こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。
お子さまの歯並びが気になり、小児矯正を検討される保護者の方は多いのではないでしょうか。小児矯正の装置にはいくつかの種類があり、どれを選ぶべきか悩まれる方も少なくありません。
小児矯正は、乳歯から永久歯に生え変わる年齢に行う治療なので、乳歯と永久歯が混在している時期と、永久歯が生え揃った時期があります。一般的に、乳歯と永久歯が混在している時期の小児矯正を一期治療、永久歯が生え揃ってから行う小児矯正を二期治療と呼びます。
お子さまの歯の成長や歯並びの違いによって、小児矯正で使用する装置は異なります。
今回は、小児矯正で使用される装置の種類と、永久歯が生え揃ってからの治療法について詳しく解説します。
小児矯正で使用される装置の種類

乳歯と永久歯が混在している時期に行う小児矯正を、一期治療といいます。一期治療では、歯並びそのものよりも、顎の成長バランスを整えたり、将来の歯列を整えやすくしたりすることを目的とします。
主に使用される装置の種類は、以下4つです。
・プレート型矯正装置
・固定式拡大装置
・マウスピース型矯正装置
・顎外固定装置
それぞれ詳しく解説します。
プレート型矯正装置
プレート型の矯正装置は、取り外しが可能なタイプで、主に上顎や下顎の幅を広げる目的で使われます。バイトプレートやアクティブプレートといった装置が該当します。
この装置は、顎の骨の成長を助けることで、永久歯が正しい位置に生えそろうためのスペースを確保します。基本的には就寝中や家庭内にいるときに装着するのが一般的です。
プレート型装置はお子さまにとって負担が少ないとされており、受け入れやすい矯正方法です。
ただし、一定時間以上の継続的な使用が必要で、治療効果を得るにはお子さま自身が治療内容を理解しなければなりません。また、保護者の方が日々サポートしていくことが大切です。
固定式拡大装置
固定式の拡大装置は、口内に固定されるタイプで、使用中に取り外すことができない点が特徴です。代表的なものにクワッドヘリックスや急速拡大装置などがあります。
これらの装置は、主に上顎の骨の幅を広げるために使われ、歯並びのためのスペースを作ると同時に、顎の成長を望ましい方向に誘導します。取り外しの必要がないため装着忘れの心配がなく、常に安定した力が加わることで、より確実な矯正効果が期待できます。
ただし、装着初期は違和感を覚えることもあり、慣れるまでに時間がかかる子どももいます。
マウスピース型矯正装置
マウスピース型の矯正装置は、透明な素材でできたカスタムメイドの装置を使って、顎の成長を誘導したり、歯列の拡大を促したりする方法です。代表的なものは、インビザライン・ファーストやプレオルソなどです。
このタイプの矯正では、1日の装着時間が効果に直結します。装置の種類によって適切な装着時間は異なりますので、歯科医師の指示に従うことが大切です。お子さまの場合、つけ忘れや紛失のリスクがあるため、保護者の方が管理や声かけを行うことが非常に重要になります。
顎外固定装置
顎外固定装置は、骨格のバランスに問題がある場合に使われる矯正装置です。ヘッドギア、チンキャップ、上顎前方牽引装置などの種類があります。
顔の外側に装着するタイプで、頭部や顎の骨に一定の力を加えることで、骨の成長方向やスピードを調整する治療方法です。取り外しができる装置が多く、就寝中や歯科医師が指定した時間帯に使用されます。
見た目が気になるお子さまもいますが、継続的に使うことで骨格が整いやすくなり、結果として自然な歯並びや噛み合わせにつながる可能性があります。
永久歯が生え揃ってからの治療法

