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両手でマウスピースをもって装着する女性

マウスピース矯正で顔の印象が変わる?美しい笑顔を手に入れよう!

2023年6月27日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

出っ歯やすきっ歯、ガタガタした歯並びなど、さまざまな歯並びの悩みを持つ方がいます。歯並びの悩みを改善したくても、目立つ矯正装置をつけるのは嫌だと思う方も多いです。

ワイヤー矯正は矯正していることが目立つので、周りにあまり気付かれずに矯正をしたい方にはマウスピース矯正が向いています。歯並びがよくなると噛み合わせが改善し、顔の印象もよくなるでしょう。

今回は、マウスピース矯正とはどのような矯正方法なのか、マウスピース矯正をすることで顔の印象がどのように変わるのかをご紹介します。歯科矯正を検討している方やマウスピース矯正に興味がある方は、ぜひご覧ください。

マウスピース矯正とは?

顎に手を当てて考える白い服の女性

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを装着して歯を動かす方法です。透明なマウスピースを装着するため周りに気づかれにくく、矯正中の審美性を気にする方から人気があります。

マウスピースは、患者さまの治療計画に沿って一度に複数枚作られます。歯科医師の指示に従ってマウスピースを交換しながら、徐々に歯を動かすのです。

マウスピースは取り外しが可能なため、矯正中もふだんどおりに食事ができ、しっかり歯磨きできることが特徴です。

しかし、1日20〜22時間以上マウスピースを装着する必要があり、洗浄や歯磨きを丁寧に行わなければならないため、慣れるまで大変に感じる方もいるかもしれません。

マウスピース矯正で歯を動かす仕組み

歯科医院で鏡で自分の歯並びを確認する女性

マウスピース矯正は、患者さまの歯並びのデータをとって分析し、マウスピースを作ることから始まります。

マウスピースは、実際の歯並びとずれが生じるように作られます。現在の歯並びと少しずれたマウスピースを装着することで、歯に圧力がかかり徐々に移動するのです。マウスピースの歯並びに歯が移動したら、次のマウスピースに交換して矯正治療を進めます。

歯の移動とマウスピースの交換を繰り返すことで、徐々に理想の歯並びに近づけます。マウスピースの矯正力を高めるために、歯にアタッチメントとよばれるパーツを付けることもありますので、念頭に置いておきましょう。

マウスピース矯正のメリット・デメリット

吊るされたMERITとDEMERITのメモ

マウスピース矯正のメリットとデメリットを確認しましょう。

メリット

マウスピース矯正のメリットは、矯正装置が目立たず周囲に気づかれにくい点です。食事や歯磨きの際はマウスピースを外せるので、ふだんどおり食事や歯磨きができることもメリットといえるでしょう。

1日のほとんどの時間でマウスピースを装着していなければなりませんが、ワイヤー矯正のように装置の調整をする必要がないので通院回数が少ないことも特徴です。

マウスピース矯正では奥歯を後ろに動かすことが容易なため、抜歯せずに出っ歯を治したい場合にも適しています。金属アレルギーの心配がなく、体にやさしい治療法ともいわれています。

デメリット

マウスピース矯正のデメリットは、食事や歯磨きのとき以外はマウスピースを外せない点です。装着時間が短いと治療が長引くおそれがあります。

また、飲食をする際は必ずマウスピースを外し、マウスピースの洗浄と歯磨きを行ってから装着する必要があります。マウスピースの洗浄や歯磨きをせずに装着すると細菌が増殖し、虫歯になる可能性があるため、常に清潔に保ちましょう。

マウスピース矯正をすると顔が変わる?

男性患者のカウンセリングをする女性歯科衛生士

「マウスピース矯正をすると顔が変わる」と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。マウスピースと歯並びのずれは小さく、マウスピース本体も薄いため、口の中に矯正装置を入れることで顔が変わることはありません。

しかし、歯が動くことによって顔が変わるように見える場合はあります。主なケースは、以下のとおりです。

口元が伸びて見える

マウスピースの厚みの分、口元が伸びたように感じる方がいます。マウスピースを装着することによる違和感は、2~3週間で消えることが多いので問題ありません。

矯正によって噛み合わせが改善されると口元が伸びたように見える場合がありますが、皮膚の状態が変化したわけではないので安心してください。

顔がたるんで見える

出っ歯の方が矯正治療を受けて歯が引っ込むと、顔の突っ張りがなくなり顔がたるんで見える場合があります。実際は顔がたるんだわけではなく、歯が正しい位置に移動しただけなので問題ありません。

出っ歯が治ることで、横顔が美しくなるメリットもあります。

小顔になる

マウスピース矯正によって噛み合わせが改善されることで、小顔になる場合があります。例えば、噛み合わせが悪く口元が閉じなかった方が、矯正後に口が閉じるようになった場合があげられるでしょう。

閉じることができなかった口が閉まるので、小顔になったと感じるのです。

マウスピース矯正で治せる歯並び

マウスピースを両手に持って前に出す女性

マウスピース矯正で治せる歯並びは、以下のとおりです。

・すきっ歯

・出っ歯

・受け口

・ガタガタした歯並び(叢生)

・前歯が閉じない歯並び(開咬)

・深い噛み合わせ(過蓋咬合)

それぞれ解説します。

すきっ歯

歯と歯の間にすき間がある状態のことをいいます。

歯列全体にすき間がある空隙歯列(くうげきしれつ)と、前歯の間にすき間がある正中離開(せいちゅうりかい)に分類されますが、どちらもマウスピースで矯正できる場合が多いです。

出っ歯

上顎が前に出て前歯が目立つ状態、下顎が後退していて前歯が目立つ状態、前歯が前方に傾いて生えている状態のことをいいます。

顎の位置が原因の場合はマウスピース矯正での治療は難しいですが、前歯の生え方が問題の場合はマウスピースで矯正できる場合があります。

受け口

下の前歯が前方に傾いて生えている状態や下顎が上顎よりも前に出ている状態のことをいいます。

出っ歯と同様に、前歯の生え方が問題の場合はマウスピース矯正で治療が可能です。

ガタガタした歯並び(叢生)

