろうとする現象のことです。

矯正治療で歯が動く仕組みは、矯正装置を使って歯に一定の力を加えると、歯を支えている土台の骨が吸収と再生を繰り返すことで移動します。矯正治療が完了した直後の歯は、土台の骨が不安定な状態で動きやすいです。そのため、歯がしっかりとあごの骨に定着するまでの期間は、外部からの力の影響を受けやすい状態となります。

歯があごの骨に定着するまでの期間は、後戻り対策をしっかり行わないと歯は少しずつ移動してしまうのです。

インビザラインは後戻りしやすいのか?

インビザラインのイメージ

結論から述べると、インビザラインはワイヤー矯正と比較して後戻りしやすいことはありません。矯正治療が完了したら保定装置で歯の後戻りを防ぎます。どの方法で矯正を行っても、しっかり保定していれば後戻りを防ぐことが可能です。インビザラインでもワイヤー矯正でも後戻りのリスクは変わりません。

インビザラインは、マウスピースを使って歯並びを整えます。そのため、ワイヤー矯正の方と比較してマウスピース型の保定装置に抵抗を感じにくい方が多いと考えられます。インビザラインで矯正を行った方は、マウスピースをつける習慣ができているため、途中で怠ってしまうリスクも低いでしょう。

インビザラインで後戻りする理由

頭を抱えて悩んでいる女性

時間をかけて整えた歯並びが、なぜ後戻りしてしまうのか疑問に感じる方も多いでしょう。インビザラインで後戻りする理由は、大きく分けて以下の3つがあります。

・リテーナーの装着時間が不十分である

・悪習癖がある

・インビザラインでは適応外の症例である

以下、詳しく解説します。

リテーナーの装着時間が不十分である

歯列矯正が完了したら、整った歯並びを維持するために歯を固定する「保定期間」に入ります。歯を保定するためには、リテーナーとよばれる保定装置を装着するのが一般的です。

マウスピース型の保定装置の場合、装着時間など自己管理が必要です。装着時間が不十分だと、後戻りするリスクが高くなるため注意が必要です。歯科医師に指示された装着時間は、必ずリテーナーを装着しましょう。

また、保定期間は矯正期間と同じ期間行うケースが多いです。自己判断で保定装置の使用をやめてしまうと後戻りするため、必ず歯科医師の指示があるまで保定装置を使用しましょう。

悪習癖がある

舌癖や口呼吸、爪噛み、頬杖などの癖は歯並びに影響を与えます。このような悪習癖は、弱い力が継続的に歯にかかるため、矯正治療で歯並びを整えても後戻りするリスクが高く注意が必要です。

悪習癖がある場合は、矯正期間中にトレーニングを行うことや日常生活で意識することで改善できるように努めましょう。また、どちらか片方だけで噛んでしまう噛み癖も、歯並びの悪化や歪みの原因となるため注意しましょう。

インビザラインでは適応外の症例である

インビザラインでは歯並び・噛み合わせを整えられない症例にもかかわらず、インビザライン治療を行うと後戻りのリスクが高くなります。スペースが不足している部分に無理に歯を並べると年数の経過とともに歪みが生じてくるでしょう。

矯正治療は、あごの骨と歯のバランスを考えたうえで治療する必要があります。

後戻りしたときの対処法

ドミノが倒れるのを指でおさえている

インビザライン矯正後に後戻りを感じたら、必ず歯科医師の指示をあおぎましょう。後戻りの状態によって適切な対処法が異なります。

後戻りは、放置するとさらに進んでしまう可能性があるため、早めに対処することが大切です。後戻りが起こってしまった際の対処法は、後戻りの状態によって大きく分けて以下の2つがあります。

後戻りが軽度の場合

後戻りが軽度でリテーナーが装着できる場合は、リテーナーを装着して様子を見ることが多いです。歯が少し動いているため、はじめはリテーナーがきつく感じますが、後戻りが改善されれば解消されます。

リテーナーを装着した際に痛みや違和感が大きい場合は、我慢せずに歯科医師に相談しましょう。

後戻りが重度の場合

後戻りが大きくリテーナーが装着できないケースでは、再度矯正治療します。早い段階で対処すれば矯正期間も短く済む場合が多いでしょう。費用に関しては歯科医院によって対応が異なるため、再治療の際はトラブルを回避するためにも事前に費用を確認しましょう。

また、症例によってはワイヤー矯正に切り替える方がよいと判断される場合もあります。再治療の際は、治療方法・期間・費用など気になる点は質問し、納得したうえで治療を受けましょう。

後戻りさせないための対策

リテーナーを装着しようとしている女性

インビザラインで後戻りすると、後戻りの程度によっては再治療が必要です。再治療の場合、追加で費用と時間がかかるため、日頃から後戻りしないように心がけることが大切です。以下、後戻りを防ぐ対策法を3つご紹介します。

保定をしっかり行う

後戻りを防ぐためには、歯科医師の指示どおりリテーナーを装着する必要があります。十分な保定期間を設けることで、後戻りのリスクをおさえることが期待できるでしょう。

リテーナーは、1日の装着時間をしっかり守ることで十分な効果を得ることができます。面倒だからと装着を怠ったり自己判断で装着をやめたりすることがあると、後戻りのリスクが高くなるでしょう。

悪習癖を改善する

舌癖や口呼吸・爪を噛むなどの悪習癖は、矯正期間中になるべく改善するようにトレーニングや意識して生活してください。悪習癖は、一度にかかる力は小さいですが、習慣化することで歯に断続的に力がかかる状態となります。断続的に力がかかる環境は、矯正治療と同じ条件となるため後戻りの大きな原因となるのです。

悪習癖は、無意識に行っていることが多いため、ご家族や周囲の方に協力してもらいながら直しましょう。

歯科医院の定期検診に通う

後戻りを防ぐためには、定期的に歯科医院を受診して歯並び・噛み合わせを確認してもらいましょう。特に、歯周病や親知らずには注意が必要です。

歯周病が進行すると、歯の支えとなる土台の骨が溶けてしまうため、歯が動きやすくなります。親知らずは、生える際にスペースが不足していると、真っ直ぐ生えることができずに手前の歯を押してしまう可能性が高いです。

定期的に歯科医院を受診することで、歯周病・虫歯の有無やトラブルが起きていないか確認できます。万が一、トラブルが見つかっても早期に対処できるため、後戻りするリスクは低いでしょう。

