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矯正治療後のメンテナンス方法と定期検診の重要性

矯正治療後のメンテナンス方法と定期検診の重要性

2024年11月8日

こんにちは!大阪府八尾市の歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。歯の事やそれに関連する様々な疑問に勝手に答えていく「もりかわ歯科の勝手に解説!ブログ」です!

矯正治療を終えて、ついに手に入れた美しい歯並び!
鏡を見るたびに嬉しくなりますよね。

でも、ここで気を抜いてはいけません。
矯正治療後のケアを怠ると、せっかくの努力が水の泡になってしまうことも…

この記事では矯正治療後のメンテナンス方法と、定期検診の重要性について詳しく解説します。

矯正治療後、美しい歯並びをキープするために…

長年の矯正治療を終え、ついに手に入れた美しい歯並び。
鏡を見るたびに嬉しくなり、自信を持って笑顔になれる喜びは何物にも代えがたいですよね。

ここで気を抜いてはいけません。矯正治療は装置を外した瞬間がゴールではありません。
むしろ、そこからが本当のスタートと言えるでしょう。

なぜなら、歯は「後戻り」する可能性があるから

矯正治療によって歯は理想的な位置に移動しますが、歯を支える周囲の組織(歯根膜や歯槽骨)は、まだ完全に安定していない状態です。例えるなら強風で曲がったばかりの若木のようなもの。支えがないと、また元の曲がった状態に戻ってしまいますよね?

歯も同じです。矯正装置という支えを失った歯は元の位置に戻ろうとする力が働き、せっかくの治療効果が台無しになってしまう可能性があります。これを「後戻り」と言います。

リテーナー:歯並びをキープする「縁の下の力持ち」

そこで登場するのが「リテーナー」です。リテーナーは矯正治療後、歯並びが後戻りしないように歯の位置を保定(固定)するための装置です。いわば歯並びを支える「添え木」のような存在と言えるでしょう。

特にマウスピース矯正の場合、リテーナーは矯正治療中に使用していたマウスピースと見た目がほとんど変わりません。透明で目立ちにくいため、周囲に気づかれずに装着できるのも嬉しいポイントです。

後戻りを防ぎ、美しい歯並びを一生の宝物に

リテーナーは矯正治療の成果を末永く維持するために欠かせない存在です。
しかし「リテーナーって本当に必要なの?」「後戻りって、そんなに簡単に起こるの?」といった疑問をお持ちの方もいるかもしれません。

次の章では後戻りのメカニズムやその原因、そしてリテーナーを使用しなかった場合に起こりうるリスクについて詳しく解説していきます。

後戻りってなに?その原因と対策を知ろう!

後戻りってなに?その原因と対策を知ろう!

後戻りとは、矯正治療によってせっかく動かした歯が元の位置に戻ろうとする現象のことです。

後戻りって、本当に起こるの?

矯正治療中はブラケットやワイヤー、マウスピースなどの矯正装置によって歯に一定の力を加え、少しずつ動かしていきます。しかし治療が終わり、これらの装置が外れると歯は元の位置に戻ろうとする力が働いてしまうのです。

後戻りの原因は?

後戻りの原因は一つではありません。様々な要因が複雑に絡み合い、後戻りを引き起こします。

歯根膜の弾性

歯を支える歯根膜には元の位置に戻ろうとする弾性があります。
矯正装置によって歯が移動すると、歯根膜も引き伸ばされたり圧縮されたりします。装置が外れると、この歯根膜の弾性によって歯が元の位置に戻ろうとするのです。

舌や唇、頬の筋肉の圧力

舌や唇、頬の筋肉は常に歯に圧力をかけています。
矯正治療によって歯並びが変わるとこれらの筋肉のバランスも変化し、新しい歯並びに適応しようとする過程で歯に力が加わります。この力が後戻りの原因となることがあります。

加齢

年齢を重ねると歯や歯茎、顎の骨などが変化して歯並びが少しずつ変化することがあります。
特に歯周病などで歯茎や骨が弱っていると、後戻りが起こりやすくなります。

歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは歯に強い力がかかるため、後戻りの原因となります。
特に夜間の歯ぎしりや食いしばりは、無意識のうちに行われることが多いため注意が必要です。

舌の癖や口呼吸

舌で歯を押す癖や口呼吸は歯並びを悪化させる原因となります。
矯正治療後もこれらの癖が続くと、後戻りのリスクが高まります。

リテーナーの不適切な使用

リテーナーは後戻りを防ぐための非常に重要な装置です。
しかし指示された時間通りに装着しなかったりお手入れを怠ったりすると、その効果が十分に発揮されず後戻りが起こりやすくなります。

後戻りを防ぐために、具体的に何ができるのでしょうか?

次の章では後戻りを防ぐための具体的な対策、特に「リテーナー」という装置の重要性について詳しく解説します。

後戻りを防ぐためには?

後戻りを防ぐためには?

後戻りを防ぐためには、まさに「継続は力なり!」 歯科医師の指示に従いリテーナーを毎日コツコツと装着することが何よりも大切です。
リテーナーには大きく分けて2つの種類があります。それぞれの特徴を理解して、あなたに合ったタイプを選びましょう。

1. 固定式リテーナー(ワイヤータイプ)

1. 固定式リテーナー(ワイヤータイプ)

特徴

歯の裏側に細いワイヤーを接着剤で固定するタイプのリテーナーです。

メリット
  • 取り外しができないため、装着時の違和感や紛失の心配がありません。
  • 食事や歯磨きの際に外す必要がないため、装着時間をしっかりと確保できます。
  • 主に前歯の裏側に装着され、後戻りしやすい前歯の歯並びをしっかりとキープします。
デメリット
  • 装置が目立ちやすい場合があります。(※ただし、近年では、より目立ちにくい素材やデザインのワイヤーも開発されています。)
  • 発音に影響が出る場合があるため、慣れるまで時間がかかることがあります。
  • 定期的な歯科医院でのクリーニングが必要です。ワイヤーの周りにプラーク(歯垢)が溜まりやすいため、丁寧な歯磨きと定期的なクリーニングが重要です。

2. 可撤式リテーナー(マウスピースタイプ)

2. 可撤式リテーナー(マウスピースタイプ)

特徴

透明なマウスピース型の装置で、取り外しが可能なタイプのリテーナーです。

メリット
  • 装着時の見た目が目立ちにくく、周囲に気づかれずに矯正治療を続けられます。
  • 食事や歯磨きの際は取り外せるため、口腔内を清潔に保ちやすいです。
  • 装着感が比較的快適で発音への影響も少ないです。
デメリット
  • 紛失や破損のリスクがあります。
  • 自己管理が必要で、装着時間をしっかりと確保する必要があります。
  • 1日20時間以上の装着が推奨されており、食事や歯磨きの時以外は装着する必要があります。

どのリテーナーがあなたに合う?

どのリテーナーを使用するかは、あなたの歯並びの状態やライフスタイル、そしてご希望などを考慮して歯科医師が判断します。

  • 後戻りのリスクが高い場合や自己管理に自信がない場合は、固定式リテーナーがおすすめです。
  • 見た目を気にされる方や食事や歯磨きの際に装置を外したい方は、取り外し式リテーナーがおすすめです。

リテーナーは、美しい歯並びを保つための「保険」

矯正治療後のリテーナー装着は、せっかく手に入れた美しい歯並びを長期的に維持するために非常に重要です。

しかし「リテーナーって本当に必要なの?」「面倒くさくて、ついサボってしまう…」そう思ってしまう方もいるかもしれません。
次の章では、リテーナー装着を怠るとどうなるのか、そのリスクについて詳しく解説していきます。

放置すると…後戻りするだけじゃない!定期検診を怠ると起こるコト

矯正治療が終わり、晴れて念願の美しい歯並びを手に入れたあなた。

「これで終わり!もう歯医者さんに行く必要はないかな?」
「リテーナーも面倒だし、もういいかな…」

そんな風に思っていませんか?

実は矯正治療後の定期検診を怠ると、後戻りのリスクが高まるだけでなく様々な問題が起こる可能性があります。

1. 虫歯や歯周病の発生・再発:矯正装置が外れても安心は禁物!

矯正装置がなくなったことで、歯磨きがしやすくなったと感じる方も多いでしょう。しかし、油断は禁物です。

歯並びの変化で新たな磨き残しポイントが

歯並びが変化したことで、以前は磨きやすかった場所が逆に磨きにくくなっていたり新たな磨き残しポイントが生じたりすることもあります。

歯の表面に微細な傷

矯正治療中に歯の表面に微細な傷がついている場合があり、そこにプラークが溜まりやすくなることも。

唾液の分泌量の変化

ストレスや生活習慣の変化により、唾液の分泌量が減少して虫歯や歯周病のリスクが高まることもあります。

定期検診では、プロによるクリーニングや歯磨き指導を受けることで、これらのリスクを未然に防ぎ、お口の健康を守ることができます。

2. 噛み合わせの変化:放置すると顎関節症に!?