歯が部分的に重なった歯並びのことをいいます。歯が前後に重なる場合や、横向きに生えている場合、本来生えるべき場所からずれた位置に生えて場合などがあります。

歯がきれいに並ぶためのスペース不足が原因なため、歯をごくわずかに削ったり抜歯をしたりすることでスペースを確保できれば、マウスピース矯正が可能です。

前歯が閉じない歯並び(開咬)

奥歯を噛んだ際に、上下の前歯にすき間ができる状態のことをいいます。前歯が前方に傾斜して生えている場合や奥歯の高さが適切でない場合などがあります。

どちらの場合もマウスピース矯正での治療が可能です。

深い噛み合わせ(過蓋咬合)

噛み合わせが深く、上の歯が下の歯を覆って下の歯がほとんど見えない状態をいいます。

歯の高さを調整し、上下の噛み合わせを適切な状態にすることで改善されることが多いです。バイトランプとよばれる専用のアタッチメントを使用することで、マウスピース矯正での治療が可能です。

マウスピース矯正の期間

緑の机に置かれたカレンダーと時計

マウスピース矯正の期間は6か月~3年程度といわれており、矯正を行う範囲や歯並びの乱れの度合いによって変わります。個人差はありますが、部分矯正の場合は6か月〜1年程度で終了することが多いです。全体矯正の場合は3年ほどかかると考えるとよいでしょう。

また、矯正が終わったあとは保定装置を使って歯の後戻りを防ぐ治療が必要です。保定期間についても2~3年必要な場合が多いので、矯正にかかる治療期間は長いことを理解しましょう。

マウスピース矯正の費用

机に置かれた手帳とペンと電卓

マウスピース矯正にかかる費用は、以下のとおりです。

<マウスピース矯正の費用>

項目 かかる費用(平均額)
カウンセリング・相談料 ~5,000円
診察料 ~60,000円
矯正装置(マウスピース)料 200,000~1,000,000円
装置調整料 ~10,000円(1回あたり)
保定装置料 ~60,000円
保定観察料 ~10,000円(1回あたり)

マウスピース矯正は基本的に自費診療なので、歯科医院や選択したプラン、矯正する範囲によって費用が変動します。あくまでも目安なので、実際にかかる費用を知りたい方は、歯科医院を受診して相談するとよいでしょう。

まとめ

歯科医院で矯正用のマウスピースを嵌めようとしている女性

マウスピース矯正は歯並びをきれいにするだけでなく、顔の印象を大きく変える効果があります。口元や輪郭、歯並びが整うことで、人前で歯を見せて笑うことに抵抗がなくなる方もいるでしょう。笑顔が増えることも、マウスピース矯正で顔の印象が変わるといわれる要因かもしれません。

しかし、矯正によって噛み合わせが改善したことで、患者さまの理想と異なる顔の印象になったと感じるケースもあります。マウスピース矯正を始める前のカウンセリングの段階で矯正後のイメージを歯科医師と共有することで、イメージと違うと感じることを避けられるでしょう。

歯科医院を選ぶ際は、矯正の技術はもちろん、親身に話を聞いてくれるかどうかも重要視してください。

マウスピース矯正でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。

 

インビザライン矯正の治療期間が延びる理由

2023年6月14日

インビザライン矯正の治療期間が延びる理由

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

今回は、「インビザライン矯正の治療期間が延びる理由」です。

インビザライン矯正の治療において治療期間というのはすごく重要になってくると思います。

当院の治療期間の平均は1年半〜2年程です。

矯正の治療期間は色々な要因で変わってきます。

今回は、矯正期間が延びてしまう理由を徹底的にご説明させて頂きます。

インビザライン矯正にご興味ある方に必見です。

インビザライン治療の期間を左右する要因は?

矯正を進めていく上で治療期間に影響が出てくる要因はいつくかあります。

勿論、医師の設計が大きな要因としてはありますが、今回は患者様の要因をご紹介させて頂きます。

患者様の要因として、大きく3つあげることができます。

1、マウスピースの装着時間

2、チューイを噛んでいない

3、インビザライン矯正の途中で虫歯になる

当院、もりかわ歯科でインビザライン治療を受けている患者様を診ていると、ここが大きな要因だと思います。

1、マウスピースの装着時間

インビザライン矯正において装着時間は命です。

基本的に22時間装着と決まっております。

2時間はご飯を食べたり、歯を磨く時間を考慮した装着時間になっています。

それ以外の時間はマウスピースを装着することで歯が動いていきます。

ただ、お仕事上マウスピースの装着時間が減ってしまうとどうなるかと言いますと

外している時間は後戻りをしてしまいます。

22時間装着しても2時間外している時間があります。2時間分は後戻りしてしまうので実際に歯が動いている時間は20時間になってしまいます。

なぜ22時間装着しないといけないのか?

例えば、食べ歩きなどをした日にしょっちゅうマウスピースを外してしまって、トータルの装着時間が1日12時間だった場合、外している時間は12時間になります。インビザライン矯正の効果はなんと0時間になってしまいます。

これがもし続いてしまうと、マウスピース1枚に付き0.25mmずつ動いていきますが効果はないまま進んでしまうので治療計画と実際のお口(歯並び)にギャップが出てきてしまい治療計画を長引かせてしまう大きな要因になってしまいます。

2、チューイを噛んでいない

チューイを噛んでいない

インビザライン治療を進めていく上で大切になってきます。チューイというアイテムがございます。このようにゴムで出来ている棒なのですがマウスピースを装着した後に1日10分くらい噛む必要があります。

チューイの役割は?

マウスピースを指でいれるだけではフィットがよくない状態です。

そこでマウスピースを入れた後チューイを噛むことによって歯にマウスピースがフィットしていきます。

チューイを噛むことはインビザライン矯正において重要です。

しっかり噛むことで治療計画を円滑に進める事が可能になって参ります。

インビザライン矯正中に虫歯になる

インビザライン矯正中に虫歯になる

インビザライン矯正は歯磨きをしっかり出来るので虫歯になりにくいのですが弱点もあります。

普段、唾液が洗浄してくれているのでお口の中が綺麗になるのですがマウスピースをつけていると歯に唾液が当たらない状態になります。

洗浄がされないので虫歯のリスクが上がってしまいます。

多くはないですが、計画の途中に虫歯になり矯正がストップして虫歯治療をせざるを得ない患者さんも中にはいます。

そうすると、また計画立て直しになるので治療期間が延びてしまいます。

虫歯の予防はしっかりしてインビザライン矯正を進めるようにして下さい。

 

いかがだったでしょうか?

