こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。
インビザライン治療は、歯科矯正治療の中でも審美性に優れており、昨今注目されている矯正治療です。マウスピースを装着し徐々に歯を動かしていくため、治療期間は長期にわたります。
今回は、インビザライン治療が延長になる原因と、予定どおりに終わらせるために大切なことをご説明します。治療期間を予定どおり終了することができるように、ぜひ参考にしてください。
Contents
インビザラインの一般的な治療期間
インビザライン治療の一般的な治療期間は、2~3年です。症例によっては、1年半程度で治療が終了する場合もあります。
そんなに治療期間が長いのかと驚く方もいるかもしれません。
インビザライン治療は、マウスピースを装着することで歯科矯正を行います。ひとつのマウスピースで動かせる歯の距離は約0.25㎜とされており、1㎜動かすには約1か月必要です。そのため、矯正終了までに必要なマウスピースは50枚前後で、2週間に1枚のペースで交換します。ゆっくりと時間をかけて歯を動かしていくため、治療期間が長いのです。
また、矯正治療が終了したあとに、もとの歯並びに戻ることを予防するため、リテーナーとよばれる装置をつける必要があります。この期間を「保定期間」とよび、保定期間が長ければ長いほど、もとの歯並びに戻るリスクを減らせるとされています。
インビザラインの治療期間と同じ期間、リテーナーを装着するのが一般的です。歯を動かす矯正期間が1年の場合、保定期間も1年程度となります。そのため、インビザラインでの矯正治療は、完了するまでに2~3年を要するのです。
インビザラインの治療期間が長くなるケース
インビザライン治療には、症例によって治療期間が長くなるケースがあります。
以下、それぞれ解説します。
重度の叢生(そうせい)
叢生とは、別名「乱ぐい歯」ともよばれ、歯が重なり合って凸凹している状態です。
顎が小さい、歯が大きいなどの理由で、歯がきれいに並ぶスペースが足りないことで引き起こされます。八重歯も叢生の一種です。重度の叢生を治療する場合、矯正部位や歯を移動する距離が長いため、治療期間も長くなります。
抜歯を伴う場合
インビザライン治療は、従来のマウスピース矯正と異なり、抜歯を必要とする症例であっても行える場合があります。
しかし、抜歯をした場合、そのすき間を埋めるために歯の移動距離が長くなるため、治療期間も長くなります。先述した重度の叢生でも、抜歯が必要となるケースが多いです。
歯槽骨が硬い
歯槽骨とは、歯を固定している骨のことです。歯槽骨が硬い人ほど、歯が動きにくく矯正期間が長くなるとされています。
歯槽骨の硬さには個人差があり、治療期間も異なるでしょう。
インビザライン治療が延びる原因
インビザライン治療では、3Dシミュレーションを用いて事前に治療計画を立てます。そのため、治療を開始する前に、ある程度矯正期間を把握することができるのです。
しかし、インビザラインでの治療期間は、さまざまな原因から延びることがあります。
以下、治療期間が延びてしまう原因について解説します。
マウスピースの装着時間
インビザライン治療は、マウスピースを自分で付け外しすることが特徴です。そのため、装着時間に個人差が出ることがあります。
インビザライン治療では、マウスピースを1日20〜22時間装着しなければなりません。マウスピースをいつでも外すことができることはメリットでもありますが、患者さまがどれだけ協力してくださるかによって治療効果に差が出てしまうことがあります。
誤った装着方法
装着方法が誤っており、マウスピースがしっかりと密着できていないと、計画どおりに歯が動かず、治療期間が延びる原因になります。
虫歯や歯周病
インビザライン治療では、マウスピースを1日20〜22時間装着する必要があると先述しました。
マウスピースを装着していると、ふだんよりも唾液の自浄作用が働きにくくなります。そのため、虫歯や歯周病のリスクが高くなるのです。また、マウスピースのケアがうまくできておらず、汚染されたまま装着すると、虫歯や歯周病を引き起こす原因となります。