まとめ

ポイントをまとめる女性

インビザラインだからといって後戻りしやすいことはありません。インビザラインでもワイヤー矯正でも、後戻りのしやすさは変わりないといえるでしょう。

後戻りは、保定を行っていない場合や歯並びに影響を与える悪習癖がある場合に起こりやすいです。矯正治療が完了したら保定期間に入り、歯があごの骨に定着するのを待つのが一般的な流れです。リテーナーを歯科医師の指示通りに装着し、歯並びに影響する悪習癖がある場合は、改善するように心がけましょう。また、歯並び・噛み合わせの異常を早期に発見するためにも、歯科医院を定期的に受診して、お口のなか全体を確認してもらう習慣をつけましょう。

後戻りは、しっかり対策すれば防ぐことが可能です。インビザラインで整えた歯並びを保つためには、歯科医師の指示のもと保定をしっかり行いましょう。

インビザラインの後戻りでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。

両手でマウスピースをもって装着する女性

マウスピース矯正で顔の印象が変わる?美しい笑顔を手に入れよう!

2023年6月27日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

出っ歯やすきっ歯、ガタガタした歯並びなど、さまざまな歯並びの悩みを持つ方がいます。歯並びの悩みを改善したくても、目立つ矯正装置をつけるのは嫌だと思う方も多いです。

ワイヤー矯正は矯正していることが目立つので、周りにあまり気付かれずに矯正をしたい方にはマウスピース矯正が向いています。歯並びがよくなると噛み合わせが改善し、顔の印象もよくなるでしょう。

今回は、マウスピース矯正とはどのような矯正方法なのか、マウスピース矯正をすることで顔の印象がどのように変わるのかをご紹介します。歯科矯正を検討している方やマウスピース矯正に興味がある方は、ぜひご覧ください。

マウスピース矯正とは?

顎に手を当てて考える白い服の女性

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを装着して歯を動かす方法です。透明なマウスピースを装着するため周りに気づかれにくく、矯正中の審美性を気にする方から人気があります。

マウスピースは、患者さまの治療計画に沿って一度に複数枚作られます。歯科医師の指示に従ってマウスピースを交換しながら、徐々に歯を動かすのです。

マウスピースは取り外しが可能なため、矯正中もふだんどおりに食事ができ、しっかり歯磨きできることが特徴です。

しかし、1日20〜22時間以上マウスピースを装着する必要があり、洗浄や歯磨きを丁寧に行わなければならないため、慣れるまで大変に感じる方もいるかもしれません。

マウスピース矯正で歯を動かす仕組み

歯科医院で鏡で自分の歯並びを確認する女性

マウスピース矯正は、患者さまの歯並びのデータをとって分析し、マウスピースを作ることから始まります。

マウスピースは、実際の歯並びとずれが生じるように作られます。現在の歯並びと少しずれたマウスピースを装着することで、歯に圧力がかかり徐々に移動するのです。マウスピースの歯並びに歯が移動したら、次のマウスピースに交換して矯正治療を進めます。

歯の移動とマウスピースの交換を繰り返すことで、徐々に理想の歯並びに近づけます。マウスピースの矯正力を高めるために、歯にアタッチメントとよばれるパーツを付けることもありますので、念頭に置いておきましょう。

マウスピース矯正のメリット・デメリット

吊るされたMERITとDEMERITのメモ

マウスピース矯正のメリットとデメリットを確認しましょう。

メリット

マウスピース矯正のメリットは、矯正装置が目立たず周囲に気づかれにくい点です。食事や歯磨きの際はマウスピースを外せるので、ふだんどおり食事や歯磨きができることもメリットといえるでしょう。

1日のほとんどの時間でマウスピースを装着していなければなりませんが、ワイヤー矯正のように装置の調整をする必要がないので通院回数が少ないことも特徴です。

マウスピース矯正では奥歯を後ろに動かすことが容易なため、抜歯せずに出っ歯を治したい場合にも適しています。金属アレルギーの心配がなく、体にやさしい治療法ともいわれています。

デメリット

マウスピース矯正のデメリットは、食事や歯磨きのとき以外はマウスピースを外せない点です。装着時間が短いと治療が長引くおそれがあります。

また、飲食をする際は必ずマウスピースを外し、マウスピースの洗浄と歯磨きを行ってから装着する必要があります。マウスピースの洗浄や歯磨きをせずに装着すると細菌が増殖し、虫歯になる可能性があるため、常に清潔に保ちましょう。

マウスピース矯正をすると顔が変わる?

男性患者のカウンセリングをする女性歯科衛生士

「マウスピース矯正をすると顔が変わる」と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。マウスピースと歯並びのずれは小さく、マウスピース本体も薄いため、口の中に矯正装置を入れることで顔が変わることはありません。

しかし、歯が動くことによって顔が変わるように見える場合はあります。主なケースは、以下のとおりです。

口元が伸びて見える

マウスピースの厚みの分、口元が伸びたように感じる方がいます。マウスピースを装着することによる違和感は、2~3週間で消えることが多いので問題ありません。

矯正によって噛み合わせが改善されると口元が伸びたように見える場合がありますが、皮膚の状態が変化したわけではないので安心してください。

顔がたるんで見える

出っ歯の方が矯正治療を受けて歯が引っ込むと、顔の突っ張りがなくなり顔がたるんで見える場合があります。実際は顔がたるんだわけではなく、歯が正しい位置に移動しただけなので問題ありません。

出っ歯が治ることで、横顔が美しくなるメリットもあります。

小顔になる

マウスピース矯正によって噛み合わせが改善されることで、小顔になる場合があります。例えば、噛み合わせが悪く口元が閉じなかった方が、矯正後に口が閉じるようになった場合があげられるでしょう。

閉じることができなかった口が閉まるので、小顔になったと感じるのです。

マウスピース矯正で治せる歯並び

マウスピースを両手に持って前に出す女性

マウスピース矯正で治せる歯並びは、以下のとおりです。

・すきっ歯

・出っ歯

・受け口

・ガタガタした歯並び(叢生)

・前歯が閉じない歯並び(開咬)

・深い噛み合わせ(過蓋咬合)

