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肘をまげて頬に人差し指をあてながら考えている女性

インビザラインで口ゴボは治せる?治療法や費用を解説!

2023年4月21日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

「口ゴボ」は、口元が突き出たように見える状態です。鼻の下から口元にかけて膨らんでいるため、サル顔や老けた印象を与え、悩みを抱える方も少なくないでしょう。口ゴボは、マウスピース矯正であるインビザラインで治療することが可能です。

今回は、口ゴボの原因やインビザラインで治す方法、費用や期間について詳しく解説します。口ゴボが気になっている、目立ちにくいインビザラインで矯正したいとお悩みの方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

口ゴボとは

髪を後ろで縛った女性の横顔

よく耳にする「口ゴボ」について、詳しくご存じない方も多いかと思います。ここでは、口ゴボがどのような状態のことか、見た目以外に与える影響についても解説します。

口ゴボの特徴

口ゴボとは、口元が前方に突出した状態のことを指します。横から見たときに、鼻と同じもしくは鼻以上に上下の口唇が前方に突き出ているのが特徴です。上下の歯が前方に傾いていたり、通常よりも上下の顎や歯列が前方に出ていたりすることで、口ゴボの状態になります。

※上の顎や歯が前方に出ている出っ歯や、下の顎や歯が上の歯より前方に出ている受け口は、一般的に口ゴボとは区別されます。

口ゴボは、鼻の下から口元が膨らんでいるため、サルのような印象の口元になったり、ほうれい線が目立って老けた印象になったりします。

このように、口ゴボは審美性に大きな影響を与えて、コンプレックスの原因になることがあります。また、口ゴボは見た目だけではなく、体にさまざまな影響を与えます。

口ゴボが見た目以外に与える影響

口ゴボが見た目以外に与える影響は、主に以下のようが挙げられます。

・虫歯や歯周病のリスクが高くなる
・発音が不明瞭になる
・顎関節症になりやすい
・胃腸に負担がかかる
・口呼吸になりやすい

口ゴボを放置しておくと、さまざまなリスクがあるため注意が必要です。

口ゴボの原因

遺伝子やDNAのイメージ

なぜ口ゴボになってしまうのでしょうか?ここでは、口ゴボになる3つの原因について解説します。

遺伝による骨格や歯の生え方

遺伝による骨格や歯の生え方が口ゴボの原因になります。

顔の骨格や歯並びは遺伝的な要素が大きいです。そのため、両親のどちらかが口ゴボの場合は、こどもも同じような口元になる可能性があります。

歯並びだけの問題であれば、矯正治療によって口ゴボを改善することが可能です。

しかし、生まれつき顎の骨が前方に出ている場合には、顎のバランスを変えるための外科手術を必要とするケースもあります。

日常的な癖

日常的な習慣が口ゴボの原因になることもあります。

舌で前歯を押したり、上下の前歯の隙間に下を挟んだりするような舌の癖があると、前歯が突出する原因になるのです。また、指しゃぶりなどが長引くことで口ゴボにつながることもあります。指しゃぶりは、舌を指ごと前歯に押し付ける状態になるため、長期化すると歯並びにも影響が出ます。

さらに、口呼吸も歯並びを悪くする原因の一つです。口呼吸は、鼻呼吸に比べて口周囲の筋肉が使われないため、筋肉が発達せず、口を閉じにくくなります。筋肉のバランスが崩れることで顎の骨の成長にも影響を及ぼし、歯並びが悪くなります。

こうした癖や習慣は、幼少期だけでなく、大人になってからも歯並びに影響を与えるため、改善するようにしましょう。

アデノイド肥大

鼻と喉の間にあるリンパ組織のアデノイドが何らかの理由で肥大すると、口ゴボの原因になります。

アデノイド肥大よって起こる鼻づまりに伴い、日常的に口呼吸になることで口ゴボになりやすいです。

抜歯は必要?インビザラインで口ゴボを治す方法

右手でマウスピースをはめる女性

口ゴボはインビザラインで改善することが可能です。インビザラインで歯並びを整えることで、口元の突出感を緩和できます。歯並びによっては、インビザラインの治療対象外になる可能性もあるため、詳しくは歯科医院に相談してみましょう。