永久歯が生え揃ってからの小児矯正(二期治療)では、見た目や機能の改善を目的に、歯を一本ずつ細かく動かしていきます。主な治療法は、以下のとおりです。
・ワイヤー矯正
・マウスピース矯正
それぞれ詳しく解説します。
ワイヤー矯正
もっとも一般的な矯正装置で、歯の表面に小さなブラケットを取りつけ、ワイヤーで全体をつないで歯を動かします。歯の向きや位置を細かく調整することが可能です。
ワイヤー矯正には、主に3つの治療法があります。
表側矯正
歯の表側(唇側)に装置を装着する方法です。装置が目立ちやすいですが、幅広い症例に対応可能で、多くの歯科医院で実施されています。
裏側矯正
ブラケットやワイヤーを歯の裏側(舌側)につける方法です。外から見えにくいため、目立つのが気になる方に選ばれています。
表側矯正とは異なる特殊な技術が必要なため、対応できる歯科医院が限られており、費用も高い傾向にあります。また、舌に装置が当たるため、話しづらさを感じる方が多いです。
ハーフリンガル矯正
上の歯には裏側矯正、下の歯には表側矯正を行う方法です。装置を目立ちにくくしながら、費用を抑えられる方法といえます。
マウスピース矯正
透明なマウスピースを段階的に取り替えながら歯を動かす装置です。目立たず、取り外しができるため、食事や歯みがきがしやすいのが特徴です。ただし、装着時間の自己管理が重要です。保護者の方の協力は必要不可欠と言えます。
小児矯正のメリット

小児矯正の主なメリットは、以下とおりです。
成長を活かした治療ができる
小児矯正は、顎の骨がまだ成長している段階で行えるため、自然な発育を利用しながら歯並びやかみ合わせを整えることが可能です。大人と違って骨の柔軟性があるので、無理なく効率的に治療を進められることが多いです。
抜歯のリスクを減らせる
早い段階で歯列を整えることで、永久歯が生えるスペースを確保できるため、将来的に歯を抜かずに歯並びを整えられる可能性が高まります。心身への負担も軽減されるでしょう。
見た目の改善が早くできる
歯並びが整えば、口元のコンプレックスがなくなり自信が持てるなど、友人関係や学校生活に良い影響を与えることもあります。早期の矯正は、見た目だけでなく心理的な面でもプラスになります。
悪習慣を改善できる
指しゃぶりや舌で歯を押すクセなど、歯並びに悪影響を与える習慣を、矯正治療と併せて改善できる場合があります。こうした習癖に早く気づいて対処することで、歯列の乱れを防げます。
小児矯正のデメリット

小児矯正の主なデメリットは、以下のとおりです。
長期間の治療になることがある
小児矯正は、成長を見ながら段階的に進めるため、治療が一期と二期に分かれることが多いです。そのため、トータルで数年かかることもあります。
お子さまの成長ペースに合わせる必要があるため、時間がかかる点は理解しておく必要があります。
装置の管理が難しいこともある
取り外し式の装置は、お子さま自身が正しく使わないと効果が出にくくなります。つけ忘れたり、装着時間が短かったりすると治療が長引くこともあるため、保護者の方の協力が欠かせません。
追加の治療が必要になることもある
一期治療だけで完了するケースもありますが、多くの場合、永久歯が生えそろった後に二期治療が必要になります。その分、費用や通院期間が増えることもあるでしょう。
装置への違和感が気になる場合がある
装置の種類によっては、最初のうちは違和感があったり、見た目が気になってしまうお子さまもいます。慣れるまでに時間がかかることがあるため、精神的なフォローも大切です。
まとめ

小児矯正は、お子さまの成長や発育に合わせて段階的に治療を行うことが大切です。一期治療では、顎の成長をコントロールして歯が並ぶ土台を整え、二期治療では、その土台の上にきれいな歯列を完成させることを目指します。
小児矯正には多くのメリットがありますが、デメリットも理解したうえで検討することが大切です。それぞれのお子さまに合った装置を選ぶことが、よりよい治療結果につながります。
小児矯正を検討している方や、気になる装置があれば、お気軽にご相談ください。
小児矯正でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療をはじめ、矯正治療や入れ歯・ブリッジ・インプラント治療、予防歯科などさまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、ご予約・お問い合わせも受け付けております。