それぞれ解説します。

すきっ歯

歯と歯の間にすき間がある状態のことをいいます。

歯列全体にすき間がある空隙歯列(くうげきしれつ)と、前歯の間にすき間がある正中離開(せいちゅうりかい)に分類されますが、どちらもマウスピースで矯正できる場合が多いです。

出っ歯

上顎が前に出て前歯が目立つ状態、下顎が後退していて前歯が目立つ状態、前歯が前方に傾いて生えている状態のことをいいます。

顎の位置が原因の場合はマウスピース矯正での治療は難しいですが、前歯の生え方が問題の場合はマウスピースで矯正できる場合があります。

受け口

下の前歯が前方に傾いて生えている状態や下顎が上顎よりも前に出ている状態のことをいいます。

出っ歯と同様に、前歯の生え方が問題の場合はマウスピース矯正で治療が可能です。

ガタガタした歯並び(叢生)

歯が部分的に重なった歯並びのことをいいます。歯が前後に重なる場合や、横向きに生えている場合、本来生えるべき場所からずれた位置に生えて場合などがあります。

歯がきれいに並ぶためのスペース不足が原因なため、歯をごくわずかに削ったり抜歯をしたりすることでスペースを確保できれば、マウスピース矯正が可能です。

前歯が閉じない歯並び(開咬)

奥歯を噛んだ際に、上下の前歯にすき間ができる状態のことをいいます。前歯が前方に傾斜して生えている場合や奥歯の高さが適切でない場合などがあります。

どちらの場合もマウスピース矯正での治療が可能です。

深い噛み合わせ(過蓋咬合)

噛み合わせが深く、上の歯が下の歯を覆って下の歯がほとんど見えない状態をいいます。

歯の高さを調整し、上下の噛み合わせを適切な状態にすることで改善されることが多いです。バイトランプとよばれる専用のアタッチメントを使用することで、マウスピース矯正での治療が可能です。

マウスピース矯正の期間

緑の机に置かれたカレンダーと時計

マウスピース矯正の期間は6か月~3年程度といわれており、矯正を行う範囲や歯並びの乱れの度合いによって変わります。個人差はありますが、部分矯正の場合は6か月〜1年程度で終了することが多いです。全体矯正の場合は3年ほどかかると考えるとよいでしょう。

また、矯正が終わったあとは保定装置を使って歯の後戻りを防ぐ治療が必要です。保定期間についても2~3年必要な場合が多いので、矯正にかかる治療期間は長いことを理解しましょう。

マウスピース矯正の費用

机に置かれた手帳とペンと電卓

マウスピース矯正にかかる費用は、以下のとおりです。

<マウスピース矯正の費用>

項目 かかる費用(平均額)
カウンセリング・相談料 ~5,000円
診察料 ~60,000円
矯正装置(マウスピース)料 200,000~1,000,000円
装置調整料 ~10,000円(1回あたり)
保定装置料 ~60,000円
保定観察料 ~10,000円(1回あたり)

マウスピース矯正は基本的に自費診療なので、歯科医院や選択したプラン、矯正する範囲によって費用が変動します。あくまでも目安なので、実際にかかる費用を知りたい方は、歯科医院を受診して相談するとよいでしょう。

まとめ

歯科医院で矯正用のマウスピースを嵌めようとしている女性

マウスピース矯正は歯並びをきれいにするだけでなく、顔の印象を大きく変える効果があります。口元や輪郭、歯並びが整うことで、人前で歯を見せて笑うことに抵抗がなくなる方もいるでしょう。笑顔が増えることも、マウスピース矯正で顔の印象が変わるといわれる要因かもしれません。

しかし、矯正によって噛み合わせが改善したことで、患者さまの理想と異なる顔の印象になったと感じるケースもあります。マウスピース矯正を始める前のカウンセリングの段階で矯正後のイメージを歯科医師と共有することで、イメージと違うと感じることを避けられるでしょう。

歯科医院を選ぶ際は、矯正の技術はもちろん、親身に話を聞いてくれるかどうかも重要視してください。

マウスピース矯正でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。

 

マウスピースを両手に持って歯に装着する女性

インビザラインの治療期間はどれくらい?延長になるケースと注意点

2023年6月20日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

インビザラインの治療期間は約2~3年です。部分矯正の場合は、半年から~1年が平均です。保定期間も合わせれば、インビザライン全体の治療期間は2〜4年ほどになります。

ただし、動かす歯の本数や移動距離によって治療期間は変わるでしょう。

今回は、インビザラインの治療期間が延長になるケースと注意点を解説します。

インビザラインの治療期間はどれくらい?

机の上に置かれれたカレンダーと植物

一般的に、インビザラインの矯正期間は2〜3年とされています。最短でも1年半程度の期間が必要と考えるとよいでしょう。

矯正範囲によっても期間は変わります。部分矯正の場合、治療期間は半年~1年が目安です。全体矯正の場合は、2~3年程度の期間が必要とされています。

また、矯正期間とは別に、矯正した歯並びを固定するための保定期間が必要です。矯正期間と同程度の保定期間を設ける場合が多いです。矯正期間と保定期間を合わせて考えると、インビザライン治療の全体の期間は2〜4年になるでしょう。

しかし、実際の矯正期間はさまざまな要素の影響を受けます。例えば、動かす必要がある歯の本数や、歯の移動距離、部分矯正か全体矯正かなどが挙げられます。

具体的な矯正期間を知りたい方は、担当の歯科医師に確認しましょう。

インビザラインの治療期間が長くなる症例

青い壁に取り付けられた壁掛け時計

インビザラインの治療期間が長くなる症例は、移動量が大きい症例です。また、ほかの治療法と併用が必要な症例も、治療期間が長くなる傾向にあります。

抜歯が必要な症例

矯正治療で抜歯が必要な場合、矯正期間が長くなる可能性があります。特に、歯に対して顎が小さく、歯をきれいに並べるスペースが不足している場合は、抜歯が必要になることが多いです。

歯を並べるためのスペースを抜歯によって確保した場合、歯を動かす距離が長くなります。歯の移動距離が長くなると、矯正期間も長くなるでしょう。

また、移動距離が長いとインビザラインだけでは矯正が難しい場合があり、ワイヤー矯正との併用が必要になることもあります。

重度の叢生

重度の叢生(そうせい)、すなわち歯が部分的に重なり合っている状態は、矯正期間が長い症例の一つです。叢生は歯が本来あるべき位置から大きくずれているため、適切な位置まで移動させるには多くの時間が必要といえます。