ここでは、インビザラインで口ゴボを治す方法や抜歯の必要性について解説します。

インビザラインとは

インビザラインとは、メジャーな世界的メーカーによるマウスピース矯正の装置です。

マウスピース矯正は、一定の期間ごとに異なるマウスピースをはめていくことで、理想の歯並びに歯を動かしていく矯正方法です。マウスピース矯正の装置はさまざまなメーカーで作られていますが、インビザラインはその中でも普及率が高く、世界各国1,400万人以上の方が治療を受けています。

参照元:【公式】インビザライン|インビザライン・ジャパン株式会社

インビザラインの特徴は、以下のとおりです。

・透明なマウスピースなので目立たない
・自分で取り外しができる
・食事と歯磨きはマウスピースを外すので今までどおり行える
・対応できる歯並びが多い
・抜歯が必要な歯並びも治療できる
・型どりが1回で済む
・口の中のデータから、治療開始前に、治療中使用するすべてのマウスピースを作成する
・来院回数が1か月半~2か月に1回でよい
・ワイヤー矯正より痛みが少ない

口ゴボの矯正には抜歯が不可欠?

口ゴボの矯正では、抜歯を必要とするケースが多いです。

口ゴボは前歯が出ている状態のため、後方に下げるためにはスペースが必要です。それぞれの歯を少しずつ削ることでスペースを確保できますが、少しのスペースしか作れません。口ゴボの矯正治療では、歯並びを大きく後方に移動させないと口元の膨らみが改善されないため、大きなスペースが必要です。そのため、第一小臼歯を抜歯してスペースを作ることが多いです(歯の状態によっては他の歯を抜歯することもあります)。

抜歯をせずに無理に矯正してしまうと、歯が前方に出てしまい、口ゴボが悪化するおそれがあります。重なっていた歯が一列に並び、歯並びのアーチが長くなった分、前方に歯が出てしまうからです。

また、骨格に問題がある口ゴボは、抜歯して歯並びを後方に下げるだけでは、口元の膨らみに変化が見られないこともあります。その際は、顎の骨のバランスを変えるために、外科手術を併用する必要があるでしょう。

インビザラインで口ゴボを治す方法

インビザラインで口ゴボを治すには、次のような流れで治療を行います。

1.カウンセリング

歯並びの悩みや矯正治療に関する疑問などを、詳しく歯科医師に相談しましょう。

治療の流れやおおまかな見積もりを聞くことが可能です。

2.お口の精密検査・診断

歯の状態の確認やレントゲン撮影を行います。

歯科医師が口の中や骨格の状態を総合的に診て、どんな矯正治療が適しているのかを判断します。インビザラインで治療が可能かどうか、このときに診断可能です。歯並びの状態によっては、ワイヤー矯正のほうが適していることもあります。歯科医師に相談してみましょう。

3.歯の型どり

自分専用のマウスピースを作るための歯型をとります。

歯型のデータを歯科医院からインビザラインの会社に送り、マウスピースが作られます。

4.治療開始

マウスピースを歯科医院で受け取り、使用方法や注意事項を聞いてから治療を開始します。

マウスピースは歯型をとってから、およそ2週間で歯科医院に届きます。インビザラインのマウスピースの取り扱いについては、以下の3つに注意しましょう。

・1日20~22時間装着する
・マウスピースは10日~2週間ほどで次のマウスピースに交換する
・食事と歯磨きのときは外す

※抜歯や虫歯の治療が必要な場合は、マウスピース装着開始前に行います。
※骨格の状態によっては、顎の骨を切る外科手術をしないと、口元の突出感が改善されない場合があります。

