こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。
以前は、矯正といえばワイヤー矯正一択でしたが、最近ではマウスピース矯正を取り扱う歯科医院が増えています。八重歯が気になるけれど、ワイヤーの見た目に抵抗があり諦めていた方も多いでしょう。
この記事では、八重歯をマウスピース矯正で治す方法や治療期間、費用について解説します。八重歯を矯正することで、お顔全体が清潔かつ華やかな印象になります。
<この記事を読めばわかること>
・マウスピース矯正で可能な八重歯の治療法
・八重歯を放置するリスク
・マウス ピース矯正のメリット、注意点
・マウス ピース矯正の治療費、かかる期間
「写真を撮るときにステキな笑顔を残したい」「マウスピース矯正が気になるけれど不安」という方は、ぜひ参考にしてください。
八重歯とは
八重歯とは、犬歯(3番目の歯)が横の歯に重なって花のように見える状態をいいます。犬歯は糸切り歯ともよばれます。
日本では「笑うと歯が見えてかわいい」といわれていますが、海外では好まれない傾向にあるのも事実です。
八重歯の原因
八重歯は、歯の大きさに対して生えるスペースが足りないことが原因で起こります。
顎が小さく、歯が生えるスペースがない
顎が小さく歯が生えるスペースがないと、犬歯が外側にずれて生えてきます。八重歯(犬歯)は、前歯や奥歯より遅れて生えるため、スペースがないと横の歯に押し出されます。また、生え変わりの時期に乳歯が早く抜けて、横の歯が傾き、スペースがなくなるケースもあります。
歯のサイズが大きい
歯の大きさには個人差があります。顎のサイズは正常であっても、歯のサイズが大きいと歯列スペースに入らず、ずれて生えてきます。
八重歯を放置することのリスク
八重歯は、単に見た目だけの問題ではありません。八重歯を放置しておくと、虫歯や歯周病のリスク、お口全体にトラブルが発生する可能性があります。
八重歯を放置することのリスクは、主に以下の3つです。
・歯間の虫歯になりやすい
・歯周病になる恐れがある
・噛み合わせが悪く奥歯に負担がかかる
それぞれ詳しく解説します。
歯間の虫歯になりやすい
八重歯が横の歯と重なると、プラークがたまりやすくなり虫歯のリスクが高まります。
デンタルフロスや歯間ブラシが入らなければ、両隣の歯に虫歯が広がる恐れがあります。八重歯の周囲の虫歯を防ぐには、ブラッシングに時間をかけなければいけません。
歯周病になる恐れがある
歯が重なると、歯の根っこが接近し、歯を支えている周囲の骨が減ってしまいます。「歯を支える骨が少ない」「磨きにくく汚れがたまる」などの理由によって、歯周病のリスクが高まります。
また、八重歯があることで口が開いた状態が続き、口内が乾燥すると歯周病菌が増殖します。
噛み合わせが悪く奥歯に負担がかかる
人は、噛んで食べ物をすり潰すとき、犬歯を機能させて奥歯の噛み合わせの負担を減らしています(犬歯誘導)。
八重歯があると犬歯が当たらないため、犬歯誘導ができず、奥歯に負担がかかった状態が続きます。日々の負担が積もることで、将来、奥歯が割れるなどトラブルが起こるリスクが高まります。また、噛み合わせがずれた状態で過ごすと、顔や顎の歪みが生じるかもしれません。
マウスピース矯正で八重歯は治せる?