重度の叢生を矯正する場合、歯を一列に収めるスペースが不足していることが多いため、抜歯が必要になることがあります。前述したように、歯の移動距離が長くなると治療期間も長くなるため、重度の叢生は、治療期間が比較的長いです。

歯槽骨が硬い症例

治療期間は歯槽骨の硬さにも左右されます。歯槽骨とは歯を固定し支える役割を果たす骨のことで、硬さや骨密度は体質によって差があります。特に骨が硬い場合は歯の動きが遅く、矯正が完了するまでに時間がかかる場合が多いです。

ワイヤー矯正や外科手術を併用する症例

インビザラインとほかの矯正方法を併用する場合は、治療期間が長くなる可能性があります。歯の移動距離が大きい場合、インビザラインだけでは矯正が困難なことがあります。インビザラインだけでの矯正が困難な場合には、ワイヤー矯正や顎間ゴムを使用した矯正治療と併せて行う必要があるかもしれません。

また、骨格の問題で歯並びが乱れている場合は、外科手術が必要になります。矯正装置だけでは骨格を改善することができないからです。

インビザラインの治療期間が延長になってしまうケース

頭からモヤモヤを出して悩む男性の後ろ姿

インビザラインの治療期間が延長になるケースは、指示どおりにマウスピースを装着できていない場合が多いです。治療中に虫歯や歯周病などの問題が発生した場合は治療を優先しなければならないので、インビザラインの治療期間が延長する可能性が高まります。

インビザラインの装着時間が短い

インビザライン矯正の治療期間が延びる理由の一つは、マウスピースの装着時間の短さです。インビザラインでは、1日20〜22時間以上マウスピースを装着することが推奨されています。

装着時間が短い場合、歯の動きが計画どおりに進まないことがあります。マウスピースを交換したときに強い痛みや違和感が生じる場合もあるでしょう。

痛みが強い場合は歯科医師の判断で1つ前のマウスピースに戻し、数日間様子を見ます。マウスピースを交換するタイミングがずれるため、治療期間が延長する可能性が高いです。

インビザラインが浮いたまま装着している

インビザラインの治療効果を最大限に引き出すためには、適切に装着する必要があります。マウスピースが十分に歯に密着していない場合、歯に適切な圧力がかからず、計画どおりに歯が動かないのです。

新しいマウスピースに交換した直後の2~3日間は、マウスピースが浮きやすい状態になります。この期間は、特に注意してマウスピースを装着しましょう。

口腔内にトラブルが発生する

インビザラインの矯正治療中は長時間マウスピースを着用するため、虫歯や歯周病のリスクが増加します。食後の歯磨きを怠る、糖分を含む飲み物をマウスピース装着中に摂取するなど、口腔ケアやマウスピースの取り扱いが不適切な場合、虫歯の可能性を高めます。

食後に歯磨きをせずマウスピースを装着すると、歯周病を引き起こす可能性もあるでしょう。歯周病を発症すると、歯茎が安定するまで矯正治療を中断しなければなりません。

インビザラインを破損・紛失する

マウスピースの破損・紛失した場合、新たなマウスピースを作成しなくてはなりません。新しいマウスピースが完成するまでは矯正が進まないので、治療期間の延長につながるでしょう。

また、新しいマウスピースが完成するまでの間に、歯がもとの位置に戻る後戻りが起きることもあります。後戻りした歯を再び移動させるには時間がかかります。マウスピースを頻繁に破損・紛失すると治療計画を立て直す必要があり、治療期間が延びるでしょう。

計画どおりに治療を終わらせるために気を付けること

ポイントと書かれたノートとメガネと鉛筆

計画どおりにインビザライン治療を終わらせるには、治療上のルールをしっかりと守ることが大切です。治療期間を延ばさないために気を付けることは、以下のとおりです。

インビザラインの装着時間を守る

インビザラインの装着時間は1日20〜22時間とされています。基本的に食事と歯磨きのとき以外はマウスピースをつけなければなりません。

インビザラインのメリットにマウスピースが取り外し可能なことがありますが、自分自身で装着時間を管理しなければならないということです。治療期間を延ばしたくないのであれば、指示された装着時間を厳守しましょう。

チューイーを使用する

チューイーとは、シリコン製の棒状の補助ツールで、マウスピースを歯列に密着させるために使います。

新しいマウスピースを使用するとき、歯がマウスピースの形に馴染んでいないため、手指だけでは完全に装着することが難しいです。これを解決できるのがチューイーです。マウスピース装着時に、チューイーを一定時間噛むことにより、マウスピースを歯に馴染ませることができます。歯とマウスピースにすき間が生じると適切な圧力が歯にかからないため、できるだけチューイーを使用しましょう。

チューイーは消耗品であり、使用を続けていると弾力性が低下します。1週間〜10日ほどで交換が推奨されているため、マウスピースを交換するタイミングに合わせてチューイーもに交換するとよいでしょう。

食後の歯磨きとお手入れを欠かさない

インビザラインを外した際は、装着前に流水で洗浄しましょう。装着前に歯磨きを行うことも重要です。

インビザラインや口腔内が不潔になると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。虫歯や歯周病が発生すると、矯正治療を中断して治療を行う必要があるため治療期間が延びるでしょう。

虫歯治療で歯の形状が変わった場合は、既に作成したマウスピースが合わなくなり、インビザラインの再作成が必要です。治療を計画どおりに進めるには、食後の歯磨きとインビザラインのお手入れが欠かせません。

専用のケースで保管する

インビザラインは、取り外したらすぐに専用のケースに保管しましょう。インビザラインを破損・紛失した場合、新たに作成するまでに数週間~1か月程度かかります。完成するまでは1つ前のマウスピースを装着する必要があり、その間は歯が動かないため治療が進みません。

インビザラインの破損・紛失を何度も繰り返すと矯正力がかからない期間が増え、矯正した歯がもとの位置に戻る可能性もあります。

食事の際などに取り外したマウスピースは、専用のケースで保管することが大切です。ティッシュに包むと、誤って捨てる可能性があるでしょう。外出時はテーブルやトイレに置き忘れることのないよう、マウスピースの居場所に注意を払ってください。