5.定期受診

1か月半~2か月に1回、歯の移動状態を確認するために歯科医院へ来院します。必要があればマウスピースの調整を行います。

6.治療完了

目標とする歯並びになったら、治療は終了です。

7.保定・メンテナンス

矯正治療後は後戻り防止のために保定装置(リテーナー)を装着します。

矯正後は歯を支える骨や歯周組織がまだ安定しておらず、歯が動きやすいです。そのため、歯が安定するまで保定する期間が必要です。

また、矯正後の歯に問題がないか確認するため、歯科医院で定期的なメンテナンスを受けましょう。

インビザラインで口ゴボを治すためにかかる期間・費用

「COST」と書かれた積み木ブロック

インビザラインで口ゴボを治療したいと思う方によって、治療期間や費用は気になる部分でしょう。

ここでは、インビザラインの治療期間と費用について解説します。

インビザラインで口ゴボを治すための期間

歯並びや骨格の状態にもよりますが、治療期間はおよそ2年半~3年です。

抜歯が必要な口ゴボの矯正治療では、歯を動かす距離が長いため、比較的時間がかかります。部分矯正で済むケースなら、治療期間はこれより短いこともあるでしょう。

インビザラインで口ゴボを治すための費用

インビザラインの費用は、口の状態によって異なりますが、全体矯正では800,000~1,000,000円が相場です。

矯正は自費治療であるため、歯科医院によって費用は異なります。追加料金が発生する料金体系の歯科医院もありますので、治療前によく確認しておきましょう。

まとめ

黄色いTシャツを着た笑顔の横顔の女性

口ゴボは歯並びの状態にもよりますが、インビザラインで治療することが可能です。口ゴボは見た目の問題だけではなく、虫歯や歯周病、顎関節のリスクを高めてしまいます。口ゴボを治すことで口元の印象を変え、さまざまな体へのリスクを軽減できるでしょう。

インビザラインは目立ちにくいマウスピースで、痛みを抑えて治療できます。また、インビザラインは、マウスピース矯正の中でも珍しく、抜歯が必要な歯並びも治療の対象としています。歯並びの状態によってはワイヤー矯正をすすめられることもありますが、抜歯が必要な口ゴボの治療はインビザラインで治療できることが多いでしょう。

口ゴボでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。

白い背景の前でマウスピースを装着しようとしている女性

インビザライン治療で親知らずの抜歯は必要?抜歯のメリットや必要なケースについて解説!

2023年2月28日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

インビザライン治療とは、矯正治療の一種で、マウスピースの形をした矯正装置を決められた期間ごとに装着していきながら、歯並びを整えていく方法です。歯並びが凸凹している場合、歯が並ぶためのスペースが不足しているため、矯正治療では抜歯をする場合があります。

今回は、インビザライン治療をする場合、親知らずの抜歯が必要かどうかについて、さまざまなケースを例に解説していきます。

親知らずとは

歯のレントゲン写真を手に持っている

親知らずとは、前から8番目にあたる歯で、20歳前後に生えてくることが多い歯です。生えてくる年齢から「親が知らない間に生えてくる」ということで「親知らず」と呼ばれるようになりました。「第三大臼歯」「智歯(ちし)」とも言います。

親知らずの有無は人それぞれです。1本もない場合もあれば、2〜3本ある場合、4本すべてある場合もあります。また、親知らずがあっても、顎の骨の中に埋まっている場合、半分だけ萌出している場合などもあります。

親知らずは必ず抜歯したほうがいいの?

抜歯した歯をピンセットで持っている

矯正治療とは別に考えた場合、親知らずは必ずしも抜歯しなければいないわけではありません。例えば、しっかりと真っ直ぐ生えていて、上下の親知らずが噛み合って機能している場合は抜歯する必要はありません。

しかし、親知らずは生えてくるスペースが足りないなどの理由で、斜めに生えてきたり、半分だけ生えてくる場合があり、汚れが溜まりやすいトラブルを起こしがちです。炎症を繰り返すような場合は、積極的に抜歯を検討したほうがよいでしょう。

また、虫歯や歯周病になっても、治療器具が十分に届かないなどの理由で、しっかりと治療ができない場合があります。そのような場合も、抜歯を検討したほうよいことがあります。

インビザライン治療で親知らずを抜歯するメリット

黒いシャツを着た人の手のひらに青く光るプラスマークがある

親知らずがあると歯を後方に移動するのが難しいため、矯正治療の邪魔になることが多くなります。矯正治療中の親知らずの抜歯は、基本的にメリットが多いといえます。

インビザライン治療で親知らずを抜歯するメリットは、次の3つです。

・歯を動かすスペースが増え、歯がきれいに並びやすくなる

・矯正後、歯並びのよい状態を維持しやすくなる

・虫歯になり矯正が中断するリスクを減らせる

インビザライン治療中に、歯をスムーズに動かすだけでなく、治療後の歯並びを維持しやすくなるのもメリットの一つです。抜歯をせずに歯並びを整えたとしても、親知らずが残ったままだと、横の歯を押してしまうため、歯並びが後戻りしやすい傾向になるといえます。