今回は、「インビザライン矯正の治療が延びる理由」でした。

インビザライン矯正において患者様の協力も成功の大切な要因です。

一緒に綺麗な歯並びを手に入れませんか?

一人ではなく、もりかわ歯科がしっかりサポートをしていきます。

インビザライン矯正にご興味ある方は是非、ご相談下さい。

ダイヤモンドプロバイダーである森川康司があなたのお悩みを解決させて頂きます。

インビザライン治療の詳しい内容はこちら

ダイヤモンドプロバイダーの森川康司がご相談内容を伺います

4月23日(日)に最終相談会実施?

2023年4月19日

4月23日(日)に最終相談会実施?

こんにちは。八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。
今回は、イベント情報です。
今、もりかわ歯科では八尾NO.1感謝キャンペーンとママの心配ズバリ応援キャンペーンをしております。

八尾ナンバーワンキャネンペーンバナー

ママの心配ズバリ応援キャンペーンバナー

おかげさまで相談数は100人を越えております
この度、2つのキャンペーンを合体させて最終相談会としてアリオ八尾2階特別ブースにてイベントを開催させて頂きますので詳しくご説明させて頂きます。

最終相談会とは?

ママのお悩みズバリ応援キャンペーンチラシ

普段、歯科医院でないと歯の悩みを打ち明ける事が出来ません。ただ、歯科医院に行くのも敷居が高くなかなか行く時間がない方も多いと思います。

一度に悩んでいる事全て解決出来るようにワンストップで相談できるようにしております。

またイベント会場はアリオ八尾 2階のビックカメラの前のイベントブースです。

アリオ八尾2階フロアマップ(イベント会場)

歯科医院に行かなくても買い物ついでにふらっとご相談出来ます。
是非、お越しください。

当日の流れは?

まずは相談内容についての問診票

問診表が御座いますのでお悩み該当するところをチェックしてもらいプロに相談することが可能です。

1,衛生士によるお口の中の相談

衛生士によるお口の中の相談

お口の中の事を衛生士に相談する事が出来ます。
お子様から大人まで誰でもご相談ください。
お口の中のお悩みをすべて打ち明けて下さい。
すべて解消させて頂きます。

2、ダイヤモンドプロバイダードクターによる嚙み合わせ相談

ダイヤモンドプロバイダードクターによる嚙み合わせ相談

噛み合せのご相談

次に、噛み合わせの相談をダイヤモンドプロバイダーである森川 康司が直接ご相談内容を伺います。
頭痛や肩こりなど普段抱えている悩みも噛み合わせが原因なことも多いです。

今のあなたの噛み合わせを診断した上で悩みの原因を探って行きます。

ダイヤモンドプロバイダーの森川康司がご相談内容を伺います

3、支払いや矯正器具の使い方の相談

支払いや矯正器具に使い方の相談

お支払いのご相談

最後にお支払いや装置の使い方などなかなか聞きづらい悩みなど相談することが出来ます。
歯科医院でお話を聞くなると敷居が高くなりますがこのイベントではお悩みを解消する場なのでお気軽にご相談ください。

このように
お口の中、かみ合わせ、支払いというように各スペシャリストに相談出来るのでこの機会にご相談ください。

当日の特典は?

イベント当日の特典

当日、イベントに参加して下さり矯正のご予約を取ってくださった方にはWダウンクーポンを差し上げます。
抽選で最大10万円引きになります。
もし、矯正について少し考えている方いましたらお得なクーポン券もついてきますので
4月23日(日)はアリオ八尾2階にお越しください。

いかがだったでしょうか?
今回は、イベント情報でした。
なかなか歯科医院では敷居が高く相談はしたいけどなかなか相談できていないそこのあなた!
是非、買い物ついでにお越しください。
矯正について詳しい内容はこちらからチェックして下さい。

 

白い背景の前で右手をおでこに当てて驚いている女性

インビザラインを1日つけ忘れてしまった!影響と対処法、予防法を解説!

2023年3月12日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

インビザラインは、取り外しできる透明なマウスピースを使用した矯正方法です。ワイヤー矯正とは異なり、見た目を気にせずに歯列矯正を行うことができるのが特徴といえます。

しかし、1日に20〜22時間以上マウスピースを装着する必要があり、マウスピースをどれだけお口の中に装着できるかによって、歯が動くスピードや治療期間が変わってきます。

今回は、インビザラインをつけ忘れてしまったときの対処法や予防法などについて解説していきます。

インビザラインの正しい装着時間

木目のテーブルの上にピンクの目覚まし時計が置かれている

インビザラインの正しい装着時間は1日20〜22時間以上といわれています。

長時間装着する理由は、2つあります。1つめは、インビザラインはワイヤー矯正と比べて歯に加わる力が小さいため、長時間マウスピースを装着しないと歯が動かせないためです。2つめは、後戻りを防ぐためです。後戻りとは、お口周りの筋肉などの影響によって、動かした歯が元の位置に戻る現象のことをいいます。長時間マウスピースを装着することで、後戻りを予防することができます。

以上の理由からインビザライン治療では1日に20〜22時間以上、マウスピースを装着しなければならないのです。

インビザラインを1日つけ忘れてしまったときの影響

倒れかけている木製のドミノを指で押さえている

結論から申し上げると、インビザラインを1日つけ忘れても歯並びや治療期間への影響はほとんどありません。

インビザラインでは、1週間で歯が約0.25mm動くといわれています。そのため、1日つけ忘れてしまうと、約0.03mm歯が動かせないということになりますが、その程度であれば治療にはほとんど影響しないと考えられます。また、1日であれば後戻りもほとんど起こりません。

しかし、つけ忘れの期間が長くなると、後戻りが起きたり、計画通りに歯が動かなかったりと、さまざまな影響が起き、治療期間が大幅に延びる可能性もあります。さらに、十分に歯が動いていない状態で次のマウスピースを装着した場合は、歯に大きな力が加わり歯肉退縮が起こる場合があります。歯肉退縮とは、歯茎が下がる現象で、一度歯茎が下がってしまうと自然と元に戻ることは基本的にありません。