マウスピース矯正はワイヤー矯正と同様、八重歯の治療に対応しています。
マウスピース矯正で治せる歯並び
マウスピース矯正で治せる歯並びは、以下のとおりです。
・八重歯などの叢生(歯が重なる、ガタガタの状態)
・上顎前突(出っ歯)
・下顎前突(受け口)
・すき間が多い歯並び
しかし、重度の叢生や骨格に問題があると、マウスピース矯正の治療対象外になるケースもあります。
マウスピース矯正で八重歯を治せないケース
八重歯の向きや突出具合によっては、マウスピース矯正で治せないことがあります。
マウスピース矯正で八重歯を治せないケースは、以下の3つです。
・八重歯以外の歯のずれが大きい
・骨格に問題がある
・噛み合わせが深い
同じ八重歯でも、ずれが大きい場合や過蓋咬合といわれる噛み合わせが深い場合は、マウスピース矯正で治せないケースがあります。
次に、八重歯の治療法と治療時の抜歯の有無について説明します。
八重歯の治療法
八重歯の治療法は、以下の4つです。
歯を後方に移動させてスペースを確保する(非抜歯の場合)
奥歯を後方に移動させてスペースを確保し、八重歯を正しいスペースに戻す治療法です。
顎の幅を広げて八重歯のスペースを確保する(非抜歯の場合)
上顎は横に広げやすいため、顎を横に広げることで八重歯の入るスペースを確保します。八重歯の角度やねじれ具合によっては、マウスピース以外の装置を使用する場合があります。
歯の側面を削り歯列内に収める(非抜歯の場合)
軽度の叢生であれば、歯の側面を削り、八重歯をスペースに収める治療で対応が可能です。
歯を削ると聞いて心配になる方がいるかもしれませんが、影響がない程度に削るため問題はありません。表面のエナメル質をごくわずかに削り、上の歯全体で八重歯1本分のスペースを確保するイメージです。
抜歯をしてスペースを確保する
顎が極端に狭く、八重歯以外に歯にずれが生じていれば、抜歯をするケースがあります。抜歯をしたあとに、上記3つの治療法を組み合わせて矯正します。
抜歯をするケースでも、基本的に八重歯を抜くことはありません。なぜなら、犬歯は根っこが大きく生涯にわたり残せる可能性が高いからです。八重歯が邪魔だからといって抜いてしまうと、噛み合わせが崩れる恐れがあります。多くの場合、抜歯は4〜5番目の歯を抜きます。
抜歯を懸念する気持ちがある方もいらっしゃるかもしれませんが、抜かずに無理に歯を動かすと、骨の吸収が早まる恐れがあります。抜歯については、歯科医師に相談し、納得したうえで進めましょう。
マウスピース矯正とワイヤー矯正を併用する
マウスピース矯正だけで対応できない場合は、部分的にワイヤーを使用することがあります。
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と併用することで対応できる症例の範囲が広がります。ワイヤー矯正で部分治療する範囲は、それぞれの歯科医師の判断によります。ワイヤー矯正の技術が乏しい歯科医院では、マウスピース矯正とワイヤー矯正を併用できないことがあります。歯科医院を選ぶときは、経験が多い歯科医院であるか適切に判断しましょう。
マウスピース矯正で八重歯を治すメリット
八重歯を治したいと思ったとき、マウスピース矯正とワイヤー矯正のどちらにするか迷う方もいるでしょう。両方を比較しながら、メリットについて解説します。
装置が目立たない
マウスピース矯正の最大のメリットは、装置が目立たないことです。
矯正は長期にわたるため、見た目が気に入らないと日々ストレスを感じ続けることになります。社会人の場合、写真撮影や接客など、見た目が気になるシーンは日常に溢れています。マウスピース矯正は見た目がほとんど変わらないため、外見によるストレスは少ないでしょう。
取り外しが可能である
マウスピースは、好きなタイミングで取り外せます。ワイヤー矯正では、ワイヤーに引っかかる食べ物や色のつくカレーを避けるなど、食事にも気を遣います。その点、マウスピース矯正は取り外して食べられるため、気にする必要がありません。
ただし、長時間取り外すとマウスピースが入らなくなる恐れがあるため、着け忘れには注意しましょう。
しっかり磨ける
ワイヤー矯正は、歯ブラシが届かない装置のすき間に汚れがたまるため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。汚れを取るために、歯間ブラシやタフトブラシを使い、手入れに時間をかけなければいけません。マウスピースは歯を磨くときに取り外せるため、隅々までしっかり磨けます。
ただし、マウスピースは常に歯を覆っているため、唾液が循環しにくくなります。糖度が高いジュースは、マウスピースを取り外して飲むか、飲んだあとにうがいをするように心がけましょう。
痛みが少ない
ワイヤー矯正は、ワイヤーが粘膜に刺さったり金属が舌に当たったりするなど、口内が傷つくことがあります。
しかし、マウスピース矯正であれば、口内を傷つけるリスクはほとんどありません。ワイヤー治療のように歯を引っ張って動かすのではなく、マウスピース全体に力が分散されるため、痛みも少ないといわれています。
治療後のシミュレーションができる