矯正治療後も、顎の成長や歯の磨耗などにより噛み合わせが少しずつ変化することがあります。

顎関節症のリスク

噛み合わせの変化を放置すると顎関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こす可能性があります。顎関節症は顎の関節や周囲の筋肉に痛みや違和感、口が開きにくい、顎を動かすと音が鳴るなどの症状を引き起こします。さらに放置すると頭痛や肩こり、耳鳴り、さらには全身の姿勢の悪化にまで繋がる可能性も…。

見た目の変化

噛み合わせの変化は顔のバランスにも影響を与えることがあります。

定期的な検診で噛み合わせをチェックし、必要に応じて調整を受けることでこれらの問題を予防することができます。

3. リテーナーの破損や不適合:後戻りの原因にも

リテーナーは毎日使用することで、徐々に劣化したり変形したりすることがあります。また、歯並びがわずかに変化することでリテーナーが合わなくなることもあります。

後戻りのリスク

リテーナーが破損していたりフィットしていなかったりすると歯が動きやすくなり、後戻りが起こりやすくなります。

口腔内トラブル

変形したリテーナーは口内を傷つけ、口内炎などのトラブルを引き起こす可能性もあります。

定期検診ではリテーナーの状態をチェックし、必要に応じて修理や作り直しを行うことができます。

定期検診は「お口の健康維持」に欠かせません

矯正治療後の定期検診は後戻りだけでなく、虫歯や歯周病、噛み合わせの問題など様々な口腔トラブルを未然に防ぐために非常に重要です。

「でも、定期検診って具体的にどんなことをするの?」
「費用はどれくらいかかるの?」

そんな疑問にお答えするため、次の章では矯正治療後のケアに関するよくある質問をQ&A形式で解説していきます。

矯正治療後のケア、疑問を解決します!Q&A

矯正治療後のケアについて、気になる疑問を解消していきましょう。
正しい知識を身につけることで、美しい歯並びを安心して長く保つことができます。

Q. リテーナーはいつまで装着すればいいですか?

  1. 歯並びの状態や年齢、治療方法などによって個人差がありますが、一般的には最低でも2〜3年は必要です。

その後は歯科医師の指示に従って徐々に装着時間を減らしていくことはできますが、せっかく手に入れた美しい歯並びをキープするためにできる限り長く、理想的には一生涯使い続けていただきたいと考えています。
最初は少し面倒に感じるかもしれませんが、矯正治療を始めると装置を装着することに慣れてきます。リテーナーも同様で毎日装着することで自然と生活の一部となり、歯並びを維持するための大切な習慣となるでしょう。

定期的な歯科検診で歯並びの状態をチェックし、適切な装着時間を調整しながら一緒に美しい歯並びを保っていきましょう。

Q. リテーナーの装着時間を守らないとどうなるの?

  1. せっかく矯正治療で手に入れた美しい歯並びが元の状態に戻ってしまう「後戻り」が起こりやすくなります。

後戻りの程度はリテーナーを外していた期間や歯並びの状態、年齢などによって異なりますが、場合によっては再矯正が必要になることもあります。
再矯正となれば、再び時間的、経済的、肉体的負担を強いられることになりますので、指示された装着時間を守り後戻りを防ぐことが大切です。

美しい歯並びを維持するためにも、リテーナーは毎日忘れずに装着しましょう。

Q. 定期検診はどのくらいの頻度で受ければいいですか?

  1. 矯正治療後は、3ヶ月〜半年に1回の頻度で定期検診を受けることをおすすめします。

定期検診では、

  • 歯並びや噛み合わせの状態をチェック
  • 虫歯や歯周病の検査
  • 歯のクリーニング
  • リテーナーの調整

などを行います。

定期検診は矯正治療後の歯並びを安定させ、お口の健康を維持するために非常に重要です。
歯並びを長く維持するためにも定期検診は欠かせません。ぜひお気軽にご予約ください。

Q. 定期検診では具体的にどんなことをしますか?

  • 歯並びと噛み合わせのチェック: 矯正治療後の歯並びや噛み合わせが安定しているか、後戻りの兆候がないかなどを確認します。
  • 虫歯・歯周病の検査: 虫歯や歯周病の有無を検査し、早期発見・早期治療に努めます。
  • 歯のクリーニング: 歯の表面や歯と歯の間、歯周ポケットなどを専門的な器具でクリーニングし、口腔内を清潔に保ちます。
  • リテーナーの調整: リテーナーの破損や変形、不適合があれば、修理や調整を行います。
  • 歯磨き指導: 変化した歯並びに合わせた、より効果的な歯磨き方法を指導します。
  • その他: 気になることや不安なことがあれば、何でもご相談ください。

Q. 定期検診の費用はどれくらいかかりますか?

  1. 定期検診の費用は、保険適用となる場合と自費診療となる場合があります
    内容や費用については、お気軽に当院までお問い合わせください。

定期検診で、あなたの笑顔と健康を守りましょう

定期検診は矯正治療後の歯並びを維持し、お口の健康を守るために欠かせません。

「でも、忙しくてなかなか通院できない…」
「費用も気になるし…」

そんな方も、まずはお気軽に当院にご相談ください。

当院の定期検診で、あなたの笑顔と健康をサポート

当院の定期検診で、あなたの笑顔と健康をサポート

専門家による徹底チェック

当院では経験豊富な矯正歯科医と歯科衛生士が、あなたの歯並びや口腔内の状態を丁寧にチェックします。

  • 歯並びと噛み合わせの確認: 矯正治療後の歯並びが安定しているか、後戻りの兆候がないか、噛み合わせに問題がないかなどを確認します。
  • 虫歯・歯周病の検査: 虫歯や歯周病の有無を検査し、早期発見・早期治療に努めます。
  • 口腔内清掃状態の確認: 歯磨きがきちんとできているか、磨き残しがないかなどを確認し、必要に応じてブラッシング指導を行います。

プロフェッショナルクリーニングで徹底的なお口のお掃除

毎日の歯磨きだけでは落としきれない汚れや歯石を、専門的な器具を用いて徹底的にクリーニングします。

  • 歯の表面のクリーニング: 歯の表面に付着したプラークや着色汚れを除去し、ツルツルの歯に仕上げます。
  • 歯と歯の間のクリーニング: 歯ブラシの届きにくい歯と歯の間も、デンタルフロスや歯間ブラシを使って丁寧にクリーニングします。
  • 歯周ポケットのクリーニング: 歯周ポケットの奥深くまで入り込んだ歯石や汚れを除去し、歯周病の予防・改善を促します。

リテーナーの調整・修理

リテーナーの破損や変形や不適合があれば、その場で修理や調整を行います。
歯並びの変化に合わせて、新しいリテーナーの作成が必要になる場合もあります。

あなたに合わせた歯磨き指導

矯正治療後は歯並びが変化しているため、以前とは異なる歯磨き方法が必要になる場合があります。
当院では、あなたの歯並びに合わせた正しい歯磨き方法を丁寧に指導いたします。

その他、気になることは何でもご相談ください

定期検診では、上記以外にも、

  • ホワイトニング
  • 口臭予防
  • 歯ぎしり・食いしばり対策

など、様々なお口の悩みに関するご相談も承っております。

まとめ|美しい歯並びを一生の宝物に

矯正治療はゴールではなく、スタート地点です。
せっかく手に入れた美しい歯並びを一生涯にわたって維持していくためには、毎日のセルフケアと定期的な歯科検診が欠かせません。

当院では、患者様一人ひとりの口腔内状況やライフスタイルに合わせた、最適なメンテナンスプランをご提案いたします。

美しい歯並びを一生の宝物にするために、ぜひ当院の定期検診をご活用ください。
あなたのお悩みを丁寧に伺い、最適な治療プランをご提案いたします。

もりかわ歯科ではインビザライン専門ドクター 森川 康司をはじめ、経験豊富なスタッフが矯正治療中の患者様を全力でサポートいたします。口内炎のケアはもちろん治療に関する疑問や不安にも丁寧にお答えしますので、どんなことでもお気軽にご相談ください。

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医療法人甦歯会 マイデンタルクリニックもりかわ歯科

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矯正治療後の後戻りを防ぐ!リテーナーの役割と正しい使い方

矯正治療後の後戻りを防ぐ!リテーナーの役割と正しい使い方

2024年10月4日

こんにちは!大阪府八尾市の歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。歯の事やそれに関連する様々な疑問に勝手に答えていく「もりかわ歯科の勝手に解説!ブログ」です!