このようなことを防ぐためにも、マウスピースは毎日決められた時間装着しましょう。また、マウスピースの装着を長期間怠ってしまった場合は、歯科医師に相談しましょう。

インビザラインのつけ忘れが起こりやすい場面

ノートPCとバインダーが置かれた机の前で、両手を挙げて険しい表情をしている女性医師

ここまで、マウスピースの装着時間を守ることの重要性について説明しました。マウスピースのつけ忘れを防ぐためには、具体的にどのような場面で忘れやすいのかを意識することが重要です。

以下では、マウスピースの装着を忘れやすい場面をまとめてみました。

食事・歯磨きのあと

インビザラインの治療中に食事や歯磨きをするときは、マウスピースを外す必要があります。そのため、食後や歯磨きのあとは、ついついマウスピースをつけ忘れてしまうことがあります。

食後や歯磨きのあとはマウスピースのつけ忘れが多いことを意識して、マウスピースを忘れずに装着しましょう。

違和感や痛みがあるとき

マウスピースを装着してしばらくは、違和感や痛みが生じます。そのため、インビザライン治療を開始して数日はマウスピースを外してしまい、そのままになってしまうことがよくあります。

マウスピースの違和感や痛みは、2〜3日程度で慣れてくるため、2〜3日は我慢して装着しましょう。装着して3日以上経過しても違和感や痛みが続く場合は、歯科医師に相談しましょう。

飲み会や会食などのとき

飲み会や会食などのときは、事前にマウスピースを外して参加してしまうことが多いです。

飲み会や会食が終わったら、必ずマウスピースを装着するようにしましょう。

インビザラインをつけ忘れてしまったときの対処法

マウスピースを指さしている

インビザラインをつけ忘れてしまった場合はどのように対処すればよいのでしょうか。どれくらいの期間マウスピースを装着しなかったかによって対処法が異なります。

以下では、期間ごとに分けて対処法をまとめてみました。

数時間程度のつけ忘れ

数時間程度のつけ忘れであれば、治療に影響が出ることはほとんどありません。この場合は、いつも通りマウスピースを装着して様子をみましょう。

1日程度のつけ忘れ

1日程度のつけ忘れであれば、後戻りや歯並びなどにほとんど影響はありません。マウスピースの装着期間を1日延ばしましょう。

数日〜1週間程度のつけ忘れ

数日〜1週間程度インビザラインをつけ忘れてしまうと、計画通り歯が動かず、後戻りが起こっている可能性があります。場合によっては、マウスピースが入らないこともあります。この場合は、マウスピースを無理に装着せず、歯科医師に相談しましょう。

もし、マウスピースが入らない場合は、新しくマウスピースを作成することもあります。

1週間〜数ヶ月以上のつけ忘れ

この場合は、歯並びが変化しマウスピースが装着できない可能性があるため、歯科医師に相談しましょう。また、なぜマウスピースをつけ忘れた期間が長くなってしまったのか、歯科医師とともに話し合い、対策を考えましょう。

インビザラインの治療効果は、マウスピースを装着している時間によって異なるため、自己管理が非常に重要です。歯科医師と話し合い、自己管理が難しいと感じる場合は、取り外しのできないワイヤー矯正に変更するなど、自己管理があまり必要ない矯正方法を検討しましょう。

インビザラインのつけ忘れを防ぐ4つの方法

びっくりマークが表示されたスマートフォンを手に持っている

インビザライン治療を計画通りに終了するためには、つけ忘れを防ぐことが非常に大切です。この項目では、インビザラインのつけ忘れを防ぐ4つの方法をご説明します。

インビザラインの装着を習慣化する

インビザラインのつけ忘れを防ぐためには、習慣化することが大切です。習慣化を効率的に行うために「if-then(イフ-ゼン)ルール」を活用しましょう。

if-thenルールを活用することで、人間の心理を利用し、習慣を身に付けられるでしょう。「Aをしたら、Bをする」というように、ある条件(=A)が満たされれば、特定の行動(=B)を行うようにルール化することで、習慣化させることができます。 例えば、マウスピースの装着を習慣化したいのであれば「歯を磨いたら、インビザラインをつける」というようにルールを決めます。

このようにif-thenルールを活用することで、歯を磨いたあとに余計な行動を挟まず、マウスピースの装着ができるため、つけ忘れを防ぐことができるでしょう。

インビザラインを持ち歩く

インビザラインのつけ忘れや破損した場合に対応するために、外出する際は1つ前のマウスピースを持ち歩くようにしましょう。ふだんから使用しているカバンの中にインビザラインを入れておくことをおすすめします。

また、マウスピースが変形しないようにケースの中に入れて保管しましょう。

リマインド機能を活用する

マウスピースのつけ忘れを防ぐための方法として、スマートフォンのリマインド機能を活用することも有効的です。食事や飲み会などが終わる頃に、マウスピースを装着するリマインドのアラームや通知がくるように設定しておくことで、つけ忘れを防げるでしょう。

また、マウスピースの交換時期なども忘れないように、リマインド設定をしておくことをおすすめします。

インビザラインをつけ忘れる場面をメモする

先述したインビザラインをつけ忘れる場面以外にも、人によってつけ忘れしやすい場面があると思います。このような場面に遭遇したときはメモをするようにしましょう。メモをすることによって、次に同じ場面に遭遇したときに、つけ忘れを防ぐ対策をすることができます。

まとめ

水色の背景の前で左手にマウスピースを持ち、右手でグッドサインを出している女性

今回は、インビザラインのつけ忘れについて説明しました。1日程度のつけ忘れでは、矯正治療に問題が生じることはほとんどありません。

しかし、それ以上のつけ忘れは歯列が変化し、マウスピースが入らないといったトラブルが起こることがあります。このような場合は、無理をせず歯科医師に相談しましょう。また、インビザラインは患者様がマウスピースをどれだけ装着できるかで治療効果が大きく異なります。長期のつけ忘れを防ぐためにも、今回ご紹介した「つけ忘れが起きやすい場面」や「つけ忘れを防ぐ方法」を参考にしてください。

当院では、矯正前のカウンセリングなども行なっていますので、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にお気軽にご相談ください。

黒の背景の前に置かれた2つのマウスピース

マウスピース矯正とは?ほかの治療法との違いやメリット、費用について詳しく解説!