定期的に通院する

インビザライン治療では、1~3か月の間隔で通院が必要です。マウスピースが適切に装着されていることを確認し、新しいマウスピースを受け取るためです。

通院を先延ばしにすると計画どおりに治療が進まなくなるため、指定された日時に受診しましょう。治療開始時にマウスピースを一括で渡す歯科医院もありますが、治療経過の確認は必要なので通院を怠ってはいけません。

万が一、口腔内に問題が発生した場合でも、定期的に通院していれば早期に対応することができ、治療期間の大幅な延長を避けることができます。

まとめ

緑の背景に置かれた歯ブラシと歯磨き粉とマウスピース

インビザラインの治療期間は約2〜3年で、部分矯正の場合は約半年~1年と治療期間が短い傾向にあります。保定期間も含むとインビザラインの全体の治療期間は2〜4年程度です。動かす歯の本数や移動距離によっても治療期間は変わるでしょう。

矯正中に虫歯や歯周病になると治療期間が延びる可能性があります。インビザラインを破損・紛失するとマウスピースの再作成が必要になるため、治療期間の大幅な延長が予想されます。治療期間を延ばさないためには、定期的に通院し、インビザラインは専用のケースに保管することが重要です。指示された装着時間を守ることも忘れないでください。

マウスピースを装着する際はチューイーを使用することで、インビザラインの効果を最大限に発揮できます。食事で取り外した際は歯磨きを行い、マウスピースを洗浄してから装着することでトラブルのリスクを低減できるでしょう。

インビザライン矯正でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。

リテーナーを手に持ち笑顔の女性

後戻りを起こさない!インビザライン治療後の保定装置の重要性!

2023年6月13日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

インビザラインでの矯正治療が終了したあと、歯は元の位置に戻ろうとする力(後戻り)が働きます。対策をしないと、せっかく手に入れた理想の歯並びが後戻りしてしまうことがあるのです。後戻りを予防するために、インビザライン治療後の保定装置が重要な役割を果たします。

本記事では、インビザライン治療後に後戻りが起こる原因や保定装置について詳しく解説します。せっかく手に入れた理想の歯並びを維持できるよう、ぜひ参考にしてください。

インビザライン治療後に後戻りが起こる原因

頭をかしげる女性

歯科矯正でいう「後戻り」とは、歯科矯正できれいにした歯並びが元の状態に戻ってしまう現象をさします。歯科矯正直後は、歯や歯槽骨が不安定な状態であるため、装置を外して放置してしまうと後戻りしやすい状態です。

以下、後戻りを起こす原因をいくつか解説します。

保定処置が不十分である

「保定」とは、歯科矯正で動かした歯を定着させることをさします。保定処置が不十分だと歯が定着せず後戻りすることがあります。

矯正治療後も、保定期間とよばれる時期はしっかり歯を定着させるために保定処置を行うことが重要です。

歯並びに影響をおよぼす口腔習癖がある

「口腔習癖」とは、口に関係する癖のことをさします。歯並びに影響をおよぼす可能性がある口腔習癖として、爪や唇を噛む・舌を突き出す・頬杖などがあげられます。これらの癖により、矯正治療でせっかくきれいになった歯並びが後戻りすることがあるのです。

矯正前や矯正中に口腔習癖を改善するよう心がけることが重要です。矯正治療と並行して、口腔習癖を改善するトレーニングを続ける必要があります。

歯周病が進行している

歯周病が進行すると、感染が歯を支えている歯槽骨にまで感染が広がることがあります。やがて、歯がグラグラした状態となり、歯が定着できず後戻りしやすくなります。

歯周病にならないよう、しっかりと口腔ケアを行うことが重要です。また、毎日の歯磨きだけでなく、歯科医院で定期的にクリーニングを受け、口腔内を清潔に保ちましょう。

保定装置を装着する重要性

キーポイント

動かした歯を定着させるために、保定期間にしっかり保定装置(リテーナー)を装着することが重要です。

人為的に移動させた歯は、矯正が終了すると本来の位置へ戻ろうとする力(後戻り)が働きます。インビザライン矯正の終了後、保定装置を指示どおり装着することで、動いた歯がその場に定着し、後戻りを防いでくれます。

きれいな歯並びを維持するために、指示どおりに保定装置を装着することが重要です。

保定装置の種類

リテーナーの種類

次に、保定装置の種類について解説します。

取り外し可能な種類

取り外し可能な保定装置(リテーナー)は、以下のとおりです。

ビベラリテーナー

ビベラリテーナーは、インビザライン専用のマウスピース型のリテーナーです。

通常、リテーナーを作製する際は歯型をとる必要がありますが、ビベラリテーナーはインビザライン治療のデータから作製することができます。そのため、歯型をとる工程を減らすことができ、患者さまの負担軽減につながります。

インビザラインで装着していたアライナーと同じく透明なマウスピースのため、審美性に優れているのが特徴です。

スプリングリテーナー

スプリングリテーナーは、後戻りしやすいとされている下の前歯に装着するリテーナーです。ワイヤーとプラスチックでできています。

前歯のみを保定することができ、全ての歯を囲う必要がないため負担が軽減されます。

QCMリテーナー

QCMリテーナーは、一部ワイヤーを使用していますが、前歯の部分はプラスチックを使用しています。

審美性に優れているといえるでしょう。

ベッグタイプリテーナー

ベッグタイプリテーナーは、歯全体をワイヤーで囲んで保定するものです。

口を開ける際にワイヤーがみえますが、歯全体をワイヤーでしっかり支えることができます。

ホーレータイプリテーナー

ホーレータイプリテーナーは、主に前歯をワイヤーで取り囲みます。

トゥースポジショナー

トゥースポジショナーとは、ゴム製のマウスピース型の保定装置です。

ボクシングの際に使用するマウスピースのような見た目をしています。弾力があり、保定のみでなく歯列矯正の仕上げでも用いられることがあります。

取り外し不可能な種類

取り外し不可能な保定装置(リテーナー)は、以下のとおりです。

ポンデッドワイヤー

ポンデッドワイヤーは、前歯の裏側にワイヤーを接着することで歯を固定させます。

ワイヤーが歯に直接接着しているため、ご自身で取り外すことはできません。ポンデッドワイヤーのみで保定する場合と、ほかの取り外し可能なリテーナーと組み合わせて保定する場合があります。

リンガルアーチ

リンガルアーチは、歯の裏側にアーチ状にした太いワイヤーを添わせることで歯を固定します。

ワイヤーの固定は、奥歯や大臼歯などにバンドとよばれる輪のものをひっかけることで行います。バンドがセメントで固定されているため、ご自身で外すことはできません。

ビベラリテーナーの特徴は?