今回は矯正治療後の「後戻り」を防ぐために欠かせない「リテーナー」について詳しく解説します。せっかく手に入れた美しい歯並び、ずっとキープしたいですよね?

「でも、リテーナーって一体何?」
「毎日どれくらいつければいいの?」

そんな疑問にお答えしながら、リテーナーの重要性や正しい使い方、リテーナーの使用を怠るとどうなるのか…包み隠さずお伝えします!

リテーナーとは?

リテーナーとは歯列矯正治療後、歯並びが後戻りしないように歯の位置を保定(固定)するための装置です。

矯正治療によって歯は正しい位置に移動しますが、治療直後はまだ歯の周りの骨や組織が安定していない状態です。例えば強風で曲がったばかりの若木のようなものです。支えがないと元の曲がった状態に戻ってしまいますよね?

リテーナーとは?

歯も同じで、そのまま放置すると元の位置に戻ろうとする力が働き、せっかくの治療効果が台無しになってしまう可能性があります。

リテーナーは、この「後戻り」を防いで美しい歯並びを長期的に維持するために非常に重要な役割を果たします。いわば歯並びを支える「添え木」のような存在です。

特にマウスピース矯正の場合、リテーナーは矯正治療中に使用していたマウスピースと見た目がほとんど変わりません。透明で目立ちにくいので周囲に気づかれずに装着できるのも嬉しいポイントです。

リテーナーの種類

リテーナーは大きく分けて2つの種類があります。

固定式リテーナー(ワイヤータイプ)

固定式リテーナー(ワイヤータイプ)

固定式リテーナー(ワイヤータイプ)は歯の裏側に細いワイヤーを接着剤で固定するため、取り外しの手間がなく、紛失の心配もありません。このタイプは主に前歯の裏側に装着され、後戻りしやすい前歯の歯並びをしっかりとキープします。ただし、定期的に歯科医院でクリーニングを受ける必要があります。

可撤式リテーナー(マウスピースタイプ)

可撤式リテーナー(マウスピースタイプ)

可撤式リテーナー(マウスピースタイプ)は透明なマウスピース型の装置で、見た目が目立ちにくく、装着感も比較的快適です。食事や歯磨きの際には取り外せるため、口腔内を清潔に保ちやすいというメリットがあります。しかし取り外し可能であるがゆえに紛失や破損のリスクがあり、丁寧な自己管理が必要です。

 

どちらのリテーナーを使用するかは患者様の歯並びの状態やライフスタイル、ご希望などを考慮して歯科医師が判断します。

リテーナー装着中の注意点

リテーナーは矯正治療の成果を維持するための大切な装置ですが、正しく使用しなければその効果を十分に発揮できません。また不適切な使用は、口腔内のトラブルを引き起こす可能性もあります。

特に以下の点にはご注意ください。

食事や歯磨きの時は必ず外す

リテーナーを装着したまま食事をするとリテーナーが変形したり、破損したりする可能性があります。また歯磨きも十分にできないため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。必ずリテーナーを外してから食事や歯磨きを行いましょう。

清潔に保つ

リテーナーは毎日丁寧に洗浄しましょう。専用の洗浄剤を使用するか水で洗い流した後、歯ブラシで優しく汚れを落とします。熱湯での洗浄や漂白剤の使用はリテーナーを変形させる可能性があるため避けましょう。

破損や紛失に注意

リテーナーはデリケートな装置です。強い力が加わると破損する可能性がありますので、取り扱いには注意しましょう。外出時に持ち運ぶ際は専用のケースに入れ、紛失しないように気をつけましょう。破損や紛失をしてしまった場合は、すぐに歯科医院に連絡してください。

定期検診を受ける

定期的に歯科医院を受診して歯並びの状態やリテーナーの適合をチェックしてもらいましょう。歯並びに変化があった場合は、リテーナーの調整や新しいリテーナーの作成が必要になることもあります。

矯正のリテーナーは1日何時間つけるべき?

リテーナーの装着時間は、矯正治療後どのくらい時間が経過しているかによって異なります。

矯正治療直後

矯正治療直後

矯正治療直後は歯が最も後戻りしやすい時期です。せっかく整えた歯並びを維持するため、食事と歯磨きの時以外は1日20時間以上リテーナーを装着することが推奨されます。

数ヶ月後

矯正治療/数ヶ月後

歯列矯正から数ヶ月が経過すると、歯の周りの組織が徐々に安定してきます。この時期には歯科医師の指示に従い、リテーナーの装着時間を徐々に減らしていきます。一般的には夜間のみの装着に移行していくことが多いです。

数年後

矯正治療/数年後

数年後には歯並びがさらに安定してきます。
歯科医師の判断によっては装着頻度をさらに減らすことも可能になります。しかし歯は年齢を重ねても少しずつ動く可能性があるため、美しい歯並びをできるだけ長く維持するためにはリテーナーを継続的に使用することが大切です。定期的な歯科検診で歯並びの状態をチェックしてもらい、その時点での適切な装着時間を指示してもらいましょう。

矯正のリテーナーはいつまでつける必要がありますか?

リテーナーの装着期間も歯並びの状態や年齢などによって個人差があります。

  • 一般的には、最低でも2〜3年は必要と言われています。
  • 永久歯が生え揃うまでは後戻りのリスクが高いため、継続的な装着が重要です。
  • 成長期を終えても歯は少しずつ動きます。 そのため、美しい歯並びを維持するためには継続的にリテーナーを使用することをおすすめします。
  • 定期的な歯科検診を受け歯並びの状態をチェックしてもらうことで、適切な装着時間を調整することができます。

リテーナーを長時間外すとどうなるの?

矯正治療中は矯正装置によって歯を固定して新しい位置に定着させようとしますが、治療が終わって装置を外した後はリテーナーがこの役割を担います。

リテーナーを長時間外すと歯を支える周りの組織(歯根膜や歯槽骨)がまだ完全に安定していないため、歯は元の位置に戻ろうとして後戻りが起こる可能性があります。

後戻りの程度は人それぞれ

後戻りの程度は以下の要因によって異なります。

リテーナーを外していた期間

長時間、あるいは長期間リテーナーを外していると後戻りの程度は大きくなります。

歯並びの状態

元々の歯並びの状態や矯正治療で歯を大きく動かした場合は、後戻りしやすい傾向があります。

年齢

一般的に成長期の子供は歯が動きやすいため、後戻りのリスクが高くなります。
加齢とともに歯や歯茎は弱くなるため、高齢者も後戻りしやすい傾向があります。

歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりの癖がある人は歯に加わる力が強いため、後戻りのリスクが高まります。

舌の癖や口呼吸

舌で歯を押す癖や口呼吸がある人も歯並びが崩れやすいため、後戻りのリスクが高まります。

後戻りしてしまった場合

後戻りが軽度であれば再度リテーナーを装着することで歯並びを戻せる可能性があります。しかし、後戻りが進行している場合は再矯正が必要になることもあります。

再矯正の場合、初回の矯正治療よりも費用や期間がかかる場合があり、抜歯が必要になるケースも出てきます。

数ヶ月後には夜間だけのリテーナー装着でOKに?

数ヶ月後には夜間だけのリテーナー装着でOKに?

