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手でマウスピースを持っている

マウスピース矯正の失敗する原因と対処法を徹底解説!

2023年5月26日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

近年、利用する人が増えている矯正方法に「マウスピース矯正」があります。マウスピース矯正は、透明のマウスピースを装着して歯を動かしていく治療法で、装置が目立たないという特徴が人気です。

しかし「目立たない」というメリットばかりに目がいってしまい、デメリットを理解していない場合、また正しくマウスピースを装着していない場合、それらが原因でうまく矯正治療が進まないことがあります。

今回は、マウスピース矯正を失敗してしまう原因とその対処法について解説していきます。

マウスピース矯正とは

オレンジの背景の前で手を口元に当てている女性

マウスピース矯正は、ワイヤーやブラケットなどを使わず、透明なマウスピースを装着して歯を動かす矯正治療方法です。

マウスピースは、現在の歯並びから歯を動かしたい方向は少しずらした状態で作られており、装着することで少しずつ歯を動かしていく仕組みです。1日20〜22時間程度の装着が必要で、決められた期間が経過すると次のマウスピースに交換して装着します。マウスピースの種類と治療計画によりますが、およそ1週間程度経過後に交換することが多いです。

マウスピース矯正のメリット

マウスピース矯正の一番のメリットは、とにかく目立たないことです。

矯正治療というと、歯に金属の装置を付けなければいけないイメージをもっている方も多いのではないでしょうか。マウスピース矯正は、矯正装置が目立つのが嫌だという理由で、矯正治療をしようか悩んでいる人におすすめの矯正方法です。

そのほかにも、食事や歯みがきの時に装置を外すことができること、痛みや違和感が少ないことが挙げられます。

マウスピース矯正のデメリット

マウスピースは、取り外しができるというメリットがある一方で、装着時間や次のマウスピースへの交換時期をご自身で管理しなくてはなりません。自己管理が苦手な人には向いてない治療法といえるでしょう。

また、マウスピースは多くの症例に適応できる矯正方法ですが、歯の移動距離が大きい症例や重度の不正咬合、顎の骨格そのものに問題がある症例には向いていない場合があります。場合によっては歯に装置を取り付けるブラケット矯正の方が向いていることもありますので、歯科医師とよく相談のうえ、マウスピース矯正を始める必要があるでしょう。

マウスピース矯正の種類

「インビザライン」という矯正方法を聞いたことがあるかもしれません。インビザラインは、マウスピース矯正の種類の一つです。

インビザライン以外のマウスピース矯正は、アソアライナー、エシックスなどがあります。それぞれマウスピースの作りが違ったり、治療計画のやり方が異なったりしますが、透明のマウスピースを交換しながら装着していく点は同じです。

マウスピース矯正の失敗例

黄色の背景の前で両手を頬に当てて驚いている女性

マウスピース矯正で起こりえる失敗例を紹介していきます。

矯正に時間がかかってしまった

マウスピース矯正は、計画通りに矯正が進まず、時間がかかってしまうことがあります。

マウスピースの装着時間が短かったり、正しくマウスピースを交換できていないと治療に時間がかかる場合が多いでしょう。また、計画していた状態よりも歯が動きにくいことも考えられます。このような場合には、治療計画を立て直すことがあります。

歯ぐきが下がってしまった

歯を無理な力で動かしていたり、合わないマウスピースを使っていると、歯ぐきが下がってしまう場合があります。また、歯の形・歯ぐきの形・顎の骨の状態によっても、歯ぐきが下がりやすくなる可能性がないわけではありません。

歯ぐきが下がってしまうリスクは誰にでもありえます。事前に自分の歯ぐきの下がりやすさについて相談しておくとよいでしょう。

噛み合わせが悪くなってしまった

本来の矯正治療では、歯並びの見た目と噛み合わせの両方を整えることが目的ですが、見た目がきれいになっても、噛み合わせが悪化してしまうことがあります。

噛み合わせなどを考慮しながら治療を行ってもらえる歯科医院で矯正治療を行うことが大切です。実際に矯正治療を始める前にしっかりと相談をし、納得をしたうえで矯正治療を始めるようにしましょう。