2023年2月21日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

近年、矯正治療を希望する人が増えています。厚生労働省が2020年に行った患者調査によると、矯正治療の初診者数は、2017年と比較して3.6倍にもなっています。また、男女別に見ると、男性患者は1.7倍、女性患者は4.8倍に増えています。矯正治療が年々人気になっていることがわかるでしょう。

参照元:「3年間で3.6倍と増加、最新の厚労省患者調査からわかる歯科矯正初診患者数」

そこで今回は、矯正治療の中でも特に人気のあるマウスピース矯正について説明したいと思います。

マウスピース矯正とほかの治療法の違い

右手に歯の治療器具を持ち、左手で左上を指差す女性

矯正治療には、大きく分けてワイヤー矯正とマウスピース矯正の2種類があります。これらの違いを以下にまとめてみました。

歯を動かす仕組み

ワイヤー矯正は、ブラケットという小さな矯正装置とワイヤーを歯に装着することで行う治療法で、ワイヤーの元に戻る力を利用して歯を動かします。

一方、マスウスピース矯正は、現在の歯並びから少しずれたマスウスピースを装着し、このずれにより生じる力を利用して歯を動かします。

適応症例の範囲

ワイヤー矯正は、歯を大きく動かすことができるため、広い範囲の歯並びを治療することができます。

一方、マウスピース矯正は、歯を大きく動かすことができないため、治療できる歯並びは限られています。

取り外しの有無

ワイヤー矯正では、歯に矯正装置を装着するため、矯正治療中は矯正装置を取り外すことができません。

一方で、マウスピース矯正はマウスピースを自由に取り外すことができます。

矯正中のトラブルの頻度

ワイヤー矯正では、治療中に矯正装置が外れる可能性があり、場合によっては矯正装置が頬の粘膜や歯茎を傷つけることがあります。

一方、マウスピース矯正ではこのようなトラブルは比較的少ないです。

食べ物の制限

ワイヤー矯正では、食べ物が当たると矯正装置が外れる可能性があります。そのため、硬い食べ物を食べるときは注意が必要です。また、キャラメルなどの粘着性のある食べ物は矯正装置に付着する可能性があるため、控える必要があります。

一方、マウスピース矯正は、マウスピースを取り外して食事ができるため、食べ物の制限は特にありません。

マウスピース矯正のメリット・デメリット

赤色で描かれた困り顔のスマイリーと、黄色で描かれた笑顔のスマイリーがあり、黄色のスマイリーマークを指でタッチしている

次に、マウスピース矯正のメリット・デメリットについて解説していきます。

メリット

マウスピース矯正のメリットは、以下の2つです。

自由に着脱できる

マウスピースは自由に取り外すことができるため、装置を取り外した状態での飲食や歯磨きができます。そのほかにも、人前で話す必要があるときや運動を行うときなどにも装置を取り外すことができるため、日常生活におけるストレスは少ないでしょう。

目立たない

マウスピース矯正では、透明なマウスピースを使用し自由に取り外しができるため、目立ちにくいという特徴があります。

デメリット

マウスピース矯正のデメリットは、以下の2つです。

1日の装着時間が長い

マウスピース矯正で歯を動かすためには、マウスピースを1日20〜22時間以上装着する必要があります。装着時間が短いと、歯に十分な力を与えられず、治療期間が長引く可能性があります。

噛み合わせが変わることがある

マウスピースは、歯全体を覆っています。奥上から押さえつけられる力が奥歯に働くため、結果として奥歯の高さが低くなり、奥歯の噛み合わせが変化することがあります。

マウスピース矯正で治療できる症例・できない症例

左手にマウスピースを持ち、右手でグッドサインをしている女性

専門用語で悪い歯並びのことを不正咬合(ふせいこうごう)といいます。不正咬合には、さまざまな種類があり、マウスピース矯正で治療できる不正咬合は限られています。

以下に、マウスピース矯正で治療ができる症例とできない症例をまとめました。

マウスピース矯正で治療できる症例

マウスピース矯正で治療できる症例は、以下の5つです。

軽度の叢生(そうせい)

叢生とは、歯並びが不揃いでボコボコしている歯並びのことをいいます。「乱杭歯」や「八重歯」がこれに該当します。本来の歯列から歯が大きくずれていない軽度の叢生であれば、マウスピース矯正で治療できます。

空隙歯列(くうげきしれつ)

空隙歯列とは、歯と歯の間に隙間が空いている歯並びのことをいいます。いわゆる「すきっ歯」がこれに該当します。この症例もマウスピース矯正で治療できます。

上顎前突(じょうがくぜんとつ)

上顎前突とは、上の歯が出ている歯並びのことをいいます。いわゆる「出っ歯」がこれに該当します。上顎前突には、歯が前に出ている場合と骨格的に上顎骨全体が前に出ている場合があります。歯が前に出ている場合はマウスピース矯正が適応となりますが、骨格的な原因がある場合は手術が必要になります。

下顎前突(かがくぜんとつ)

下顎前突とは、下の歯が出ている歯並びのことをいいます。いわゆる「受け口」がこれに該当します。下顎前突も、上顎前突と同様に歯が前に出ている場合と骨格的に下顎骨全体が前に出ている場合があり、歯が原因の場合のみマウスピース矯正で治療できます。

過蓋咬合(かがいこうごう)

過蓋咬合とは、噛み合わせが深いため奥歯で噛んだときに上の前歯が下の前歯に覆いかぶさって、下の前歯が見えなくなる歯並びのことをいいます。奥歯の噛み合わせに問題がある場合は、マウスピース矯正で治療できます。

しかし、骨格的な問題がある場合は手術が必要です。

開咬(かいこう)

開咬とは、歯を噛み合わせた時に上下前歯が噛み合わず、隙間がある歯並びのことをいいます。舌を噛む癖などの舌癖(ぜつへき)などが原因で起こることがあります。マスウスピース矯正と並行して、舌癖がある場合はそちらの改善も行います。