矯正治療開始直後は歯や周囲の組織がまだ不安定なため、後戻りを防ぐために長時間のリテーナー装着が必要です。しかし数ヶ月経過すると歯が新しい位置に定着し始め、周囲の組織も安定してきます。この段階では歯の後戻りのリスクが低くなり、歯科医師の判断によっては夜間のみのリテーナー装着でも十分な効果が期待できるケースも出てきます。

夜間だけの装着となれば日中はリテーナーから解放され、より快適に過ごせるようになるでしょう。

就寝中の装着で起こるかもしれないことや注意点

夜間のみのリテーナー装着は、日中の見た目を気にせず治療を進められるというメリットがあります。
しかし以下のような点には引き続き注意が必要です。

違和感や息苦しさ

常にリテーナーを装着していた時と比べて、治療が進んで夜間だけの装着に移行すると、再びリテーナーの装着に違和感を感じることがあります。初めは口の中に異物がある感覚や、少し息苦しさを感じるかもしれません。

これらの違和感は個人差はありますが、多くの場合は数日から数週間で慣れていきます。しかし違和感や息苦しさのために睡眠の質が低下し、日中の活動に影響が出る場合は我慢せずに歯科医師に相談しましょう。

乾燥

夜間のみのリテーナー装着になったことで日中は口の中が開放的になり、唾液の分泌が促されます。一方で夜間は唾液の分泌量が減少し、さらにリテーナーが空気の流れを妨いでしまうため、口の中が乾燥しやすくなってしまいます。

口の乾燥は虫歯や歯周病、口臭の原因となるだけでなく、口内炎や喉の痛みを引き起こすこともあります。特に就寝中は唾液の分泌量がさらに減るため「こまめな水分補給」や「意識的に鼻呼吸をして口呼吸を避ける」などの対策を意識してみましょう。

装着忘れ

夜間だけの装着に移行すると日中はリテーナーを装着しない生活に慣れてしまい、うっかり夜間の装着を忘れてしまうことも。疲れていたり眠気が強いときなどは、ついそのまま寝てしまうこともあるでしょう。旅行や出張などでいつもと違う環境に身を置くときも装着を忘れてしまうリスクが高まります。

リテーナーの装着を忘れる事が増えると歯が元の位置に戻ろうとする力が働き、後戻りが始まってしまう可能性があります。せっかく頑張って矯正治療を行ったのに後戻りしてしまっては元も子もありません。

「保管する場所を決めておく」「寝る前にアラームを設定する」といった工夫をして装着忘れを防ぎましょう。

装着時間は必ず歯科医師の指示に従って

夜間のみの装着で十分かどうかは個々の歯並びの状態や治療経過によって異なります。自己判断で装着時間を減らしてしまうと、後戻りのリスクが高まるため、必ず歯科医師の指示に従いましょう。

 

定期的な検診で歯並びの状態をチェックしてもらい、適切な装着時間を確認することが大切です。

まとめ「リテーナーを正しく使って、きれいな歯並びをキープしよう!」

リテーナーは矯正治療後の美しい歯並びを維持するために欠かせない装置です。リテーナーを毎日決められた時間しっかりと装着し、丁寧にケアすることで後戻りを防ぎ、理想の笑顔をずっとキープすることができます。

「リテーナーって面倒くさい…」

そう思う方もいるかもしれません。しかしリテーナーを怠ると後戻りが起こり、再矯正が必要になる可能性もあります。すると時間的にも金銭的にも大きな負担がかかってしまいます。

せっかく頑張って手に入れた美しい歯並びです。

「矯正のやり直しなんてしたくない!」

そう思う方は、ぜひリテーナーを大切に使って素敵な笑顔をいつまでも保ってください。

もりかわ歯科ではインビザライン歯列矯正の無料相談を実施しています。歯並びや歯列矯正治療について、どんなことでもお気軽にご相談ください。

インビザライン専門ドクター 森川 康司(もりかわ こうじ)があなたの疑問や不安にお答えし、最適な治療プランをご提案いたします。

 

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マウスピースが装着された歯の模型

インビザライン矯正でやり直しになるケースとその原因、対策を解説

2023年11月8日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

「インビザライン矯正でやり直しになった」という話を聞いて、インビザライン矯正をするか迷っている方もいらっしゃるでしょう。安心して治療を続けるためには、インビザライン矯正がやり直しになるケースと原因について知ることが大切です。

今回は、インビザラインがやり直しになるケースや原因、対策を解説します。インビザライン矯正中の方も検討中の方も、ぜひ最後までお読みください。

インビザライン矯正でやり直しになるケース

頭に手を当て考えている女性

インビザライン矯正でやり直しになるのは、まれなケースです。

しかし、まったくないとは限りません。では、どのようなときにやり直しになるのでしょうか。

インビザライン矯正でやり直しになるケースと原因について、以下に解説します。

計画どおりに歯が動いていない場合

計画どおりに歯が動いていないとやり直しになることがあります。インビザラインは、はじめに歯型を取り3Dシミュレーションで分析をしたあと、すべてのマウスピースをまとめて作成します。

しかし、治療を進めていく途中で、当初の計画どおりに歯が動かないことや違う方向に歯が動くことがあるのです。

計画どおりに歯が動かない・違う方向に歯が動く原因は、主に以下のとおりです。

・マウスピースの装着時間が短い

・マウスピースをきちんと装着できていない

・舌や口唇の癖が歯の動きを邪魔している

・マウスピースが歯にフィットしていない

計画どおりに歯が動かないことで治療がやり直しになる可能性があるため、マウスピースの装着時間は守り、少しでも違和感を覚えたら歯科医師に相談しましょう。

矯正中に後戻りした場合

矯正中に後戻りした場合もやり直しになることがあります。矯正中に後戻りする原因には、マウスピースを装着していないことが挙げられます。では、どのようなときにマウスピースを装着できないのでしょうか。

マウスピースを装着できない理由には、以下のことが挙げられます。

・妊娠中のつわり

・病気やけが

・マウスピースの紛失・破損

インビザライン矯正の治療期間は、部分矯正では2か月〜1年程度、全体矯正では2〜3年程度です。

インビザライン矯正中に妊娠し、つわりがひどく、マウスピースを装着できないこともあります。また、病気やけがの影響で矯正治療が中断することもあるでしょう。

マウスピースの紛失・破損は、ご自身でしっかり管理することで防げます。矯正中に後戻りして、治療自体がやり直しにならないよう、マウスピースはしっかり管理しましょう。

矯正後に後戻りした場合

矯正後に後戻りしてやり直しになることもあります。矯正後は、歯並びを固定させるためにリテーナーを装着しなければなりません。リテーナーを装着しないと、歯は後戻りするのです。

また、以下の癖も後戻りする原因になります。

・舌で歯を押す

・頬杖をつく

・唇を噛む

・横向きで寝る

上記のような癖があると歯に一定の圧力がかかるため、後戻りの原因になるのです。後戻りを防ぐためにも、意識して改善しましょう。

奥歯の噛み合わせがずれた場合

矯正中に奥歯の噛み合わせがずれることによって、やり直しになることもあります。

インビザラインで歯並びを整える過程で奥歯の噛み合わせも少しずつ変化します。矯正中に奥歯の噛み合わせがずれ、調整が必要な場合にはインビザライン矯正がやり直しになるケースがあるのです。

審美性だけでなく、噛み合わせを治療するために必要な過程ですが、計画当初より治療期間が延長になります。インビザライン矯正を始める際、治療期間が延長になる可能性も見越しておいたほうがよいでしょう。

インビザライン矯正でやり直しにならないための対策

歯の模型とマウスピースを持っている女性

インビザライン矯正がやり直しになると、治療期間が延び、追加料金も発生します。

インビザライン矯正でやり直しにならないための対策は、以下のとおりです。

マウスピースの装着ルールを守る

インビザライン矯正でやり直しにならないために、マウスピースの装着ルールを守りましょう。

マウスピースの装着ルールは、主に以下のとおりです。

・1日20〜22時間以上装着する

・マウスピースを歯にしっかりフィットさせる

インビザラインではマウスピースを1日20〜22時間以上装着する必要があります。装着時間が短いと計画どおりに歯が動かないため、装着時間は必ず守りましょう。

また、マウスピース装着時、歯にしっかりフィットさせる必要があります。マウスピースが浮くなど、フィットしない状態のまま装着し続けると、計画どおりに歯は動きません。チューイーを噛むことでマウスピースを歯にフィットさせることができます。

通院日を守る

インビザライン矯正でやり直しにならないために、矯正中の通院日は守りましょう。

2〜3か月に1回の頻度で通院し、計画どおりに歯が動いているか歯科医師に確認してもらいます。定期的に通院することで虫歯や歯周病などのトラブルが起きている場合でも早期に発見・治療することが可能です。

通院頻度は少ないですが、通院日を先延ばしすると問題が発生していても発見・対処が遅れ、治療が延長ややり直しになる可能性があります。理由がない限り、通院日は守りましょう。

マウスピースの交換日を守る

インビザライン矯正でやり直しにならないために、マウスピースの交換日は守りましょう。マウスピースの交換日を守らなければ、歯が正しい位置へと誘導されません。

また、早く矯正を終わらせたいからといって、マウスピースの交換ペースを早めてはいけません。歯が計画どおりの位置まで動いていない状態で新しいマウスピースに交換すると、痛みや思わぬトラブルの原因になります。

マウスピースの交換日を守らないことで歯が正しい位置へと誘導されない、また思わぬトラブルが発生することで、治療自体がやり直しになる可能性があるのです。

マウスピースを適切に保管する

インビザライン矯正では取り外し可能なマウスピースを使用します。食事や歯磨きなどでマウスピースを取り外したら、ケースに入れて保管しましょう。ティッシュに包むなど、マウスピースが適切に保管されていないと、紛失・破損の原因になります。