歯並びが後戻りをしてしまった

矯正治療で歯を動かした後は、必ず「保定」という歯の位置を固定するための治療が必要です。

保定をしないと、もとの場所に戻ろうとする力が働き、歯並びが戻ってしまいます。マウスピース矯正で歯を動かした後は、必ず保定装置をつけるようにしましょう。

虫歯や歯周病になってしまった

矯正治療自体の失敗ではありませんが、矯正治療をして虫歯や歯周病になってしまうことがあります。これは、治療中にお口の清掃状態が悪いことが原因です。

マウスピース矯正の場合は、歯みがきの時にマウスピースを外すことができるため、固定式の矯正装置と比べて清掃自体はしやすくなります。自分の歯とマウスピースは必ず清掃をし、虫歯や歯周病にならないようにしましょう。

失敗の原因と対処法

右手に歯の治療器具を持っている歯科助手

マウスピース矯正は、取り外しができるというメリットがある一方、自己管理が必要だというデメリットもあります。装着時間や交換時期を守らないと矯正の失敗につながります。また、適応しにくい症例に対して無理やりマウスピース矯正を行うことも失敗してしまう可能性が上がるでしょう。

マウスピース矯正が失敗しないために、使用方法・管理方法をしっかり守るようにしましょう。歯科医師としっかりコミュニケーションを取り、納得したうえでマウスピース矯正を始める必要があります。疑問を感じたまま矯正治療を始めないことが大切です。

また、マウスピースに何か不具合を感じた場合や歯に異常を感じた場合は、すぐに歯科医院を受診することも重要です。治療計画を立て直す場合、早めに相談することでスムーズに仕切り直すことができるでしょう。

マウスピース矯正で失敗しないためのポイント

黄色の服を着た女性が右手の人差し指を立てている

マウスピース矯正で失敗しないためのポイントは、以下のとおりです。

信頼できる歯科医院で治療を行う

矯正治療は、歯科医院であれば行うことができます。矯正治療の経験がない歯科医院でもマウスピース矯正を行うことができるのです。

しかし、矯正治療は、虫歯治療と異なる特殊さがあります。マウスピース矯正の実績がある歯科医院を選ぶようにしましょう。

矯正治療は、検査を行い、綿密な治療計画を立てたあとに治療が始まります。マウスピース矯正には適応しにくい症例もありますので、計画の段階で仕上がりなどについてよく確認してから始めるようにしましょう。場合によっては、ほかの矯正方法を選択する方がよいこともあるでしょう。

マウスピースの装着時間、交換時期をきちんと守る

マウスピースは取り外しが自由にできますが、1日の装着時間をきちんと守る必要があります。装着時間は20〜22時間以上が一般的です。食事と歯みがきの時以外は、基本的に装着しましょう。

また、マウスピースは、決められた期間通りに、順番に交換する必要があります。交換時期をきちんと守り、紛失などがあった場合にはすぐに相談するようにしましょう。

違和感があったらすぐに相談する

マウスピースに違和感がある場合、マウスピースそのものに問題があることもあれば、計画通りに歯が動いていないことも考えられます。例えば、マウスピースが変形してしまっている場合は、計画通りに歯が動きません。

マウスピースを装着していて違和感を感じたら、次の受診日を待たずに、すぐに歯科医院に相談するようにしましょう。

保定装置をしっかりと装着する

マウスピース矯正で歯が動いたあとは、歯の位置を固定するための「保定装置」をつける必要があります。歯並びがきれいになったからと油断して、保定装置をしっかりとつけていないと、後戻りが起きてしまいます。

保定する期間も合わせて矯正治療です。しっかりと保定装置を装着するようにしましょう。

まとめ

歯の模型とマウスピース

マウスピース矯正は「装置が目立たない」「取り外しできる」など、メリットが多い矯正方法ですが、自己管理をきちんとしないと矯正の失敗につながります。

矯正は、時間や費用や手間がかかる大きな治療です。担当歯科医師としっかりコミュニケーションを取り、違和感などがあった時にはすぐに相談することも大切です。今回ご紹介した失敗しないためのポイントを守り、きれいな歯並びを手に入れましょう。