インビザライン治療で親知らずを抜歯するデメリット

水色の背景の前でノートパソコンを片手に持ち。悩んでいる女性

歯並びを整えるのに、親知らずは邪魔になることが多く、抜歯するのに大きなデメリットはありません。

ただし「親知らずの抜歯」自体が外科処置のため、多少のリスクが伴います。リスクに対してしっかり納得してから施術を受けるようにしましょう。

親知らずの抜歯におけるリスク

親知らずの抜歯におけるリスクは、以下の5つです。

・術後に腫れや痛みが起こることがある

・顔に内出血が起こることがある

・うまく蓋ができないと、ドライソケットと呼ばれる顎骨が露出し感染を起こした状態になり、痛みが長引くことがある

・下の親知らずの場合、術後に顎が開けづらくなることがある

・下の顎の骨の中を通り太い神経を傷つけてしまうと、術後に麻痺が起こる可能性がある

このように、親知らずの抜歯自体にリスクがあります。

ただし、すべての治療にはリスクが必ずあるものです。事前にしっかりと説明を受けて、納得したうえで治療を受けるようにしましょう。例えば、リスクが高いと歯科医師が判断した場合には、より安全に施術をするため、総合病院などにある口腔外科での抜歯を勧める場合もあります。このような場合は、リスクを減らすためにも口腔外科で抜歯をしたほうがよいでしょう。

インビザライン治療で親知らずの抜歯が必要なケース

横の歯に倒れて生えている親知らず

これまで説明してきたように、スムーズにきれいな歯並びを作っていくためには、親知らずは抜歯をしたほうがよいと判断されることが多いです。歯並びの凸凹が大きい場合には、親知らずを抜歯したほうがスムーズに矯正治療が進むでしょう。特に次のような場合は、親知らずの存在が歯並びやお口の中全体にとって悪影響を与えている可能性があるため、積極的に抜歯を検討したほうがよいでしょう。

インビザライン治療で親知らずの抜歯が必要なケースは、以下の4つです。

・ほかの歯を圧迫している場合

・噛み合わせに悪影響を与えている場合

・虫歯になっている場合

・痛みや腫れが繰り返し起こる場合

ほかの歯を押したり圧迫していたり、噛み合わせに悪影響を与えている場合は、直接的に親知らずが歯並びに影響を与えていると考えられます。抜歯をしてからインビザライン治療を進めたほうがよいでしょう。

また、虫歯になっている場合や、痛みや腫れを繰り返している場合は、今後も親知らずによるとトラブルが続くことが考えられます。せっかく矯正治療をしても虫歯や歯周病でボロボロになってしまっては意味がなく、親知らず以外の歯の健康にも悪影響を及ぼします。早めに抜歯を検討するのがよいでしょう。

インビザライン治療で親知らずの抜歯が不要なケース

横から撮影された歯のレントゲン写真

インビザライン治療で親知らずの抜歯が不要なケースは、以下の3つです。

・奥歯を後方に動かす必要がない歯並び

・IPRで対応できる歯並び

・親知らずの根っこができていない場合

それぞれについて詳しく解説していきます。

奥歯を後方に動かす必要がない歯並び

親知らずが生えていると、奥歯を後方に動かすことが難しくなります。

奥歯を後方に動かす必要がなく、親知らずが真っ直ぐ生えていてトラブルのもとになっていない場合には、親知らずを抜歯する必要はありません。

IPRで対応できる歯並び

IPRとは、ディスキングといわれる施術方法で、隣り合う歯との接触面を削って、歯と歯の間にすき間を作る処置です。エナメル質のみを削るため、しみたりすることはありません。

