こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康は全身の健康と深く関わっていることが知られています。日常生活の中で口腔内を清潔に保つことは、虫歯や歯周病といったトラブルを防ぐだけでなく、口臭の予防や全身疾患リスクを軽減する上でも重要です。

中でも予防歯科は、歯のトラブルが起きる前に予防ケアを行うことを目的としており、健康な歯を長く保つために欠かせない存在です。

本記事では、予防歯科と一般歯科の違いや、予防歯科の重要性、具体的な治療内容、自宅でできるケア方法などを詳しく解説していきます。予防歯科に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。

予防歯科とは

予防歯科と一般歯科の大きな違いは、行う目的です。一般歯科では、虫歯や歯周病といった問題が発生してから治療を受けることが主な目的ですが、予防歯科ではトラブルが生じる前から継続的なケアを行うことが目的です。

たとえば、セルフケアだけでは歯と歯の間や歯茎との隙間の汚れが残りやすく、これが蓄積すると歯石ができやすくなります。歯石は、虫歯や歯周病を引き起こす細菌の温床となるため、歯科医院での定期的なクリーニングが効果的です。

こうした積極的な予防活動は、長期的な口腔内の健康を守り、結果として健康寿命を延ばすためにも有効です。

予防歯科の重要性

現在の日本では、定期的な歯科メンテナンスを行っている人は約5％にとどまるとされています。ヨーロッパなどでは約60〜70％の人が予防歯科を含む歯のメンテナンスを継続的に受けており、日本に比べて予防への意識が非常に高いことがわかります。

さらに、予防に対する意識の違いは、高齢期における残存歯数にも表れています。予防歯科が進んでいるスウェーデンでは、80歳で平均20本の歯が維持されています。日本では同じ年齢では平均8本しか残っていません。

この事実だけでも、予防歯科の重要性が理解できるのではないでしょうか。その他にも、予防歯科の重要性を示すメリットが多く存在します。

虫歯や歯周病を予防できる

予防歯科は、虫歯や歯周病などのトラブルが発生する前に防ぐことを目的としています。もし口腔トラブルが発生しても初期の段階で治療できるので、歯を削る必要がなく健康な歯を維持できます。

天然歯を守れる

虫歯になった歯は、削って人工物で補う必要があります。ご自身の歯に馴染むように人工歯を作成しますが、金属や樹脂はあくまで異物です。ご自身の歯に勝るものはありません。

予防歯科で未然に虫歯のリスクを抑え、健康な歯をできるだけそのまま保つことが、身体への負担軽減にもつながります。

口臭予防

予防歯科による定期的なケアで歯垢や歯石を取り除くと、口臭の原因を軽減できます。虫歯や歯周病が原因の口臭であれば、早期発見・治療により改善が期待できます。

全身疾患のリスクを軽減できる

歯周病菌が血流に乗り全身に拡散すると、心臓病や脳卒中のリスクが高まるとされています。口内環境の健康を保つことは、全身の健康維持にも役立ちます。

医療費を節約できる可能性がある

虫歯や歯周病が悪化すると、通院回数や治療の負担だけでなく、治療費も増大します。予防歯科に通うことで早期発見をすれば、結果的に治療費の節約につながるでしょう。

予防歯科で行う治療

ここでは、予防歯科で行われる代表的な治療内容について詳しく紹介します。

歯科検診

まず、歯や歯茎の健康状態を確認し、虫歯や歯周病の有無をチェックします。また、噛み合わせの状態や歯の動揺度、歯茎の腫れや出血の有無も確認していきます。

クリーニング（SPR）

歯の表面や歯茎の隙間にたまった歯垢や歯石を専用器具で除去する処置も、予防歯科で行う基本的な治療です。歯石はセルフケアでは取り除けないため、歯科医院でのクリーニングが重要です。

セルフケアで取り残した歯垢や歯石を取り除けば、口臭や歯周病の予防につながります。

専門的な歯のクリーニング（PMTC）

PMTC（Professional Mechanical Tooth Cleaning）は、歯の表面を専門的にクリーニングする方法です。セルフケアでは取り除けない汚れやバイオフィルムを除去できます。研磨剤と専用機器で歯の表面を磨き、コーヒーやタバコなどによる着色汚れも落とします。