マウスピース矯正を検討されている方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。

青いケースに入ったマウスピース

インビザライン治療が延長になる原因と予定どおりに終わらせる方法

2023年5月5日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

インビザライン治療は、歯科矯正治療の中でも審美性に優れており、昨今注目されている矯正治療です。マウスピースを装着し徐々に歯を動かしていくため、治療期間は長期にわたります。

今回は、インビザライン治療が延長になる原因と、予定どおりに終わらせるために大切なことをご説明します。治療期間を予定どおり終了することができるように、ぜひ参考にしてください。

インビザラインの一般的な治療期間

緑の壁にかかっている時計

インビザライン治療の一般的な治療期間は、2~3年です。症例によっては、1年半程度で治療が終了する場合もあります。

そんなに治療期間が長いのかと驚く方もいるかもしれません。

インビザライン治療は、マウスピースを装着することで歯科矯正を行います。ひとつのマウスピースで動かせる歯の距離は約0.25㎜とされており、1㎜動かすには約1か月必要です。そのため、矯正終了までに必要なマウスピースは50枚前後で、2週間に1枚のペースで交換します。ゆっくりと時間をかけて歯を動かしていくため、治療期間が長いのです。

また、矯正治療が終了したあとに、もとの歯並びに戻ることを予防するため、リテーナーとよばれる装置をつける必要があります。この期間を「保定期間」とよび、保定期間が長ければ長いほど、もとの歯並びに戻るリスクを減らせるとされています。

インビザラインの治療期間と同じ期間、リテーナーを装着するのが一般的です。歯を動かす矯正期間が1年の場合、保定期間も1年程度となります。そのため、インビザラインでの矯正治療は、完了するまでに2~3年を要するのです。

インビザラインの治療期間が長くなるケース

口元に手を当てて悩む女性

インビザライン治療には、症例によって治療期間が長くなるケースがあります。

以下、それぞれ解説します。

重度の叢生(そうせい)

叢生とは、別名「乱ぐい歯」ともよばれ、歯が重なり合って凸凹している状態です。

顎が小さい、歯が大きいなどの理由で、歯がきれいに並ぶスペースが足りないことで引き起こされます。八重歯も叢生の一種です。重度の叢生を治療する場合、矯正部位や歯を移動する距離が長いため、治療期間も長くなります。

抜歯を伴う場合

インビザライン治療は、従来のマウスピース矯正と異なり、抜歯を必要とする症例であっても行える場合があります。

しかし、抜歯をした場合、そのすき間を埋めるために歯の移動距離が長くなるため、治療期間も長くなります。先述した重度の叢生でも、抜歯が必要となるケースが多いです。

歯槽骨が硬い

歯槽骨とは、歯を固定している骨のことです。歯槽骨が硬い人ほど、歯が動きにくく矯正期間が長くなるとされています。

歯槽骨の硬さには個人差があり、治療期間も異なるでしょう。

インビザライン治療が延びる原因

マウスピースを持つ女性

インビザライン治療では、3Dシミュレーションを用いて事前に治療計画を立てます。そのため、治療を開始する前に、ある程度矯正期間を把握することができるのです。

しかし、インビザラインでの治療期間は、さまざまな原因から延びることがあります。

以下、治療期間が延びてしまう原因について解説します。

マウスピースの装着時間

インビザライン治療は、マウスピースを自分で付け外しすることが特徴です。そのため、装着時間に個人差が出ることがあります。

インビザライン治療では、マウスピースを1日20〜22時間装着しなければなりません。マウスピースをいつでも外すことができることはメリットでもありますが、患者さまがどれだけ協力してくださるかによって治療効果に差が出てしまうことがあります。

誤った装着方法

装着方法が誤っており、マウスピースがしっかりと密着できていないと、計画どおりに歯が動かず、治療期間が延びる原因になります。

虫歯や歯周病

インビザライン治療では、マウスピースを1日20〜22時間装着する必要があると先述しました。

マウスピースを装着していると、ふだんよりも唾液の自浄作用が働きにくくなります。そのため、虫歯や歯周病のリスクが高くなるのです。また、マウスピースのケアがうまくできておらず、汚染されたまま装着すると、虫歯や歯周病を引き起こす原因となります。