マウスピース矯正で治療できない症例

マウスピース矯正で治療できない症例は、以下の4つです。

重度の叢生

マウスピース矯正では、歯を大きく動かすことができません。そのため、本来の歯列から歯が大きくずれていて歯を大きく動かす必要がある場合は、マウスピース矯正で治療ができません。

インプラントがある場合

インプラントは、骨に直接埋め込まれています。そのため、マウスピース矯正のような弱い力では動かすことはできません。

重度の歯周病

重度の歯周病がある場合、顎の骨が溶けています。この状態で矯正をすると、歯に加わる力が原因で歯が抜けてしまう場合があるため、マウスピース矯正では治療ができません。

骨格的な不正咬合

顎の骨格が原因で起こる不正咬合の治療は、手術を行う必要があります。そのため、マウスピース矯正では治療ができません。

マウスピース矯正の治療の流れ

PCの画面に映し出されたレントゲン写真と歯の模型で説明をする歯科医師と説明を聞く患者

マウスピース矯正の治療の流れは、以下のとおりです。

1.カウンセリング

マウスピース矯正を行う前にカウンセリングを行います。

カウンセリングでは、現在の歯並びのお悩みや矯正治療に対する疑問などをうかがい、説明を行います。また、お口の中を確認し、マウスピース矯正が可能であるかの判断も行います。

2.精密検査

カウンセリングを受けていただき、矯正治療をご希望される場合は精密検査を行います。

精密検査では、現在のお口の中の写真やレントゲンの撮影、歯型の採取などを行います。

3.治療計画の説明

精密検査の結果から歯並びの状態を評価し、治療計画を立てます。治療計画の決定後、治療のスケージュールや期間、費用などの説明を行います。

4.術前処置

マウスピース矯正を始める前に虫歯や歯周病がある場合は、こちらの治療を優先して行うことがあります。歯に汚れが付いている場合は、歯のクリーニングを行います。

5.マウスピース矯正

マウスピースの着脱の仕方や注意点などを説明します。

歯科医師の指示に従い、決められた期間装着したあとは、新しいマウスピースを装着します。お口の中や矯正の進行具合くを確認する必要があるため、定期的に通院します。

6.保定期間(ほていきかん)

矯正治療が終了してしばらくは、歯を支えている骨が不安定のため歯並びが元に戻ってしまうことがあります。これを防ぐために、保定装置と呼ばれる歯並びを保つための装置を一定期間装着します。

マウスピース矯正にかかる期間

水色のテーブルの上に歯の模型と歯鏡、カレンダーが置かれている

マウスピース矯正にかかる期間の目安は、部分的に矯正が必要な場合は2か月~1年、全体的に矯正が必要な場合は1~2年程度必要です。また、矯正治療終了後は、元の歯並びに戻ることを防ぐために保定装置を1~2年装着する必要があります。

マウスピース矯正にかかる費用

テーブルの上にパソコン、聴診器、ノート、メガネ、白い電卓が置かれている

マウスピース矯正は自費診療のため、歯科医院ごとにかかる費用は異なります。

大まかな目安としては、部分的に矯正を行う場合は約300,000~400,000円、全体的に矯正を行う場合は約700,000~100,000円です。

マウスピース矯正中に注意すること

青い白衣を着て、首に聴診器を掛けた女性

マウスピース矯正中に注意することは、以下の3つです。

食事中はマウスピースを取り外す

マウスピース矯正中に食事をする際は、マウスピースを取り外してください。マウスピースを装着した状態で食事をすると、マウスピースが割れたり、マウスピース内に食べ物が溜まり虫歯や歯周病の原因になります。

装着時間を守る

マウスピース矯正で歯を動かすためには、マウスピースを1日20〜22時間以上装着する必要があります。装着時間が短いと、治療期間が長くなるため注意しましょう。

マウスピースの交換期間を守る

マウスピースは概ね10日ほど装着します。決められた期間マウスピースを装着したあとは、新しいマウスピースを装着しましょう。

まとめ

手の平に置かれたマウスピース

今回は、マウスピース矯正についてご説明しました。当院では、マウスピース矯正のカウンセリングを行っております。マウスピース矯正に少しでも興味がございましたら、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にお気軽にご相談ください。

マウスピースを装着しようとしている女性の口元

マウスピース矯正で八重歯は治せる?八重歯を放置するリスクや治療費・期間についても解説!

2023年2月16日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

以前は、矯正といえばワイヤー矯正一択でしたが、最近ではマウスピース矯正を取り扱う歯科医院が増えています。八重歯が気になるけれど、ワイヤーの見た目に抵抗があり諦めていた方も多いでしょう。

この記事では、八重歯をマウスピース矯正で治す方法や治療期間、費用について解説します。八重歯を矯正することで、お顔全体が清潔かつ華やかな印象になります。

<この記事を読めばわかること>

・マウスピース矯正で可能な八重歯の治療法

・八重歯を放置するリスク

・マウス ピース矯正のメリット、注意点

・マウス ピース矯正の治療費、かかる期間

「写真を撮るときにステキな笑顔を残したい」「マウスピース矯正が気になるけれど不安」という方は、ぜひ参考にしてください。

八重歯とは

指で唇を押し上げ、歯茎を出している女性

八重歯とは、犬歯(3番目の歯)が横の歯に重なって花のように見える状態をいいます。犬歯は糸切り歯ともよばれます。

日本では「笑うと歯が見えてかわいい」といわれていますが、海外では好まれない傾向にあるのも事実です。

八重歯の原因

黄色い背景の前に歯の模型と治療器具が置かれている

八重歯は、歯の大きさに対して生えるスペースが足りないことが原因で起こります。

顎が小さく、歯が生えるスペースがない

顎が小さく歯が生えるスペースがないと、犬歯が外側にずれて生えてきます。八重歯(犬歯)は、前歯や奥歯より遅れて生えるため、スペースがないと横の歯に押し出されます。また、生え変わりの時期に乳歯が早く抜けて、横の歯が傾き、スペースがなくなるケースもあります。