マウスピース矯正は、治療前にスキャナー装置でシミュレーションし、マウスピースを製作します。
矯正終了後の状態を事前に確認できるため、モチベーションが上がり、安心感につながるでしょう。
通院間隔を長く空けられる
ワイヤー矯正は1か月おきの通院が必要ですが、マウスピース矯正は問題がなければ、2〜3か月に通院間隔を空けることが可能です。
受診回数が少ないため、留学や出産など通院が難しい場合にも融通がききます。
楽器やスポーツも安心できる
ワイヤーを装着していると、楽器を吹きにくい場合があります。激しいスポーツでは、ぶつかるとワイヤーが唇にあたりケガをするかもしれません。
マウスピース矯正ではそのような心配がないため、部活動に励む学生の方でも安心して治療が可能です。
金属アレルギーの心配ない
マウスピース矯正は金属を使用しないため、金属アレルギーの方でも安心して治療が可能です。
マウスピース矯正における注意点
マウスピース矯正には多くの魅力がありますが、注意しなければならない部分もあります。
長時間装着する必要がある
マウスピースは好きなタイミングで取り外せますが、基本的には常に装着する必要があります。就寝時はもちろんのこと、短くても1日20~22時間は装着しなければいけません。
マウスピースを装着できない状態が続くと、修正が効かなくなる恐れがあります。マウスピースがはまりにくいなどトラブルが起こったら、早めに受診しましょう。
治療効果に本人の意志が関わる
取り外しが可能なマウスピースは、装着時間により治療の進行に差が出ます。食事後は洗ってすぐに着ける、寝る前に着け忘れないなど、ご自身が意識して行動しなければなりません。
マウスピースをまとめて受け取るときは、紛失や破損しないように丁寧に保管しましょう。
歯科医師の技術によって結果が左右される
マウスピース矯正は、矯正に熟知していない歯科医院でも治療できるからこそ、信頼できるところで治療することが重要です。
歯科医師の経験によって対応できる症例の範囲が異なります。金額のみで判断して治療を始めてしまうと、理想の状態から遠ざかり修正ができなくなるかもしれません。初回のカウンセリングで、今までの症例を見せてもらうなど、歯科医師任せにせず情報を集めるようにしましょう。
矯正後に保定装置の着用が必要である
矯正をして動かしたあとでも、歯は元の位置に戻ろうとする習性があります。そのため、ワイヤー矯正と同様、後戻りを防ぐために保定装置を使用しなければなりません。
治療後も装置の着用が必要であることを理解しておきましょう。
マウスピース矯正で八重歯を治療する場合にかかる期間・費用
マウスピース矯正は何年かかるのか、費用はいくらかかるのか気になる方も多いでしょう。結論をいうと、治療にかかる期間・金額は歯科医院によって異なります。マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と同じく保険適用外のため、治療費は高額です。費用や治療計画を比較するためにも、いくつかの歯科医院で相談することをおすすめします。
マウスピース矯正の一般的な治療期間・費用の目安を以下にまとめてみました。
<マウスピース矯正で八重歯を治療する場合にかかる期間・費用>
矯正の範囲 |
部分矯正 |
全体の矯正 |
金額 |
200,000〜500,000円程度 |
800,000〜1,200,000円程度 |
期間 |
4か月~1年程度 |
1〜3年程度 |
ワイヤー矯正と同様、マウスピース矯正は医療費控除の対象です。
また、治療費の支払い方法は多くの歯科医院で分割払いができます。
マウスピース矯正で八重歯を治せない場合の治療法
マウスピース矯正で八重歯を治せない場合はどうしたらいいのでしょうか。ここからは、マウスピース矯正で八重歯を治せない場合の治療法について解説していきます。
拡大装置で顎を広げる
拡大装置を使えば、顎を一気に広げることが可能です。そのため、マウスピース矯正に比べてかかる期間が短くて済みます。マウスピース矯正やワイヤー矯正と併用することもよくあります。
表側のワイヤー矯正
歯の表面にブラケットを付けて、そこにワイヤーを通して歯を動かします。金属ワイヤーのイメージが強いですが、白いブラケットや白いワイヤーのような目立ちにくい装置もあります。
裏側のワイヤー矯正
歯の裏側にブラケットを付けるワイヤー矯正です。装置が目立ちにくいメリットがありますが、表側のワイヤー矯正よりも時間がかかるのがデメリットです。
まとめ
今回は、マウスピースを使った八重歯の治療について、期間やリスクを含めて解説しました。八重歯が治るだけでお顔全体が整って見えます。写真で見比べれば、笑顔の印象はずいぶん変わるでしょう。マウスピース矯正を取り扱う歯科医院は年々増えており、日本での症例数も増加しています。一度、歯科医院でカウンセリングを受けるとイメージがしやすくなるでしょう。治療を開始してから後悔しないように、歯科医院を選ぶときは症例数や費用を比較し、納得したうえで進めてください。
マウスピース矯正でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。