毎日の歯磨きを丁寧に行い、マウスピースを清潔に保つことが大切です。
喫煙
タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があります。血管が収縮すると、身体の血流が悪くなり、新陳代謝に影響を及ぼします。
口腔内の血流も悪くなり、歯が移動するスピードを遅くする原因となるため、禁煙しましょう。
追加でマウスピースを作成することも
インビザライン治療を進めていくなかで、リファインメントという言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
インビザライン治療では、治療開始前に立てた計画に沿って治療が進められます。
しかし、歯の動きが計画からずれてしまうこともあり、そのずれの修正や、より美しい歯並びを目指す際に、追加のマウスピースを作成することがあります。この工程を「リファインメント」とよび、インビザライン治療の大切な工程のひとつです。
リファインメントは、8割程度の方が必要になるとされています。リファインメントの回数は人それぞれで、一度も行わない方もいれば、5回以上行う方もいます。
リファインメントは治療計画からずれてしまった場合だけでなく、予定していた歯並びから少し変更したいという願いを叶えることもできるでしょう。
インビザライン治療を予定どおりに終わらせるためには
インビザライン治療を予定どおりに終わらせるために、自分でできることはあるのでしょうか。最後に、自宅でできるセルフケアをご説明します。
マウスピースの装着時間を守る
インビザライン治療を予定どおり終わらせるためには、マウスピースの装着時間を守ることが最も大切です。
マウスピースを外している時間は、治療を止めている時間です。食事と歯磨きをするとき以外、1日20〜22時間装着するという習慣をつけ、つけ忘れないようにしましょう。治療期間が大幅に延びるリスクを回避できます。
マウスピースの管理を徹底する
マウスピースを紛失したり、破損したりすることは、治療期間が延びる原因です。そのため、マウスピースはケースに保管する習慣をつけましょう。
また、マウスピースを丁寧に洗浄することで、汚染による破損のリスクを減らせます。マウスピースを清潔に保つことも大切です。
マウスピースの装着方法に注意する
マウスピースを両手で持ち、前歯から奥歯の順に装着します。このときに、歯で食いしばりながら装着すると、歯に過度な力がかかりマウスピースの破損につながるため、やめましょう。
また、正しく装着するためには、チューイーとよばれるシリコン製の棒を用いてマウスピースと歯を密着させることも大切です。マウスピースを交換してから数日は、マウスピースと歯の間にすき間ができやすいので、チューイーを用いてしっかりと密着させる必要があります。
虫歯や歯周病に注意する
汚染されたマウスピースを装着すると、虫歯になるリスクが高まります。清潔なマウスピースを装着することを意識しましょう。
また、毎日の歯磨きを丁寧にすることはもちろん、マウスピースを装着する前は必ず歯磨きをする習慣をつける必要があります。食べカスをそのままにしてマウスピースを装着すると、虫歯や歯周病を引き起こすリスクが高まります。手間はかかりますが、毎食後だけでなく間食やジュースを飲んだあとも、お口とマウスピースを清潔にしてから装着しましょう。
虫歯や歯周病になると、虫歯治療が必要になり、マウスピースの作り直しが必要になる場合もあります。治療開始前に立てた計画どおりに矯正が進まず、治療期間が延びるので、虫歯は予防することが大切です。
まとめ
インビザライン治療を予定どおり進めるためには、マウスピースを正しく装着すること、装着時間を厳守すること、虫歯や歯周病を予防することが重要です。ふだんの歯磨きだけでなく、間食やジュースを飲んだあとにも歯磨きを行い、口腔内を清潔に保ちましょう。また、喫煙の習慣がある方は、禁煙すると計画どおりに治療を進められる可能性が高まります。
治療が延長することのないようセルフケアをしっかりと行い、計画どおり矯正治療を進めましょう。
インビザライン治療でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。