歯のサイズが大きい

歯の大きさには個人差があります。顎のサイズは正常であっても、歯のサイズが大きいと歯列スペースに入らず、ずれて生えてきます。

八重歯を放置することのリスク

紫背景の前に黄色い服を着た女性が口元を押さえて立っている

八重歯は、単に見た目だけの問題ではありません。八重歯を放置しておくと、虫歯や歯周病のリスク、お口全体にトラブルが発生する可能性があります。

八重歯を放置することのリスクは、主に以下の3つです。

・歯間の虫歯になりやすい

・歯周病になる恐れがある

・噛み合わせが悪く奥歯に負担がかかる

それぞれ詳しく解説します。

歯間の虫歯になりやすい

八重歯が横の歯と重なると、プラークがたまりやすくなり虫歯のリスクが高まります。

デンタルフロスや歯間ブラシが入らなければ、両隣の歯に虫歯が広がる恐れがあります。八重歯の周囲の虫歯を防ぐには、ブラッシングに時間をかけなければいけません。

歯周病になる恐れがある

歯が重なると、歯の根っこが接近し、歯を支えている周囲の骨が減ってしまいます。「歯を支える骨が少ない」「磨きにくく汚れがたまる」などの理由によって、歯周病のリスクが高まります。

また、八重歯があることで口が開いた状態が続き、口内が乾燥すると歯周病菌が増殖します。

噛み合わせが悪く奥歯に負担がかかる

人は、噛んで食べ物をすり潰すとき、犬歯を機能させて奥歯の噛み合わせの負担を減らしています(犬歯誘導)。

八重歯があると犬歯が当たらないため、犬歯誘導ができず、奥歯に負担がかかった状態が続きます。日々の負担が積もることで、将来、奥歯が割れるなどトラブルが起こるリスクが高まります。また、噛み合わせがずれた状態で過ごすと、顔や顎の歪みが生じるかもしれません。

マウスピース矯正で八重歯は治せる?

グレーのテーブルの上にマウスピースが置かれている

マウスピース矯正はワイヤー矯正と同様、八重歯の治療に対応しています。

マウスピース矯正で治せる歯並び

マウスピース矯正で治せる歯並びは、以下のとおりです。

・八重歯などの叢生(歯が重なる、ガタガタの状態)

・上顎前突(出っ歯)

・下顎前突(受け口)

・すき間が多い歯並び

しかし、重度の叢生や骨格に問題があると、マウスピース矯正の治療対象外になるケースもあります。

マウスピース矯正で八重歯を治せないケース

八重歯の向きや突出具合によっては、マウスピース矯正で治せないことがあります。

マウスピース矯正で八重歯を治せないケースは、以下の3つです。

・八重歯以外の歯のずれが大きい

・骨格に問題がある

・噛み合わせが深い

同じ八重歯でも、ずれが大きい場合や過蓋咬合といわれる噛み合わせが深い場合は、マウスピース矯正で治せないケースがあります。

次に、八重歯の治療法と治療時の抜歯の有無について説明します。

八重歯の治療法

レントゲン写真を使って説明をする歯科医師と、説明を聞く患者

八重歯の治療法は、以下の4つです。

歯を後方に移動させてスペースを確保する(非抜歯の場合)

奥歯を後方に移動させてスペースを確保し、八重歯を正しいスペースに戻す治療法です。

顎の幅を広げて八重歯のスペースを確保する(非抜歯の場合)

上顎は横に広げやすいため、顎を横に広げることで八重歯の入るスペースを確保します。八重歯の角度やねじれ具合によっては、マウスピース以外の装置を使用する場合があります。

歯の側面を削り歯列内に収める(非抜歯の場合)

軽度の叢生であれば、歯の側面を削り、八重歯をスペースに収める治療で対応が可能です。

歯を削ると聞いて心配になる方がいるかもしれませんが、影響がない程度に削るため問題はありません。表面のエナメル質をごくわずかに削り、上の歯全体で八重歯1本分のスペースを確保するイメージです。

抜歯をしてスペースを確保する

顎が極端に狭く、八重歯以外に歯にずれが生じていれば、抜歯をするケースがあります。抜歯をしたあとに、上記3つの治療法を組み合わせて矯正します。

抜歯をするケースでも、基本的に八重歯を抜くことはありません。なぜなら、犬歯は根っこが大きく生涯にわたり残せる可能性が高いからです。八重歯が邪魔だからといって抜いてしまうと、噛み合わせが崩れる恐れがあります。多くの場合、抜歯は4〜5番目の歯を抜きます。

抜歯を懸念する気持ちがある方もいらっしゃるかもしれませんが、抜かずに無理に歯を動かすと、骨の吸収が早まる恐れがあります。抜歯については、歯科医師に相談し、納得したうえで進めましょう。

マウスピース矯正とワイヤー矯正を併用する

マウスピース矯正だけで対応できない場合は、部分的にワイヤーを使用することがあります。

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と併用することで対応できる症例の範囲が広がります。ワイヤー矯正で部分治療する範囲は、それぞれの歯科医師の判断によります。ワイヤー矯正の技術が乏しい歯科医院では、マウスピース矯正とワイヤー矯正を併用できないことがあります。歯科医院を選ぶときは、経験が多い歯科医院であるか適切に判断しましょう。

マウスピース矯正で八重歯を治すメリット

青い白衣を着た歯科衛生士が片手に治療木後を持っている

八重歯を治したいと思ったとき、マウスピース矯正とワイヤー矯正のどちらにするか迷う方もいるでしょう。両方を比較しながら、メリットについて解説します。

装置が目立たない

マウスピース矯正の最大のメリットは、装置が目立たないことです。

矯正は長期にわたるため、見た目が気に入らないと日々ストレスを感じ続けることになります。社会人の場合、写真撮影や接客など、見た目が気になるシーンは日常に溢れています。マウスピース矯正は見た目がほとんど変わらないため、外見によるストレスは少ないでしょう。

取り外しが可能である

マウスピースは、好きなタイミングで取り外せます。ワイヤー矯正では、ワイヤーに引っかかる食べ物や色のつくカレーを避けるなど、食事にも気を遣います。その点、マウスピース矯正は取り外して食べられるため、気にする必要がありません。