前述のとおり、紛失・破損するとマウスピースを装着できなくなるため、後戻りを起こします。インビザライン矯正がやり直しになるケースもあるため、マウスピースを取り外したときには適切に保管することが大切です。

リテーナーを装着する

矯正後は、必ずリテーナーを装着しましょう。

前述のとおり、リテーナーを装着しないと歯が後戻りを起こし、やり直しになるケースがあります。歯科医師の指示に従って、装着してください。

インビザライン矯正のやり直しの費用

バインダー・電卓・ペン・コーヒーが置かれている

インビザライン矯正のやり直しには、費用が発生します。特に、矯正後にやり直しになった場合は、新たに治療を開始するという扱いになる可能性が高いです。

やり直しの費用の目安は、以下のとおりです。

・軽度のやり直しの場合:通常矯正の4〜6割程度

・歯を大きく動かす場合:通常矯正の7割程度

歯を大きく動かす場合にはワイヤー矯正が必要になる可能性もあります。ワイヤー矯正になると費用も高額になるでしょう。上記の費用はあくまで目安のため、詳しくは歯科医院に確認してください。

インビザライン矯正のやり直しの費用を抑える方法

インビザライン矯正のやり直しにかかる費用設定は、歯科医院によって異なります。また、通院のたびに調整料が必要であることも多く、治療が長引くほど費用が発生するのです。

一方で歯科医院によっては、トータルフィー制度を採用しているところもあります。治療期間が延長になる場合や、追加のマウスピースをオーダーする場合でも追加料金は発生しません。

追加料金が心配な場合は、トータルフィー制度を採用している歯科医院を選ぶとよいでしょう。

納得して治療を受けるための対策

歯科医師と患者が話をしている

トラブルを避けるためにも矯正開始前に追加費用について確認しましょう。

矯正治療は長期に及ぶため、妊娠・病気・引っ越しなど、当初予定していなかったことが起こる可能性も否定できません。マウスピースの装着ルールを守り、また定期的に歯科医院に通院していたとしても、治療が延長になる症例もあります。

やり直しや延長になった場合の追加費用の目安をあらかじめ確認し、納得したうえで治療を開始しましょう。

まとめ

歯科医院でカウンセリングを受ける女性

今回は、インビザライン矯正でやり直しになるケースや原因、対策について解説しました。

インビザライン矯正は、マウスピースの装着時間や装着方法が守られていないことなどが原因で、やり直しになることがあり、やり直しになった場合には追加費用が発生します。

インビザライン矯正がやり直しにならないためにも、マウスピースの装着時間を守ることや、リテーナーを装着することなど、基本的なことを守りましょう。

インビザラインでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。

インビザライン治療で使用するマウスピース

インビザラインのアタッチメントはなぜ必要?役割や装着期間を解説

2023年8月5日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

インビザラインで全顎矯正を検討している方は「アタッチメント」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。アタッチメントは歯の表面に着ける小さい部品であり、歯列矯正を成功させるために非常に大切な役割を担っています。

今回は、アタッチメントの必要性や装着方法、装着中の注意点などについて解説します。

インビザラインのアタッチメントとは

クエスチョンマーク

インビザラインのアタッチメントは、歯の表面に取り付ける小さな部品(3~5mm)で、長方形や台形など目的によってさまざまな形状があります。アタッチメントは、なめらかな歯では密着しにくいインビザラインの装着を助けてくれます。素材はレジンでできており、歯に馴染むようなカラーでできていることがほとんどです。

全ての方に装着するわけではありませんが、装着すべきなのに装着しなかった場合、予定どおり歯が動かない、治療が長引くなどのトラブルが発生することがあります。アタッチメントは、インビザラインの歯列矯正における「サポーター」として、重要な役割を担っているといえるでしょう。

アタッチメントの役割

笑顔の女性

アタッチメントにはどのような役割があるのでしょうか。アタッチメントの役割は、大きくわけて2つあります。以下、それぞれ解説します。

インビザラインを安定させる

インビザライン治療でマウスピースを装着するだけでは、浮いたりずれたりすることがあります。アタッチメントは、フックのように作用し、マウスピースが安定して歯に装着することを助ける役割を担っています。

歯を立体的に動かす

マウスピースを装着するだけでは、歯を動かすために必要な力を十分に加えることができず、歯が計画どおりに動かないことがあります。

しかし、アタッチメントを装着すると歯根の部分まで力を加えることができます。アタッチメントは、歯を回転させる、歯を傾けるなど、立体的に歯を動かすために重要な役割を担っています。

アタッチメントの種類

マウスピースを手に持っている男性

アタッチメントの種類は主に5つあり、歯並びの症状やかけたい力の方向などによって歯科医師が種類を選択します。以下、アタッチメントの種類について解説します。

ルートコントロール用

ルートコントロール用のアタッチメントは、歯を根元から動かすようコントロールしてくれます。空隙歯列の方や歯が傾いている方などに装着します。1つの歯に対して、2つのアタッチメントをつけている方が該当することが多いです。

根元から歯を動かしてすき間をうめたり、傾きを修正したりすることが得意です。

ディープバイト用

ディープバイト用のアタッチメントは、過蓋咬合やガミースマイルで悩んでいる方に使用されることが多いです。

噛み合わせが深くなっているため、歯茎内の歯を引っ張り出したり、上前歯を歯肉内に出納したりする力が作用します。

オープンバイト用

オープンバイト用のアタッチメントは、主に前歯につけるアタッチメントです。奥歯を噛むと上下の前歯にすき間ができる方に適応されることが多いです。

前歯につけるため審美的な影響を気にする方が多いですが、インビザラインを装着すれば、さほど目立つことはありません。

回転用

回転用のアタッチメントは、名前のとおり「ねじれ」に対して作用させるアタッチメントです。やや傾斜のあるアタッチメントを装着します。

アンカレッジ用

アンカレッジ用のアタッチメントは、叢生(歯列が上下に重なってでこぼこした歯列)の方に適応されます。

インビザラインでは矯正が難しいとされていた抜歯ありの歯列矯正が、アンカレッジ用のアタッチメントのおかけで矯正可能になった症例が多くあります。

アタッチメントの装着方法

歯科医師と患者が笑顔で会話している

アタッチメントは、インビザライン治療を行っている歯科医院やクリニックで装着することができます。

歯の表面にある「ペリクル」という唾液由来の膜や肉眼では見えにくい汚れを清掃し、歯科材料(詰め物などに使うライトで硬化するものが多い)を使用してアタッチメントを装着します。除去したペリクルは処置後に自然に回復します。

アタッチメントを全顎につけるのに必要な時間は、1時間程度です。

アタッチメントの装着期間

時間経過をあらわす砂時計

多くの場合、インビザライン治療を開始して、最初のマウスピースが終わる頃にアタッチメントを装着します。アタッチメントは必ず装着するわけではありませんが、歯列を大きく動かす重程度の矯正治療では装着することが多いです。

アタッチメントの装着期間は、歯を動かす「動定期間」とよばれる、インビザライン装着中の1~2年程度です。歯列を大きく動かす場所が一部しかない場合は、これよりも短くなります。

インビザライン装着期間が終わったら、リテーナーを装着する「保定期間」に入りますが、保定期間ではアタッチメントの装着は不要です。

アタッチメント装着期間中の注意点

注意をうながす警告マーク

アタッチメントの有効性を高めるために、装着期間中は日常生活で気をつけることがあります。アタッチメント装着期間中の3つの注意点は、以下のとおりです。

インビザラインは無理に力をかけずに着脱する

インビザラインは、歯に密着するように装着されています。無理に外そうとすると、アタッチメントも一緒に外れてしまうため注意しましょう。

アタッチメントには、インビザラインを外しにくくする作用もあります。インビザラインを外そうとしてアタッチメントが脱落してしまう場合があるため、インビザラインを脱着する際は、チューイーやリムーバーを使用することを心がけましょう。

粘着質なたべものや硬いたべものに注意する

キャラメルやソフトキャンディなど、粘着性の強い食べ物を食べると、アタッチメントが脱落する場合があります。積極的にとることはひかえましょう。

また、おせんべいなどの硬い食べ物はアタッチメントに衝撃を与えてしまうため、注意が必要です。

硬い歯ブラシで口腔ケアをしない

アタッチメントは、自身の歯に詰め物と同様の歯科材料をつけているだけです。そのため、硬い歯ブラシでアタッチメント周囲を磨いてしまうと、アタッチメントが脱落する原因になります。

歯列矯正中に口腔内を清潔に保つことは非常に大切ですが、適度な力でブラッシングするように心がけましょう。

アタッチメントは痛くないの?