歯並びの凸凹の程度がIPRで対応できるのであれば、無理に抜歯をする必要はありません。

親知らずの根っこができていない場合

親知らずの根っこができておらず、埋まったままの状態の方もいるでしょう。このような場合は、抜歯をせずにそのまま治療を進めてしまうことがあります。

今後、悪影響を及ぼす可能性があるかを考慮したうえで、抜歯が必要かどうかを判断します。

インビザライン治療で親知らずを抜歯するタイミング

黄色い背景の前に置かれた目覚まし時計

インビザライン治療を始める前に、親知らずは抜歯したほうがよいです。親知らずがあると、ほかの歯がうまく動かなくなってしまう原因になります。マウスピースで本格的に歯を動かす前に、すべての親知らずの抜歯を済ませるのがベストです。そのため、親知らずが生えている場合は、インビザライン治療の開始時期が少し遅れてしまうことがあります。

親知らず以外のほかの歯の場合は、矯正治療を少し進めたあとに行ったほうがよいケースもあるため、すべての歯に当てはまるわけではないということを頭に入れておきましょう。

まとめ

歯科医院で治療を受ける女性

「抜歯」と聞くと、怖いイメージをもってしまい「なるべく避けたい」と考える方も多いでしょう。

しかし、矯正治療の場合は、スムーズに歯並びを整えるために抜歯が必要になることがあります。特に、インビザライン治療をする場合には、親知らずがあると歯が動くのに邪魔になってしまうことが多いため、抜歯をするメリットが大きいといってよいでしょう。「抜歯」に対する不安がある場合は、歯科医師とよく相談のうえ、歯並びを整えるためにベストな方法を選択するようにしましょう。

インビザライン治療に少しでも興味がございましたら、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にお気軽にご相談ください。

水色の背景の前にマウスピースが置かれている

インビザラインとワイヤー矯正を併用した治療について詳しく解説!

2023年2月27日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

インビザラインは、透明のマウスピースを使って歯を動かすため、矯正中に目立つことがない、審美面に優れた矯正法です。技術の改良により適応できる症例が増えていますが、一部の症例には適していない場合があります。インビザラインだけでは治療が難しい場合、ワイヤー矯正で補うことで、より幅広い症例に対応できます。

本記事では、インビザラインとワイヤー矯正を併用するメリットや注意点についてご紹介します。治療を始めてから後悔しないためにも、矯正を検討している方は参考にしてください。

インビザラインだけでは治療が難しい症例

白いテーブルの上に書類、ノートパソコン、歯の治療器具が置かれており、その前に歯の模型を手に持った歯科医師が座っている

ワイヤー矯正ではほとんどの歯並びの問題に対応できますが、インビザラインには苦手な動きがあるため、すべての症例に対応できるわけではありません。

インビザラインだけでは治療が難しい症例は、以下の5つです。

・歯の高さが足りない

・歯が歯茎から出ている範囲が狭い

・歯のガタガタが強い

・歯のねじれが大きい

・抜歯したスペースが広く空いている

それぞれの症例について詳しく解説します。

歯の高さが足りない

インビザラインは、歯を引っ張る動きが得意ではありません。歯の高さが足りない場合、マウスピースで歯を固定して引っ張りますが、マウスピースを持ち上げると、マウスピースと歯の間にすき間ができてしまい、効果的に引っ張ることができません。また、抜歯後に歯を動かすことで、歯の高さが足りなくなるケースもあります。

例えば、抜歯をして空いたスペースに歯を移動させる際に、マウスピースで力を加えると歯が内側に倒れやすくなります。歯が内側に倒れると歯の高さが低くなり、上下の歯がうまく噛み合わなくなるため、歯を引っ張り上げる必要があります。

歯を引っ張り上げる動きは、インビザラインよりワイヤー矯正のほうが得意としています。ワイヤー矯正でインビザラインの欠点を補うことで、よりスムーズに矯正を進められます。

歯が歯茎から出ている範囲が狭い

マウスピースをはめて歯を動かす場合、マウスピースで歯をつかんで力を加えます。歯が出ている面積が少ない場合、マウスピースが歯をつかみにくく、力が弱くなる傾向があります。特に奥歯は、頭の部分が半分ほど埋まっている方が多いため、マウスピースで保持するのが難しくなります。太めの棒を手でつかんで引っ張り上げるのが難しいのと同じ原理です。