ただし、長時間取り外すとマウスピースが入らなくなる恐れがあるため、着け忘れには注意しましょう。

しっかり磨ける

ワイヤー矯正は、歯ブラシが届かない装置のすき間に汚れがたまるため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。汚れを取るために、歯間ブラシやタフトブラシを使い、手入れに時間をかけなければいけません。マウスピースは歯を磨くときに取り外せるため、隅々までしっかり磨けます。

ただし、マウスピースは常に歯を覆っているため、唾液が循環しにくくなります。糖度が高いジュースは、マウスピースを取り外して飲むか、飲んだあとにうがいをするように心がけましょう。

痛みが少ない

ワイヤー矯正は、ワイヤーが粘膜に刺さったり金属が舌に当たったりするなど、口内が傷つくことがあります。

しかし、マウスピース矯正であれば、口内を傷つけるリスクはほとんどありません。ワイヤー治療のように歯を引っ張って動かすのではなく、マウスピース全体に力が分散されるため、痛みも少ないといわれています。

治療後のシミュレーションができる

マウスピース矯正は、治療前にスキャナー装置でシミュレーションし、マウスピースを製作します。

矯正終了後の状態を事前に確認できるため、モチベーションが上がり、安心感につながるでしょう。

通院間隔を長く空けられる

ワイヤー矯正は1か月おきの通院が必要ですが、マウスピース矯正は問題がなければ、2〜3か月に通院間隔を空けることが可能です。

受診回数が少ないため、留学や出産など通院が難しい場合にも融通がききます。

楽器やスポーツも安心できる

ワイヤーを装着していると、楽器を吹きにくい場合があります。激しいスポーツでは、ぶつかるとワイヤーが唇にあたりケガをするかもしれません。

マウスピース矯正ではそのような心配がないため、部活動に励む学生の方でも安心して治療が可能です。

金属アレルギーの心配ない

マウスピース矯正は金属を使用しないため、金属アレルギーの方でも安心して治療が可能です。

マウスピース矯正における注意点

暗闇の中にスポットライトで照らされたびっくりマークが置かれており、後ろにクエスチョンマークが複数置かれている

マウスピース矯正には多くの魅力がありますが、注意しなければならない部分もあります。

長時間装着する必要がある

マウスピースは好きなタイミングで取り外せますが、基本的には常に装着する必要があります。就寝時はもちろんのこと、短くても1日20~22時間は装着しなければいけません。

マウスピースを装着できない状態が続くと、修正が効かなくなる恐れがあります。マウスピースがはまりにくいなどトラブルが起こったら、早めに受診しましょう。

治療効果に本人の意志が関わる

取り外しが可能なマウスピースは、装着時間により治療の進行に差が出ます。食事後は洗ってすぐに着ける、寝る前に着け忘れないなど、ご自身が意識して行動しなければなりません。

マウスピースをまとめて受け取るときは、紛失や破損しないように丁寧に保管しましょう。

歯科医師の技術によって結果が左右される

マウスピース矯正は、矯正に熟知していない歯科医院でも治療できるからこそ、信頼できるところで治療することが重要です。

歯科医師の経験によって対応できる症例の範囲が異なります。金額のみで判断して治療を始めてしまうと、理想の状態から遠ざかり修正ができなくなるかもしれません。初回のカウンセリングで、今までの症例を見せてもらうなど、歯科医師任せにせず情報を集めるようにしましょう。

矯正後に保定装置の着用が必要である

矯正をして動かしたあとでも、歯は元の位置に戻ろうとする習性があります。そのため、ワイヤー矯正と同様、後戻りを防ぐために保定装置を使用しなければなりません。

治療後も装置の着用が必要であることを理解しておきましょう。

マウスピース矯正で八重歯を治療する場合にかかる期間・費用

カレンダーと白い電卓が置かれている

マウスピース矯正は何年かかるのか、費用はいくらかかるのか気になる方も多いでしょう。結論をいうと、治療にかかる期間・金額は歯科医院によって異なります。マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と同じく保険適用外のため、治療費は高額です。費用や治療計画を比較するためにも、いくつかの歯科医院で相談することをおすすめします。

マウスピース矯正の一般的な治療期間・費用の目安を以下にまとめてみました。

<マウスピース矯正で八重歯を治療する場合にかかる期間・費用>

矯正の範囲 部分矯正 全体の矯正
金額 200,000〜500,000円程度 800,000〜1,200,000円程度
期間 4か月~1年程度 1〜3年程度

ワイヤー矯正と同様、マウスピース矯正は医療費控除の対象です。

また、治療費の支払い方法は多くの歯科医院で分割払いができます。

マウスピース矯正で八重歯を治せない場合の治療法

青い背景の前でワイヤー矯正の装置付きの歯の模型を持っている

マウスピース矯正で八重歯を治せない場合はどうしたらいいのでしょうか。ここからは、マウスピース矯正で八重歯を治せない場合の治療法について解説していきます。

拡大装置で顎を広げる

拡大装置を使えば、顎を一気に広げることが可能です。そのため、マウスピース矯正に比べてかかる期間が短くて済みます。マウスピース矯正やワイヤー矯正と併用することもよくあります。

表側のワイヤー矯正

歯の表面にブラケットを付けて、そこにワイヤーを通して歯を動かします。金属ワイヤーのイメージが強いですが、白いブラケットや白いワイヤーのような目立ちにくい装置もあります。

裏側のワイヤー矯正

歯の裏側にブラケットを付けるワイヤー矯正です。装置が目立ちにくいメリットがありますが、表側のワイヤー矯正よりも時間がかかるのがデメリットです。

まとめ

男性歯科医師に治療を受ける女性が左手でグッドサインを出している

今回は、マウスピースを使った八重歯の治療について、期間やリスクを含めて解説しました。八重歯が治るだけでお顔全体が整って見えます。写真で見比べれば、笑顔の印象はずいぶん変わるでしょう。マウスピース矯正を取り扱う歯科医院は年々増えており、日本での症例数も増加しています。一度、歯科医院でカウンセリングを受けるとイメージがしやすくなるでしょう。治療を開始してから後悔しないように、歯科医院を選ぶときは症例数や費用を比較し、納得したうえで進めてください。

マウスピース矯正でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。