こめかみに指をあて疑問の様子の女性

アタッチメントは、通常のなめらかな歯に凹凸ができてしまうため、凸部が口腔内粘膜に触れる違和感を「痛み」と認識する方がいらっしゃるようです。

インビザラインのマウスピースは、アタッチメントの上に被せるように装着します。一日のうちの大半はアタッチメントが覆われている状態なので、痛みを感じにくいでしょう。耐えらないほどの痛みを感じる方はほとんどいないため、ご安心ください。

アタッチメントが取れてしまったら

驚きの表情をうかべる女性

もし、インビザライン治療期間中にアタッチメントが取れてしまったら、すみやかに治療中の歯科医院に相談しましょう。早急にアタッチメントの再装着が必要な場合と、次回の受診までマウスピースの装着を継続する場合があります。

ただし、これは歯科医師にしか判断できません。治療計画に影響がでることがあるため、ご自身で判断し放置しないようにしましょう。

どのような情報を伝えればよい?

歯科医院に相談するときは、どのような情報を伝えればよいのでしょうか。電話相談では、必要な情報を正しく伝える必要があります。特に、以下の事柄はしっかり伝えてください。

・いつ外れたのか

・何番目のマウスピースをつけているのか

・どこの歯のアタッチメントが外れたのか(一般的には奥歯から数えます)

アタッチメントが外れる理由は?

アタッチメントは、無理にインビザラインを外そうとして外から力がかかったときや、アタッチメントレジンの劣化、硬い食べ物の摂取などで外れてしまいます。

また、噛み合わせが深いところもアタッチメントが外れやすくなります。 噛み合ったときの衝撃でアタッチメントが外れることが多いです。

まとめ

ポイントをまとめる女性

今回は、インビザラインのアタッチメントについて解説しました。

アタッチメントは、歯の表面の滑らかさがなくなってしまうため「あまりつけたくない」と考える方もいらっしゃるようです。

しかし、アタッチメントは、効果的に歯を動かすために重要な役割を担っています。アタッチメントは、矯正期間中ずっとつけなくてはいけないものではなく、メリットのほうが大きいため、インビザライン治療を乗り越えましょう。

インビザラインのアタッチメントでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。

インビザラインをはめようとしている女性

インビザラインは後戻りしやすいのか?後戻りの原因と対処法を解説

2023年7月4日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

インビザラインは後戻りしやすいのか、矯正治療をご検討中の方なら気になると思います。矯正治療はさまざまな種類がありますが、治療法によって後戻りのしやすさに変わりはあるのでしょうか。

今回は、インビザラインは後戻りしやすいのか、後戻りする理由や対処法・対策法を解説します。矯正治療後の後戻りについて理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。

後戻りとは?

クエスチョンマーク

後戻りとは、インビザラインなど矯正治療で整えた歯並びがもとの状態に戻ろうとする現象のことです。

矯正治療で歯が動く仕組みは、矯正装置を使って歯に一定の力を加えると、歯を支えている土台の骨が吸収と再生を繰り返すことで移動します。矯正治療が完了した直後の歯は、土台の骨が不安定な状態で動きやすいです。そのため、歯がしっかりとあごの骨に定着するまでの期間は、外部からの力の影響を受けやすい状態となります。

歯があごの骨に定着するまでの期間は、後戻り対策をしっかり行わないと歯は少しずつ移動してしまうのです。

インビザラインは後戻りしやすいのか?

インビザラインのイメージ

結論から述べると、インビザラインはワイヤー矯正と比較して後戻りしやすいことはありません。矯正治療が完了したら保定装置で歯の後戻りを防ぎます。どの方法で矯正を行っても、しっかり保定していれば後戻りを防ぐことが可能です。インビザラインでもワイヤー矯正でも後戻りのリスクは変わりません。

インビザラインは、マウスピースを使って歯並びを整えます。そのため、ワイヤー矯正の方と比較してマウスピース型の保定装置に抵抗を感じにくい方が多いと考えられます。インビザラインで矯正を行った方は、マウスピースをつける習慣ができているため、途中で怠ってしまうリスクも低いでしょう。

インビザラインで後戻りする理由

頭を抱えて悩んでいる女性

時間をかけて整えた歯並びが、なぜ後戻りしてしまうのか疑問に感じる方も多いでしょう。インビザラインで後戻りする理由は、大きく分けて以下の3つがあります。

・リテーナーの装着時間が不十分である

・悪習癖がある

・インビザラインでは適応外の症例である

以下、詳しく解説します。

リテーナーの装着時間が不十分である

歯列矯正が完了したら、整った歯並びを維持するために歯を固定する「保定期間」に入ります。歯を保定するためには、リテーナーとよばれる保定装置を装着するのが一般的です。

マウスピース型の保定装置の場合、装着時間など自己管理が必要です。装着時間が不十分だと、後戻りするリスクが高くなるため注意が必要です。歯科医師に指示された装着時間は、必ずリテーナーを装着しましょう。

また、保定期間は矯正期間と同じ期間行うケースが多いです。自己判断で保定装置の使用をやめてしまうと後戻りするため、必ず歯科医師の指示があるまで保定装置を使用しましょう。

悪習癖がある

舌癖や口呼吸、爪噛み、頬杖などの癖は歯並びに影響を与えます。このような悪習癖は、弱い力が継続的に歯にかかるため、矯正治療で歯並びを整えても後戻りするリスクが高く注意が必要です。

悪習癖がある場合は、矯正期間中にトレーニングを行うことや日常生活で意識することで改善できるように努めましょう。また、どちらか片方だけで噛んでしまう噛み癖も、歯並びの悪化や歪みの原因となるため注意しましょう。

インビザラインでは適応外の症例である

インビザラインでは歯並び・噛み合わせを整えられない症例にもかかわらず、インビザライン治療を行うと後戻りのリスクが高くなります。スペースが不足している部分に無理に歯を並べると年数の経過とともに歪みが生じてくるでしょう。

矯正治療は、あごの骨と歯のバランスを考えたうえで治療する必要があります。

後戻りしたときの対処法

ドミノが倒れるのを指でおさえている

インビザライン矯正後に後戻りを感じたら、必ず歯科医師の指示をあおぎましょう。後戻りの状態によって適切な対処法が異なります。

後戻りは、放置するとさらに進んでしまう可能性があるため、早めに対処することが大切です。後戻りが起こってしまった際の対処法は、後戻りの状態によって大きく分けて以下の2つがあります。

後戻りが軽度の場合

後戻りが軽度でリテーナーが装着できる場合は、リテーナーを装着して様子を見ることが多いです。歯が少し動いているため、はじめはリテーナーがきつく感じますが、後戻りが改善されれば解消されます。

リテーナーを装着した際に痛みや違和感が大きい場合は、我慢せずに歯科医師に相談しましょう。

後戻りが重度の場合

後戻りが大きくリテーナーが装着できないケースでは、再度矯正治療します。早い段階で対処すれば矯正期間も短く済む場合が多いでしょう。費用に関しては歯科医院によって対応が異なるため、再治療の際はトラブルを回避するためにも事前に費用を確認しましょう。

また、症例によってはワイヤー矯正に切り替える方がよいと判断される場合もあります。再治療の際は、治療方法・期間・費用など気になる点は質問し、納得したうえで治療を受けましょう。

後戻りさせないための対策

リテーナーを装着しようとしている女性

インビザラインで後戻りすると、後戻りの程度によっては再治療が必要です。再治療の場合、追加で費用と時間がかかるため、日頃から後戻りしないように心がけることが大切です。以下、後戻りを防ぐ対策法を3つご紹介します。

保定をしっかり行う

後戻りを防ぐためには、歯科医師の指示どおりリテーナーを装着する必要があります。十分な保定期間を設けることで、後戻りのリスクをおさえることが期待できるでしょう。

リテーナーは、1日の装着時間をしっかり守ることで十分な効果を得ることができます。面倒だからと装着を怠ったり自己判断で装着をやめたりすることがあると、後戻りのリスクが高くなるでしょう。

悪習癖を改善する

舌癖や口呼吸・爪を噛むなどの悪習癖は、矯正期間中になるべく改善するようにトレーニングや意識して生活してください。悪習癖は、一度にかかる力は小さいですが、習慣化することで歯に断続的に力がかかる状態となります。断続的に力がかかる環境は、矯正治療と同じ条件となるため後戻りの大きな原因となるのです。