一方、ワイヤー矯正ではブラケットを歯に取り付けることさえできれば、自由に歯を引っ張り上げることができます。

歯のガタガタが強い

歯列から歯が大きく飛び出している「転位歯」も、インビザラインで動かすのが難しい症例です。

歯のずれが大きいと、マウスピースと歯がぴったりとフィットせず、歯に適切な力を加えられません。歯にアタッチメントとよばれる突起を付けて、マウスピースを歯にフィットさせる方法もあります。アタッチメントを使用しても歯に力が加わりにくい場合は、ワイヤー矯正を併用することで歯を動かすことが可能になります。

歯のねじれが大きい

歯がねじれていると、マウスピースが歯にぴったりと合わず、マウスピースと歯の間にすき間ができてしまいます。すき間があると、マウスピースで歯をつかんで回転させようとしても、すべって力がうまく伝わらず、回転しにくい場合があります。

抜歯したスペースが広く空いている

インビザラインは、マウスピースを使って歯を少しずつ移動させるため、歯の移動距離が長いと時間がかかります。また、歯の頭の部分にだけ力が加わり、歯が傾く場合があります。

ワイヤー矯正は歯に強い力を加えることができるため、歯全体を平行に移動できます。場合によっては、矯正用アンカースクリューや顎間ゴムなどの補助装置を使うことがあります。

インビザラインとワイヤー矯正を併用するメリット

指先にスマイリーが描かれた8本の指からカラフルな吹き出しが出ている

インビザラインが苦手とする動きをワイヤー矯正で補助することで、効率よく歯を移動でき、そのあとインビザラインに切り替えれば、できる限り目立たない矯正が可能になります。

インビザラインとワイヤー矯正を併用するメリットは、以下の3つです。

・奥歯が前に倒れるのを防げる

・矯正期間を短縮できる

・適応できる症例範囲が広くなる

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

奥歯が前に倒れるのを防げる

前歯が突出した出っ歯のような歯並びでは、主に4・5番目の歯を抜歯します。抜歯したスペースに前歯を下げて歯並びを整えますが、マウスピースで歯に力を加えると奥歯にも力が加わり、前方に傾斜します。

ワイヤー矯正を併用することで、奥歯が前に倒れないように保持できるのです。

矯正期間を短縮できる

インビザラインは、歯の面積が狭いとマウスピースが歯をしっかりつかめず、歯の移動に時間がかかります。一方、ワイヤー矯正では、歯の面積が狭くてもブラケットを装着できれば、自由に歯を引っ張ることができます。ワイヤーで歯を引っ張り、歯の出ている面積が増えると、マウスピースで歯をつかめるため、歯を動かすことが可能です。

ワイヤー矯正を用いることで矯正期間が短縮できるのは、患者様にとっても大きなメリットといえるでしょう。

適応できる症例範囲が広くなる

インビザラインではできない動きをワイヤー矯正で補助することで、難症例にも適応できます。

例えば、抜歯のあと、歯を大きく動かす時期にワイヤー矯正を行います。ある程度歯列が整ったあとに、インビザラインに変更すれば、目立つワイヤー装置から早く解放されて、ストレスを軽減できるでしょう。ワイヤー矯正の特性を利用することで、矯正効果が高まります。

インビザラインとワイヤー矯正の併用が向いている方

右手にワイヤー矯正装置が付いた歯の模型、左手にマウスピースを持っているブロンズヘアの女性

歯並びの症状が軽度の場合はインビザラインのみで矯正できますが、歯のずれが大きいとインビザラインで歯を動かすのが難しいことがあります。インビザラインが不得意とする歯並びを、ワイヤー矯正でカバーすることで両方のメリットを活かせます。

インビザラインとワイヤー矯正の併用が向いている方は、以下のとおりです。

・歯列不正が重度の方

・前歯が前方に大きく出ている方

・噛み合わせがずれている方

・矯正を早く終わらせたい方

それぞれについて詳しく解説します。

歯列不正が重度の方

インビザラインは複雑な動きが苦手です。大きく歯がねじれた歯並びや、歯の傾きが強い歯並びは、マウスピースだけでは治せない場合があります。

インビザライン矯正は、最終的なきれいな歯並びをシミュレーションして、少しずつ歯を動かすようにマウスピースを製作します。歯を動かす量が多いと少しずつ計画がずれて、うまく矯正が進まないなどのトラブルが起こる可能性があります。その場合、ワイヤー矯正でリカバリーすることで、もとの計画へ戻すことができます。