毎日の歯磨きを丁寧に行い、マウスピースを清潔に保つことが大切です。

喫煙

タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があります。血管が収縮すると、身体の血流が悪くなり、新陳代謝に影響を及ぼします。

口腔内の血流も悪くなり、歯が移動するスピードを遅くする原因となるため、禁煙しましょう。

追加でマウスピースを作成することも

上下のマウスピースを持っている医師

インビザライン治療を進めていくなかで、リファインメントという言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

インビザライン治療では、治療開始前に立てた計画に沿って治療が進められます。

しかし、歯の動きが計画からずれてしまうこともあり、そのずれの修正や、より美しい歯並びを目指す際に、追加のマウスピースを作成することがあります。この工程を「リファインメント」とよび、インビザライン治療の大切な工程のひとつです。

リファインメントは、8割程度の方が必要になるとされています。リファインメントの回数は人それぞれで、一度も行わない方もいれば、5回以上行う方もいます。

リファインメントは治療計画からずれてしまった場合だけでなく、予定していた歯並びから少し変更したいという願いを叶えることもできるでしょう。

インビザライン治療を予定どおりに終わらせるためには

女性患者に説明する男性歯科医師

インビザライン治療を予定どおりに終わらせるために、自分でできることはあるのでしょうか。最後に、自宅でできるセルフケアをご説明します。

マウスピースの装着時間を守る

インビザライン治療を予定どおり終わらせるためには、マウスピースの装着時間を守ることが最も大切です。

マウスピースを外している時間は、治療を止めている時間です。食事と歯磨きをするとき以外、1日20〜22時間装着するという習慣をつけ、つけ忘れないようにしましょう。治療期間が大幅に延びるリスクを回避できます。

マウスピースの管理を徹底する

マウスピースを紛失したり、破損したりすることは、治療期間が延びる原因です。そのため、マウスピースはケースに保管する習慣をつけましょう。

また、マウスピースを丁寧に洗浄することで、汚染による破損のリスクを減らせます。マウスピースを清潔に保つことも大切です。

マウスピースの装着方法に注意する

マウスピースを両手で持ち、前歯から奥歯の順に装着します。このときに、歯で食いしばりながら装着すると、歯に過度な力がかかりマウスピースの破損につながるため、やめましょう。

また、正しく装着するためには、チューイーとよばれるシリコン製の棒を用いてマウスピースと歯を密着させることも大切です。マウスピースを交換してから数日は、マウスピースと歯の間にすき間ができやすいので、チューイーを用いてしっかりと密着させる必要があります。

虫歯や歯周病に注意する

汚染されたマウスピースを装着すると、虫歯になるリスクが高まります。清潔なマウスピースを装着することを意識しましょう。

また、毎日の歯磨きを丁寧にすることはもちろん、マウスピースを装着する前は必ず歯磨きをする習慣をつける必要があります。食べカスをそのままにしてマウスピースを装着すると、虫歯や歯周病を引き起こすリスクが高まります。手間はかかりますが、毎食後だけでなく間食やジュースを飲んだあとも、お口とマウスピースを清潔にしてから装着しましょう。

虫歯や歯周病になると、虫歯治療が必要になり、マウスピースの作り直しが必要になる場合もあります。治療開始前に立てた計画どおりに矯正が進まず、治療期間が延びるので、虫歯は予防することが大切です。

まとめ部屋でリラックスして笑う女性

 

インビザライン治療を予定どおり進めるためには、マウスピースを正しく装着すること、装着時間を厳守すること、虫歯や歯周病を予防することが重要です。ふだんの歯磨きだけでなく、間食やジュースを飲んだあとにも歯磨きを行い、口腔内を清潔に保ちましょう。また、喫煙の習慣がある方は、禁煙すると計画どおりに治療を進められる可能性が高まります。

治療が延長することのないようセルフケアをしっかりと行い、計画どおり矯正治療を進めましょう。

インビザライン治療でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。