悪習癖は、無意識に行っていることが多いため、ご家族や周囲の方に協力してもらいながら直しましょう。

歯科医院の定期検診に通う

後戻りを防ぐためには、定期的に歯科医院を受診して歯並び・噛み合わせを確認してもらいましょう。特に、歯周病や親知らずには注意が必要です。

歯周病が進行すると、歯の支えとなる土台の骨が溶けてしまうため、歯が動きやすくなります。親知らずは、生える際にスペースが不足していると、真っ直ぐ生えることができずに手前の歯を押してしまう可能性が高いです。

定期的に歯科医院を受診することで、歯周病・虫歯の有無やトラブルが起きていないか確認できます。万が一、トラブルが見つかっても早期に対処できるため、後戻りするリスクは低いでしょう。

まとめ

ポイントをまとめる女性

インビザラインだからといって後戻りしやすいことはありません。インビザラインでもワイヤー矯正でも、後戻りのしやすさは変わりないといえるでしょう。

後戻りは、保定を行っていない場合や歯並びに影響を与える悪習癖がある場合に起こりやすいです。矯正治療が完了したら保定期間に入り、歯があごの骨に定着するのを待つのが一般的な流れです。リテーナーを歯科医師の指示通りに装着し、歯並びに影響する悪習癖がある場合は、改善するように心がけましょう。また、歯並び・噛み合わせの異常を早期に発見するためにも、歯科医院を定期的に受診して、お口のなか全体を確認してもらう習慣をつけましょう。

後戻りは、しっかり対策すれば防ぐことが可能です。インビザラインで整えた歯並びを保つためには、歯科医師の指示のもと保定をしっかり行いましょう。

インビザラインの後戻りでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。

リテーナーを手に持ち笑顔の女性

後戻りを起こさない!インビザライン治療後の保定装置の重要性!

2023年6月13日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

インビザラインでの矯正治療が終了したあと、歯は元の位置に戻ろうとする力(後戻り)が働きます。対策をしないと、せっかく手に入れた理想の歯並びが後戻りしてしまうことがあるのです。後戻りを予防するために、インビザライン治療後の保定装置が重要な役割を果たします。

本記事では、インビザライン治療後に後戻りが起こる原因や保定装置について詳しく解説します。せっかく手に入れた理想の歯並びを維持できるよう、ぜひ参考にしてください。

インビザライン治療後に後戻りが起こる原因

頭をかしげる女性

歯科矯正でいう「後戻り」とは、歯科矯正できれいにした歯並びが元の状態に戻ってしまう現象をさします。歯科矯正直後は、歯や歯槽骨が不安定な状態であるため、装置を外して放置してしまうと後戻りしやすい状態です。

以下、後戻りを起こす原因をいくつか解説します。

保定処置が不十分である

「保定」とは、歯科矯正で動かした歯を定着させることをさします。保定処置が不十分だと歯が定着せず後戻りすることがあります。

矯正治療後も、保定期間とよばれる時期はしっかり歯を定着させるために保定処置を行うことが重要です。

歯並びに影響をおよぼす口腔習癖がある

「口腔習癖」とは、口に関係する癖のことをさします。歯並びに影響をおよぼす可能性がある口腔習癖として、爪や唇を噛む・舌を突き出す・頬杖などがあげられます。これらの癖により、矯正治療でせっかくきれいになった歯並びが後戻りすることがあるのです。

矯正前や矯正中に口腔習癖を改善するよう心がけることが重要です。矯正治療と並行して、口腔習癖を改善するトレーニングを続ける必要があります。

歯周病が進行している

歯周病が進行すると、感染が歯を支えている歯槽骨にまで感染が広がることがあります。やがて、歯がグラグラした状態となり、歯が定着できず後戻りしやすくなります。

歯周病にならないよう、しっかりと口腔ケアを行うことが重要です。また、毎日の歯磨きだけでなく、歯科医院で定期的にクリーニングを受け、口腔内を清潔に保ちましょう。

保定装置を装着する重要性

キーポイント

動かした歯を定着させるために、保定期間にしっかり保定装置(リテーナー)を装着することが重要です。

人為的に移動させた歯は、矯正が終了すると本来の位置へ戻ろうとする力(後戻り)が働きます。インビザライン矯正の終了後、保定装置を指示どおり装着することで、動いた歯がその場に定着し、後戻りを防いでくれます。

きれいな歯並びを維持するために、指示どおりに保定装置を装着することが重要です。

保定装置の種類

リテーナーの種類

次に、保定装置の種類について解説します。

取り外し可能な種類

取り外し可能な保定装置(リテーナー)は、以下のとおりです。

ビベラリテーナー

ビベラリテーナーは、インビザライン専用のマウスピース型のリテーナーです。

通常、リテーナーを作製する際は歯型をとる必要がありますが、ビベラリテーナーはインビザライン治療のデータから作製することができます。そのため、歯型をとる工程を減らすことができ、患者さまの負担軽減につながります。

インビザラインで装着していたアライナーと同じく透明なマウスピースのため、審美性に優れているのが特徴です。

スプリングリテーナー

スプリングリテーナーは、後戻りしやすいとされている下の前歯に装着するリテーナーです。ワイヤーとプラスチックでできています。

前歯のみを保定することができ、全ての歯を囲う必要がないため負担が軽減されます。

QCMリテーナー

QCMリテーナーは、一部ワイヤーを使用していますが、前歯の部分はプラスチックを使用しています。

審美性に優れているといえるでしょう。

ベッグタイプリテーナー

ベッグタイプリテーナーは、歯全体をワイヤーで囲んで保定するものです。

口を開ける際にワイヤーがみえますが、歯全体をワイヤーでしっかり支えることができます。

ホーレータイプリテーナー

ホーレータイプリテーナーは、主に前歯をワイヤーで取り囲みます。

トゥースポジショナー

トゥースポジショナーとは、ゴム製のマウスピース型の保定装置です。

ボクシングの際に使用するマウスピースのような見た目をしています。弾力があり、保定のみでなく歯列矯正の仕上げでも用いられることがあります。

取り外し不可能な種類

取り外し不可能な保定装置(リテーナー)は、以下のとおりです。

ポンデッドワイヤー

ポンデッドワイヤーは、前歯の裏側にワイヤーを接着することで歯を固定させます。

ワイヤーが歯に直接接着しているため、ご自身で取り外すことはできません。ポンデッドワイヤーのみで保定する場合と、ほかの取り外し可能なリテーナーと組み合わせて保定する場合があります。

リンガルアーチ

リンガルアーチは、歯の裏側にアーチ状にした太いワイヤーを添わせることで歯を固定します。

ワイヤーの固定は、奥歯や大臼歯などにバンドとよばれる輪のものをひっかけることで行います。バンドがセメントで固定されているため、ご自身で外すことはできません。

ビベラリテーナーの特徴は?

透明なマウスピース

ビベラリテーナーは、インビザライン専用のリテーナーであると上述しました。では、ビベラリテーナーにはどのような特徴があるのでしょうか。以下、詳しく解説します。

クリンチェックのデータから作製できる

ビベラリテーナーとほかのリテーナーの大きな違いとして、クリンチェックのデータから作製できることがあげられます。

クリンチェックとは、インビザライン治療の際に用いるアライン社が開発したソフトウェアのことです。ビベラリテーナーは、インビザライン治療で使用したクリンチェックのデータから作製できるため、リテーナーを作製するために歯型をとる必要がありません。

耐久性に優れている

ビベラリテーナーは、強い強度があり耐久性に優れているため、自己管理がしやすいです。

見た目はインビザラインで使用したアライナーと似ていますが、強度はビベラリテーナーの方が高いです。衝撃などで割れにくく、着色汚れもしにくいため、長持ちしやすいとされています。

多少の後戻りの修正ができる

リテーナーをしっかり装着していても、後戻りが100%防げるわけではありません。

しかし、ビベラリテーナーは、0.25㎜程度の後戻りであれば修正が可能です。そのため、ビベラリテーナーは、後戻りの修正と保定を同時に行うことができるのです。

ホワイトニングもできる

ビベラリテーナーは、インビザライン治療と同様、保定しながらホワイトニングも同時に進めることができます。理想の歯並びと共に、理想の歯の色も手に入れることができるかもしれません。

保定期間はどれくらい?