前歯が前方に大きく出ている方

前方に大きく出ている前歯を後方に移動させるためには、マウスピースだけでは矯正できない場合があります。その場合、抜歯をしたり、ワイヤー矯正で強い力を加えたりすることで、スムーズに歯を後方に移動できます。

ただし、上顎自体が前に出ている場合は矯正だけでは限界があるため、外科手術が必要な場合があります。矯正歯科では、矯正で改善できる範囲を事前に予測できるため、不安な方は歯科医院で相談しましょう。

噛み合わせがずれている方

左右の噛み合わせが大きくずれている場合、インビザラインだけでは正しい噛み合わせに治せないことがあります。噛んだときに奥歯が当たらない場合には、歯を引っ張り上げる必要があるでしょう。

インビザラインが苦手とする歯を引っ張る動きをワイヤー矯正でリカバリーすることで、効率よく歯を動かせます。

矯正を早く終わらせたい方

歯を大きく移動する場合には、インビザラインよりワイヤー矯正のほうが短い期間で歯を動かせます。ワイヤーに抵抗感がある方は、インビザラインでゆっくり動かすこともできます。

ただし、矯正期間が長くなるほど虫歯や骨吸収のリスクが高まるため、できるだけ短い期間で矯正を終えることが望ましいでしょう。

ワイヤー矯正は、装置が目立つ点がデメリットです。ワイヤー矯正の中には歯の裏側に付ける装置もあるため、歯科医師に相談してみましょう。

インビザラインとワイヤー矯正を併用する際の注意点

黄色い背景の前に手に持たれたメガホンがある

ワイヤー矯正は、インビザラインとは異なり自由に取り外すことができません。インビザライン矯正中にワイヤー矯正を併用することになった場合、ワイヤー矯正についての知識がないと不都合が生じる可能性があります。ここでは、インビザラインとワイヤー矯正を併用する際に知っておくべき注意点をご紹介します。

インビザラインとワイヤー矯正を併用する際の注意点は、以下の5つです。

・マウスピースを切るなど、装置が当たらないように調整する必要がある

・金属アレルギーのある方は注意が必要である

・インビザラインとワイヤー矯正の両方に経験豊富な歯科医院を選ぶ

・治療費が高くなることがある

・ワイヤー矯正は装置が目立つ

それぞれについて詳しく解説します。

マウスピースを切るなど、装置が当たらないように調整する必要がある

インビザラインとワイヤー矯正を併用する場合、歯にブラケットワイヤーを付けてマウスピースを装着する必要があります。マウスピースとワイヤーが重なるため、マウスピースの一部を切らなければならない場合があります。歯科医院でマウスピースを切ることもできますが、患者様自身で切らなければならないこともあります。

マウスピースの調整や正しいマウスピースの取り外しには、患者様の協力が必要です。

金属アレルギーのある方は注意が必要

金属アレルギーのある方は、使用する矯正ワイヤーが原因でアレルギー反応を引き起こす可能性があるため、事前に歯科医師に相談して、安全な素材を選ぶことが重要です。

新しい素材である白いワイヤーやセラミックブラケットなど選択肢があるため、歯科医師に相談してから選びましょう。

インビザラインとワイヤー矯正の両方に経験豊富な歯科医院を選ぶ

インビザラインはマウスピースを外注して作るため、矯正の知識や経験が少ない歯科医師が矯正治療を行っていることがあります。インビザライン矯正中に歯が動かないなどのトラブルが起こった場合、ワイヤー矯正やほかの装置を使うなどの対処が必要になります。ワイヤー矯正の経験が少ないと対処できないため、経験豊富な歯科医院を選ぶことが重要です。

インビザラインを取り扱っているすべての歯科医院がワイヤー矯正の経験豊富であるとは限りません。過去の症例数やご自身と似たような歯並びの治療実績があるかを調べて、歯科医院を見極めましょう。