PMTCを受けることで、歯がツルツルになり汚れがつきにくい状態を保てるようになります。

ブラッシング指導

予防歯科では、自宅でのセルフケアの質を向上させるために、正しいブラッシング方法を指導します。

歯科衛生士が患者様の歯の形状や磨き残しやすい部分をチェックし、適切な歯ブラシの選び方や歯間ブラシ、フロスの使い方を教えます。

フッ素塗布

フッ素には、歯質を強化し虫歯の原因菌の働きを抑える効果があるため、予防歯科でのフッ素塗布は虫歯予防に非常に効果的です。特に生えたばかりの永久歯や乳歯に有効で、汚れを取り除いた後に塗布することで、フッ素の効果を最大限に引き出します。

この処置は定期的に行うことで持続的な予防効果が期待できます。

シーラント

シーラントは、歯の溝を歯科用の樹脂で埋めることで虫歯を防ぐ処置です。特に、食べかすが溜まりやすい奥歯の深い溝に効果的です。フッ素が含まれている樹脂もあり、虫歯の再発防止や歯の再石灰化も促進します。

保険が適用されるのは6〜12歳の子どものみですが、虫歯予防に効果的な処置として知られています。

予防歯科治療にかかる費用

基本的に予防歯科は自由診療であり、費用は歯科医院が自由に設定できるため、クリニックによって料金に差が出ます。以下では、保険と自費の場合に分けて、費用相場について解説します。

自由診療の場合

自由診療の場合、予防歯科にかかる費用は歯科医院ごとに異なり、通常1回あたり5,000円から2万円程度が目安です。

クリニックによっては、施術内容に応じて複数のコースが用意されていることもあります。例えば、歯石除去やフッ素塗布を含む予防パッケージで2万〜5万円程度に設定されているケースもあります。

使用する機器や薬剤に制限がなく、より幅広いケアを受けられる一方で、費用が高くなる傾向があります。

保険適用の場合

2020年の診療報酬改定により、一部の条件を満たす予防歯科治療に保険が適用されるようになりました。具体的には、以下の条件を満たした場合に限り、保険が適用されることがあります。

・すでに虫歯や歯周病がある
・口腔管理体制強化加算の基準を満たす施設

虫歯や歯周病すでにある場合は、進行を抑えるために予防処置が必要と判断されて保険が適用されます。特に、歯周病で歯石が多く付着し進行リスクがある場合には、歯石除去などの予防処置が保険対象となります。

また、口腔管理体制強化加算の基準を満たす施設で予防歯科を受ける場合、保険適用の対象となることがあります。

保険診療の自己負担割合が3割の場合、予防歯科にかかる費用は1回3,500円から5,000円程度が目安です。

自分でできる歯のケア法

自宅でもケアを取り入れることで、歯科医院でのプロフェッショナルケアと合わせて高い予防効果を期待できます。セルフケアの方法は、大きくわけて2つあります。

丁寧な歯磨きを心がける

まず、食後はなるべく歯磨きをすることが大切です。特に、食後の口内は酸性に傾きやすく虫歯になりやすい状態のため、毎食後の歯磨きが理想的です。歯磨きが難しい場合は、水でうがいするだけでも虫歯や歯周病の予防に役立ちます。

また、歯と歯の間の汚れにはデンタルフロスや歯間ブラシを使い、細かな部分までしっかりケアしましょう。

規則正しい食生活を心がける

歯の健康には、食事のリズムも重要です。間食や甘いものの摂りすぎは口内環境を酸性に傾けるため、虫歯のリスクが高まります。

食事やおやつを決まった時間にとり、食後は口内を清潔にするように心がけることが、歯の健康維持につながります。

まとめ

予防歯科は、虫歯や歯周病のリスクを未然に防ぐための重要な取り組みです。一般歯科が問題発生後の治療を主とするのに対し、予防歯科はトラブルが起こる前から定期的なケアを行うことで、自然な歯を長く保つことを目指します。

定期検診やクリーニング、専門的なブラッシング指導などを通じ、口腔内の健康を維持しながら、全身の疾患リスクを抑える効果も期待できます。さらに、予防ケアを取り入れることで、医療費の節約にもつながります。

セルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアを両立させ、歯の健康寿命を延ばす取り組みをしてみてはいかがでしょうか。

予防歯科を検討している方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療をはじめ、矯正治療や入れ歯・ブリッジ・インプラント治療、予防歯科などさまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、ご予約・お問い合わせも受け付けております。