透明なマウスピース

ビベラリテーナーは、インビザライン専用のリテーナーであると上述しました。では、ビベラリテーナーにはどのような特徴があるのでしょうか。以下、詳しく解説します。

クリンチェックのデータから作製できる

ビベラリテーナーとほかのリテーナーの大きな違いとして、クリンチェックのデータから作製できることがあげられます。

クリンチェックとは、インビザライン治療の際に用いるアライン社が開発したソフトウェアのことです。ビベラリテーナーは、インビザライン治療で使用したクリンチェックのデータから作製できるため、リテーナーを作製するために歯型をとる必要がありません。

耐久性に優れている

ビベラリテーナーは、強い強度があり耐久性に優れているため、自己管理がしやすいです。

見た目はインビザラインで使用したアライナーと似ていますが、強度はビベラリテーナーの方が高いです。衝撃などで割れにくく、着色汚れもしにくいため、長持ちしやすいとされています。

多少の後戻りの修正ができる

リテーナーをしっかり装着していても、後戻りが100%防げるわけではありません。

しかし、ビベラリテーナーは、0.25㎜程度の後戻りであれば修正が可能です。そのため、ビベラリテーナーは、後戻りの修正と保定を同時に行うことができるのです。

ホワイトニングもできる

ビベラリテーナーは、インビザライン治療と同様、保定しながらホワイトニングも同時に進めることができます。理想の歯並びと共に、理想の歯の色も手に入れることができるかもしれません。

保定期間はどれくらい?

クエスチョンマーク

基本的には、歯を動かしていた「矯正期間」と同じくらい「保定期間」が必要とされています。そのため、矯正期間が終了後、1~3年程度の保定期間が必要といえるでしょう。

また、矯正期間が終了した直後は歯が後戻りしやすいため、保定装置を食事と歯磨き以外の時間装着することが求められます。その後は、定期的に歯の固定具合に合わせて、保定装置の装着時間を徐々に減らしていきます。

仮に、リテーナーの使用を中断して、リテーナーの装着が不可能となってしまった場合は、無理に装着せず早めに歯科医師に相談しましょう。

まとめ

ポイントを指さす男性

インビザライン治療でやっと手に入れた理想の歯並びでも「矯正期間」と同じように「保定期間」が今後の歯並びを左右します。後戻りを起こさないために、決められた期間にしっかり保定装置を使用して歯を定着させることが重要です。また、保定装置もさまざまな種類があるため、ご自身に合った装置を使用し快適な矯正ライフを送りましょう。

インビザライン治療後の後戻りでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。

手でマウスピースを持っている

マウスピース矯正の失敗する原因と対処法を徹底解説!

2023年5月26日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

近年、利用する人が増えている矯正方法に「マウスピース矯正」があります。マウスピース矯正は、透明のマウスピースを装着して歯を動かしていく治療法で、装置が目立たないという特徴が人気です。

しかし「目立たない」というメリットばかりに目がいってしまい、デメリットを理解していない場合、また正しくマウスピースを装着していない場合、それらが原因でうまく矯正治療が進まないことがあります。

今回は、マウスピース矯正を失敗してしまう原因とその対処法について解説していきます。

マウスピース矯正とは

オレンジの背景の前で手を口元に当てている女性

マウスピース矯正は、ワイヤーやブラケットなどを使わず、透明なマウスピースを装着して歯を動かす矯正治療方法です。

マウスピースは、現在の歯並びから歯を動かしたい方向は少しずらした状態で作られており、装着することで少しずつ歯を動かしていく仕組みです。1日20〜22時間程度の装着が必要で、決められた期間が経過すると次のマウスピースに交換して装着します。マウスピースの種類と治療計画によりますが、およそ1週間程度経過後に交換することが多いです。

マウスピース矯正のメリット

マウスピース矯正の一番のメリットは、とにかく目立たないことです。

矯正治療というと、歯に金属の装置を付けなければいけないイメージをもっている方も多いのではないでしょうか。マウスピース矯正は、矯正装置が目立つのが嫌だという理由で、矯正治療をしようか悩んでいる人におすすめの矯正方法です。

そのほかにも、食事や歯みがきの時に装置を外すことができること、痛みや違和感が少ないことが挙げられます。

マウスピース矯正のデメリット

マウスピースは、取り外しができるというメリットがある一方で、装着時間や次のマウスピースへの交換時期をご自身で管理しなくてはなりません。自己管理が苦手な人には向いてない治療法といえるでしょう。

また、マウスピースは多くの症例に適応できる矯正方法ですが、歯の移動距離が大きい症例や重度の不正咬合、顎の骨格そのものに問題がある症例には向いていない場合があります。場合によっては歯に装置を取り付けるブラケット矯正の方が向いていることもありますので、歯科医師とよく相談のうえ、マウスピース矯正を始める必要があるでしょう。

マウスピース矯正の種類

「インビザライン」という矯正方法を聞いたことがあるかもしれません。インビザラインは、マウスピース矯正の種類の一つです。

インビザライン以外のマウスピース矯正は、アソアライナー、エシックスなどがあります。それぞれマウスピースの作りが違ったり、治療計画のやり方が異なったりしますが、透明のマウスピースを交換しながら装着していく点は同じです。

マウスピース矯正の失敗例

黄色の背景の前で両手を頬に当てて驚いている女性

マウスピース矯正で起こりえる失敗例を紹介していきます。

矯正に時間がかかってしまった

マウスピース矯正は、計画通りに矯正が進まず、時間がかかってしまうことがあります。

マウスピースの装着時間が短かったり、正しくマウスピースを交換できていないと治療に時間がかかる場合が多いでしょう。また、計画していた状態よりも歯が動きにくいことも考えられます。このような場合には、治療計画を立て直すことがあります。

歯ぐきが下がってしまった

歯を無理な力で動かしていたり、合わないマウスピースを使っていると、歯ぐきが下がってしまう場合があります。また、歯の形・歯ぐきの形・顎の骨の状態によっても、歯ぐきが下がりやすくなる可能性がないわけではありません。