クエスチョンマーク

基本的には、歯を動かしていた「矯正期間」と同じくらい「保定期間」が必要とされています。そのため、矯正期間が終了後、1~3年程度の保定期間が必要といえるでしょう。

また、矯正期間が終了した直後は歯が後戻りしやすいため、保定装置を食事と歯磨き以外の時間装着することが求められます。その後は、定期的に歯の固定具合に合わせて、保定装置の装着時間を徐々に減らしていきます。

仮に、リテーナーの使用を中断して、リテーナーの装着が不可能となってしまった場合は、無理に装着せず早めに歯科医師に相談しましょう。

まとめ

ポイントを指さす男性

インビザライン治療でやっと手に入れた理想の歯並びでも「矯正期間」と同じように「保定期間」が今後の歯並びを左右します。後戻りを起こさないために、決められた期間にしっかり保定装置を使用して歯を定着させることが重要です。また、保定装置もさまざまな種類があるため、ご自身に合った装置を使用し快適な矯正ライフを送りましょう。

インビザライン治療後の後戻りでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。

青いケースに入ったマウスピース

インビザライン治療が延長になる原因と予定どおりに終わらせる方法

2023年5月5日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

インビザライン治療は、歯科矯正治療の中でも審美性に優れており、昨今注目されている矯正治療です。マウスピースを装着し徐々に歯を動かしていくため、治療期間は長期にわたります。

今回は、インビザライン治療が延長になる原因と、予定どおりに終わらせるために大切なことをご説明します。治療期間を予定どおり終了することができるように、ぜひ参考にしてください。

インビザラインの一般的な治療期間

緑の壁にかかっている時計

インビザライン治療の一般的な治療期間は、2~3年です。症例によっては、1年半程度で治療が終了する場合もあります。

そんなに治療期間が長いのかと驚く方もいるかもしれません。

インビザライン治療は、マウスピースを装着することで歯科矯正を行います。ひとつのマウスピースで動かせる歯の距離は約0.25㎜とされており、1㎜動かすには約1か月必要です。そのため、矯正終了までに必要なマウスピースは50枚前後で、2週間に1枚のペースで交換します。ゆっくりと時間をかけて歯を動かしていくため、治療期間が長いのです。

また、矯正治療が終了したあとに、もとの歯並びに戻ることを予防するため、リテーナーとよばれる装置をつける必要があります。この期間を「保定期間」とよび、保定期間が長ければ長いほど、もとの歯並びに戻るリスクを減らせるとされています。

インビザラインの治療期間と同じ期間、リテーナーを装着するのが一般的です。歯を動かす矯正期間が1年の場合、保定期間も1年程度となります。そのため、インビザラインでの矯正治療は、完了するまでに2~3年を要するのです。

インビザラインの治療期間が長くなるケース

口元に手を当てて悩む女性

インビザライン治療には、症例によって治療期間が長くなるケースがあります。

以下、それぞれ解説します。

重度の叢生(そうせい)

叢生とは、別名「乱ぐい歯」ともよばれ、歯が重なり合って凸凹している状態です。

顎が小さい、歯が大きいなどの理由で、歯がきれいに並ぶスペースが足りないことで引き起こされます。八重歯も叢生の一種です。重度の叢生を治療する場合、矯正部位や歯を移動する距離が長いため、治療期間も長くなります。

抜歯を伴う場合

インビザライン治療は、従来のマウスピース矯正と異なり、抜歯を必要とする症例であっても行える場合があります。

しかし、抜歯をした場合、そのすき間を埋めるために歯の移動距離が長くなるため、治療期間も長くなります。先述した重度の叢生でも、抜歯が必要となるケースが多いです。

歯槽骨が硬い

歯槽骨とは、歯を固定している骨のことです。歯槽骨が硬い人ほど、歯が動きにくく矯正期間が長くなるとされています。

歯槽骨の硬さには個人差があり、治療期間も異なるでしょう。

インビザライン治療が延びる原因

マウスピースを持つ女性

インビザライン治療では、3Dシミュレーションを用いて事前に治療計画を立てます。そのため、治療を開始する前に、ある程度矯正期間を把握することができるのです。

しかし、インビザラインでの治療期間は、さまざまな原因から延びることがあります。

以下、治療期間が延びてしまう原因について解説します。

マウスピースの装着時間

インビザライン治療は、マウスピースを自分で付け外しすることが特徴です。そのため、装着時間に個人差が出ることがあります。

インビザライン治療では、マウスピースを1日20〜22時間装着しなければなりません。マウスピースをいつでも外すことができることはメリットでもありますが、患者さまがどれだけ協力してくださるかによって治療効果に差が出てしまうことがあります。

誤った装着方法

装着方法が誤っており、マウスピースがしっかりと密着できていないと、計画どおりに歯が動かず、治療期間が延びる原因になります。

虫歯や歯周病

インビザライン治療では、マウスピースを1日20〜22時間装着する必要があると先述しました。

マウスピースを装着していると、ふだんよりも唾液の自浄作用が働きにくくなります。そのため、虫歯や歯周病のリスクが高くなるのです。また、マウスピースのケアがうまくできておらず、汚染されたまま装着すると、虫歯や歯周病を引き起こす原因となります。

毎日の歯磨きを丁寧に行い、マウスピースを清潔に保つことが大切です。

喫煙

タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があります。血管が収縮すると、身体の血流が悪くなり、新陳代謝に影響を及ぼします。

口腔内の血流も悪くなり、歯が移動するスピードを遅くする原因となるため、禁煙しましょう。

追加でマウスピースを作成することも

上下のマウスピースを持っている医師

インビザライン治療を進めていくなかで、リファインメントという言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

インビザライン治療では、治療開始前に立てた計画に沿って治療が進められます。

しかし、歯の動きが計画からずれてしまうこともあり、そのずれの修正や、より美しい歯並びを目指す際に、追加のマウスピースを作成することがあります。この工程を「リファインメント」とよび、インビザライン治療の大切な工程のひとつです。

リファインメントは、8割程度の方が必要になるとされています。リファインメントの回数は人それぞれで、一度も行わない方もいれば、5回以上行う方もいます。

リファインメントは治療計画からずれてしまった場合だけでなく、予定していた歯並びから少し変更したいという願いを叶えることもできるでしょう。

インビザライン治療を予定どおりに終わらせるためには

女性患者に説明する男性歯科医師

インビザライン治療を予定どおりに終わらせるために、自分でできることはあるのでしょうか。最後に、自宅でできるセルフケアをご説明します。

マウスピースの装着時間を守る

インビザライン治療を予定どおり終わらせるためには、マウスピースの装着時間を守ることが最も大切です。

マウスピースを外している時間は、治療を止めている時間です。食事と歯磨きをするとき以外、1日20〜22時間装着するという習慣をつけ、つけ忘れないようにしましょう。治療期間が大幅に延びるリスクを回避できます。

マウスピースの管理を徹底する

マウスピースを紛失したり、破損したりすることは、治療期間が延びる原因です。そのため、マウスピースはケースに保管する習慣をつけましょう。

また、マウスピースを丁寧に洗浄することで、汚染による破損のリスクを減らせます。マウスピースを清潔に保つことも大切です。

マウスピースの装着方法に注意する

マウスピースを両手で持ち、前歯から奥歯の順に装着します。このときに、歯で食いしばりながら装着すると、歯に過度な力がかかりマウスピースの破損につながるため、やめましょう。

また、正しく装着するためには、チューイーとよばれるシリコン製の棒を用いてマウスピースと歯を密着させることも大切です。マウスピースを交換してから数日は、マウスピースと歯の間にすき間ができやすいので、チューイーを用いてしっかりと密着させる必要があります。

虫歯や歯周病に注意する

汚染されたマウスピースを装着すると、虫歯になるリスクが高まります。清潔なマウスピースを装着することを意識しましょう。

また、毎日の歯磨きを丁寧にすることはもちろん、マウスピースを装着する前は必ず歯磨きをする習慣をつける必要があります。食べカスをそのままにしてマウスピースを装着すると、虫歯や歯周病を引き起こすリスクが高まります。手間はかかりますが、毎食後だけでなく間食やジュースを飲んだあとも、お口とマウスピースを清潔にしてから装着しましょう。

虫歯や歯周病になると、虫歯治療が必要になり、マウスピースの作り直しが必要になる場合もあります。治療開始前に立てた計画どおりに矯正が進まず、治療期間が延びるので、虫歯は予防することが大切です。

まとめ部屋でリラックスして笑う女性

 

インビザライン治療を予定どおり進めるためには、マウスピースを正しく装着すること、装着時間を厳守すること、虫歯や歯周病を予防することが重要です。ふだんの歯磨きだけでなく、間食やジュースを飲んだあとにも歯磨きを行い、口腔内を清潔に保ちましょう。また、喫煙の習慣がある方は、禁煙すると計画どおりに治療を進められる可能性が高まります。

治療が延長することのないようセルフケアをしっかりと行い、計画どおり矯正治療を進めましょう。

インビザライン治療でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。