歯ぐきが下がってしまうリスクは誰にでもありえます。事前に自分の歯ぐきの下がりやすさについて相談しておくとよいでしょう。

噛み合わせが悪くなってしまった

本来の矯正治療では、歯並びの見た目と噛み合わせの両方を整えることが目的ですが、見た目がきれいになっても、噛み合わせが悪化してしまうことがあります。

噛み合わせなどを考慮しながら治療を行ってもらえる歯科医院で矯正治療を行うことが大切です。実際に矯正治療を始める前にしっかりと相談をし、納得をしたうえで矯正治療を始めるようにしましょう。

歯並びが後戻りをしてしまった

矯正治療で歯を動かした後は、必ず「保定」という歯の位置を固定するための治療が必要です。

保定をしないと、もとの場所に戻ろうとする力が働き、歯並びが戻ってしまいます。マウスピース矯正で歯を動かした後は、必ず保定装置をつけるようにしましょう。

虫歯や歯周病になってしまった

矯正治療自体の失敗ではありませんが、矯正治療をして虫歯や歯周病になってしまうことがあります。これは、治療中にお口の清掃状態が悪いことが原因です。

マウスピース矯正の場合は、歯みがきの時にマウスピースを外すことができるため、固定式の矯正装置と比べて清掃自体はしやすくなります。自分の歯とマウスピースは必ず清掃をし、虫歯や歯周病にならないようにしましょう。

失敗の原因と対処法

右手に歯の治療器具を持っている歯科助手

マウスピース矯正は、取り外しができるというメリットがある一方、自己管理が必要だというデメリットもあります。装着時間や交換時期を守らないと矯正の失敗につながります。また、適応しにくい症例に対して無理やりマウスピース矯正を行うことも失敗してしまう可能性が上がるでしょう。

マウスピース矯正が失敗しないために、使用方法・管理方法をしっかり守るようにしましょう。歯科医師としっかりコミュニケーションを取り、納得したうえでマウスピース矯正を始める必要があります。疑問を感じたまま矯正治療を始めないことが大切です。

また、マウスピースに何か不具合を感じた場合や歯に異常を感じた場合は、すぐに歯科医院を受診することも重要です。治療計画を立て直す場合、早めに相談することでスムーズに仕切り直すことができるでしょう。

マウスピース矯正で失敗しないためのポイント

黄色の服を着た女性が右手の人差し指を立てている

マウスピース矯正で失敗しないためのポイントは、以下のとおりです。

信頼できる歯科医院で治療を行う

矯正治療は、歯科医院であれば行うことができます。矯正治療の経験がない歯科医院でもマウスピース矯正を行うことができるのです。

しかし、矯正治療は、虫歯治療と異なる特殊さがあります。マウスピース矯正の実績がある歯科医院を選ぶようにしましょう。

矯正治療は、検査を行い、綿密な治療計画を立てたあとに治療が始まります。マウスピース矯正には適応しにくい症例もありますので、計画の段階で仕上がりなどについてよく確認してから始めるようにしましょう。場合によっては、ほかの矯正方法を選択する方がよいこともあるでしょう。

マウスピースの装着時間、交換時期をきちんと守る

マウスピースは取り外しが自由にできますが、1日の装着時間をきちんと守る必要があります。装着時間は20〜22時間以上が一般的です。食事と歯みがきの時以外は、基本的に装着しましょう。

また、マウスピースは、決められた期間通りに、順番に交換する必要があります。交換時期をきちんと守り、紛失などがあった場合にはすぐに相談するようにしましょう。

違和感があったらすぐに相談する

マウスピースに違和感がある場合、マウスピースそのものに問題があることもあれば、計画通りに歯が動いていないことも考えられます。例えば、マウスピースが変形してしまっている場合は、計画通りに歯が動きません。

マウスピースを装着していて違和感を感じたら、次の受診日を待たずに、すぐに歯科医院に相談するようにしましょう。

保定装置をしっかりと装着する

マウスピース矯正で歯が動いたあとは、歯の位置を固定するための「保定装置」をつける必要があります。歯並びがきれいになったからと油断して、保定装置をしっかりとつけていないと、後戻りが起きてしまいます。

保定する期間も合わせて矯正治療です。しっかりと保定装置を装着するようにしましょう。

まとめ

歯の模型とマウスピース

マウスピース矯正は「装置が目立たない」「取り外しできる」など、メリットが多い矯正方法ですが、自己管理をきちんとしないと矯正の失敗につながります。

矯正は、時間や費用や手間がかかる大きな治療です。担当歯科医師としっかりコミュニケーションを取り、違和感などがあった時にはすぐに相談することも大切です。今回ご紹介した失敗しないためのポイントを守り、きれいな歯並びを手に入れましょう。

マウスピース矯正を検討されている方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。

青いケースに入ったマウスピース

インビザライン治療が延長になる原因と予定どおりに終わらせる方法

2023年5月5日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

インビザライン治療は、歯科矯正治療の中でも審美性に優れており、昨今注目されている矯正治療です。マウスピースを装着し徐々に歯を動かしていくため、治療期間は長期にわたります。

今回は、インビザライン治療が延長になる原因と、予定どおりに終わらせるために大切なことをご説明します。治療期間を予定どおり終了することができるように、ぜひ参考にしてください。

インビザラインの一般的な治療期間

緑の壁にかかっている時計

インビザライン治療の一般的な治療期間は、2~3年です。症例によっては、1年半程度で治療が終了する場合もあります。

そんなに治療期間が長いのかと驚く方もいるかもしれません。

インビザライン治療は、マウスピースを装着することで歯科矯正を行います。ひとつのマウスピースで動かせる歯の距離は約0.25㎜とされており、1㎜動かすには約1か月必要です。そのため、矯正終了までに必要なマウスピースは50枚前後で、2週間に1枚のペースで交換します。ゆっくりと時間をかけて歯を動かしていくため、治療期間が長いのです。

また、矯正治療が終了したあとに、もとの歯並びに戻ることを予防するため、リテーナーとよばれる装置をつける必要があります。この期間を「保定期間」とよび、保定期間が長ければ長いほど、もとの歯並びに戻るリスクを減らせるとされています。

インビザラインの治療期間と同じ期間、リテーナーを装着するのが一般的です。歯を動かす矯正期間が1年の場合、保定期間も1年程度となります。そのため、インビザラインでの矯正治療は、完了するまでに2~3年を要するのです。

インビザラインの治療期間が長くなるケース

口元に手を当てて悩む女性

インビザライン治療には、症例によって治療期間が長くなるケースがあります。

以下、それぞれ解説します。

重度の叢生(そうせい)

叢生とは、別名「乱ぐい歯」ともよばれ、歯が重なり合って凸凹している状態です。

顎が小さい、歯が大きいなどの理由で、歯がきれいに並ぶスペースが足りないことで引き起こされます。八重歯も叢生の一種です。重度の叢生を治療する場合、矯正部位や歯を移動する距離が長いため、治療期間も長くなります。

抜歯を伴う場合

インビザライン治療は、従来のマウスピース矯正と異なり、抜歯を必要とする症例であっても行える場合があります。

しかし、抜歯をした場合、そのすき間を埋めるために歯の移動距離が長くなるため、治療期間も長くなります。先述した重度の叢生でも、抜歯が必要となるケースが多いです。

歯槽骨が硬い

歯槽骨とは、歯を固定している骨のことです。歯槽骨が硬い人ほど、歯が動きにくく矯正期間が長くなるとされています。

歯槽骨の硬さには個人差があり、治療期間も異なるでしょう。

インビザライン治療が延びる原因

マウスピースを持つ女性

インビザライン治療では、3Dシミュレーションを用いて事前に治療計画を立てます。そのため、治療を開始する前に、ある程度矯正期間を把握することができるのです。

しかし、インビザラインでの治療期間は、さまざまな原因から延びることがあります。

以下、治療期間が延びてしまう原因について解説します。

マウスピースの装着時間

インビザライン治療は、マウスピースを自分で付け外しすることが特徴です。そのため、装着時間に個人差が出ることがあります。

インビザライン治療では、マウスピースを1日20〜22時間装着しなければなりません。マウスピースをいつでも外すことができることはメリットでもありますが、患者さまがどれだけ協力してくださるかによって治療効果に差が出てしまうことがあります。

誤った装着方法

装着方法が誤っており、マウスピースがしっかりと密着できていないと、計画どおりに歯が動かず、治療期間が延びる原因になります。

虫歯や歯周病

インビザライン治療では、マウスピースを1日20〜22時間装着する必要があると先述しました。

マウスピースを装着していると、ふだんよりも唾液の自浄作用が働きにくくなります。そのため、虫歯や歯周病のリスクが高くなるのです。また、マウスピースのケアがうまくできておらず、汚染されたまま装着すると、虫歯や歯周病を引き起こす原因となります。

毎日の歯磨きを丁寧に行い、マウスピースを清潔に保つことが大切です。

喫煙

タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があります。血管が収縮すると、身体の血流が悪くなり、新陳代謝に影響を及ぼします。

口腔内の血流も悪くなり、歯が移動するスピードを遅くする原因となるため、禁煙しましょう。

追加でマウスピースを作成することも

上下のマウスピースを持っている医師

インビザライン治療を進めていくなかで、リファインメントという言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

インビザライン治療では、治療開始前に立てた計画に沿って治療が進められます。

しかし、歯の動きが計画からずれてしまうこともあり、そのずれの修正や、より美しい歯並びを目指す際に、追加のマウスピースを作成することがあります。この工程を「リファインメント」とよび、インビザライン治療の大切な工程のひとつです。

リファインメントは、8割程度の方が必要になるとされています。リファインメントの回数は人それぞれで、一度も行わない方もいれば、5回以上行う方もいます。

リファインメントは治療計画からずれてしまった場合だけでなく、予定していた歯並びから少し変更したいという願いを叶えることもできるでしょう。

インビザライン治療を予定どおりに終わらせるためには

女性患者に説明する男性歯科医師

インビザライン治療を予定どおりに終わらせるために、自分でできることはあるのでしょうか。最後に、自宅でできるセルフケアをご説明します。

マウスピースの装着時間を守る

インビザライン治療を予定どおり終わらせるためには、マウスピースの装着時間を守ることが最も大切です。

マウスピースを外している時間は、治療を止めている時間です。食事と歯磨きをするとき以外、1日20〜22時間装着するという習慣をつけ、つけ忘れないようにしましょう。治療期間が大幅に延びるリスクを回避できます。

マウスピースの管理を徹底する

マウスピースを紛失したり、破損したりすることは、治療期間が延びる原因です。そのため、マウスピースはケースに保管する習慣をつけましょう。

また、マウスピースを丁寧に洗浄することで、汚染による破損のリスクを減らせます。マウスピースを清潔に保つことも大切です。

マウスピースの装着方法に注意する

マウスピースを両手で持ち、前歯から奥歯の順に装着します。このときに、歯で食いしばりながら装着すると、歯に過度な力がかかりマウスピースの破損につながるため、やめましょう。

また、正しく装着するためには、チューイーとよばれるシリコン製の棒を用いてマウスピースと歯を密着させることも大切です。マウスピースを交換してから数日は、マウスピースと歯の間にすき間ができやすいので、チューイーを用いてしっかりと密着させる必要があります。

虫歯や歯周病に注意する

汚染されたマウスピースを装着すると、虫歯になるリスクが高まります。清潔なマウスピースを装着することを意識しましょう。

また、毎日の歯磨きを丁寧にすることはもちろん、マウスピースを装着する前は必ず歯磨きをする習慣をつける必要があります。食べカスをそのままにしてマウスピースを装着すると、虫歯や歯周病を引き起こすリスクが高まります。手間はかかりますが、毎食後だけでなく間食やジュースを飲んだあとも、お口とマウスピースを清潔にしてから装着しましょう。

虫歯や歯周病になると、虫歯治療が必要になり、マウスピースの作り直しが必要になる場合もあります。治療開始前に立てた計画どおりに矯正が進まず、治療期間が延びるので、虫歯は予防することが大切です。

まとめ部屋でリラックスして笑う女性

 

インビザライン治療を予定どおり進めるためには、マウスピースを正しく装着すること、装着時間を厳守すること、虫歯や歯周病を予防することが重要です。ふだんの歯磨きだけでなく、間食やジュースを飲んだあとにも歯磨きを行い、口腔内を清潔に保ちましょう。また、喫煙の習慣がある方は、禁煙すると計画どおりに治療を進められる可能性が高まります。

治療が延長することのないようセルフケアをしっかりと行い、計画どおり矯正治療を進めましょう。

インビザライン治療でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。