治療費が高くなることがある

インビザラインで歯並びを矯正中にワイヤー矯正を併用する場合、治療費が追加されるかどうかは歯科医院によって異なります。追加で治療費がかからない場合もあれば、ワイヤーやブラケットの材料費が必要な場合もあります。

治療費は高額なため、治療途中で費用の負担に困らないためにも、事前に歯科医院で確認することをおすすめします。

ワイヤー矯正装置が目立つ

インビザラインを希望する方は、一般的なワイヤー矯正と比べて、装置が目立たないことを主なメリットとして考えています。インビザラインを選んだけれど、途中でワイヤー矯正を併用することが必要になった場合、不満に感じるかもしれません。

矯正治療を始める前に、マウスピース以外にもフックや顎間ゴムなどの装置が必要かどうかを確認することが大切です。ワイヤー矯正には、歯の裏側にワイヤーを付けたり、白いワイヤーや白いブラケットを使用したりするなど、目立たない方法もあります。

ただし、歯科医院によって取り扱うメーカーが異なるため、外見に気を配る方は治療を始める前に確認することをおすすめします。

まとめ

タブレットを使って説明をする男性歯科医師と、歯科の椅子に座って話を聞く女性患者

インビザラインとワイヤー矯正は、それぞれに得意・不得意があります。2つを組み合わせることで、より美しい歯並びに短期間で仕上げることができます。インビザラインとワイヤー矯正を併用するためには、どちらにも優れた治療実績のある歯科医院を選ばなければいけません。歯科医院のホームページを確認するだけでなく、一度歯科医院に出向いて相談に行くことをおすすめします。実際に話を聞き、歯科医院の雰囲気を確かめることで、長く通院できるかどうかを判断する材料にもなります。カウンセリングを受けて、ご自身の歯並びに適した矯正法を選択しましょう。

インビザラインに少しでも興味がございましたら、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にお気軽にご相談ください。

マウスピースを装着しようとしている女性の口元

マウスピース矯正で八重歯は治せる?八重歯を放置するリスクや治療費・期間についても解説!

2023年2月16日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

以前は、矯正といえばワイヤー矯正一択でしたが、最近ではマウスピース矯正を取り扱う歯科医院が増えています。八重歯が気になるけれど、ワイヤーの見た目に抵抗があり諦めていた方も多いでしょう。

この記事では、八重歯をマウスピース矯正で治す方法や治療期間、費用について解説します。八重歯を矯正することで、お顔全体が清潔かつ華やかな印象になります。

<この記事を読めばわかること>

・マウスピース矯正で可能な八重歯の治療法

・八重歯を放置するリスク

・マウス ピース矯正のメリット、注意点

・マウス ピース矯正の治療費、かかる期間

「写真を撮るときにステキな笑顔を残したい」「マウスピース矯正が気になるけれど不安」という方は、ぜひ参考にしてください。

八重歯とは

指で唇を押し上げ、歯茎を出している女性

八重歯とは、犬歯(3番目の歯)が横の歯に重なって花のように見える状態をいいます。犬歯は糸切り歯ともよばれます。

日本では「笑うと歯が見えてかわいい」といわれていますが、海外では好まれない傾向にあるのも事実です。

八重歯の原因

黄色い背景の前に歯の模型と治療器具が置かれている

八重歯は、歯の大きさに対して生えるスペースが足りないことが原因で起こります。

顎が小さく、歯が生えるスペースがない

顎が小さく歯が生えるスペースがないと、犬歯が外側にずれて生えてきます。八重歯(犬歯)は、前歯や奥歯より遅れて生えるため、スペースがないと横の歯に押し出されます。また、生え変わりの時期に乳歯が早く抜けて、横の歯が傾き、スペースがなくなるケースもあります。

歯のサイズが大きい

歯の大きさには個人差があります。顎のサイズは正常であっても、歯のサイズが大きいと歯列スペースに入らず、ずれて生えてきます。

八重歯を放置することのリスク

紫背景の前に黄色い服を着た女性が口元を押さえて立っている

八重歯は、単に見た目だけの問題ではありません。八重歯を放置しておくと、虫歯や歯周病のリスク、お口全体にトラブルが発生する可能性があります。

八重歯を放置することのリスクは、主に以下の3つです。

・歯間の虫歯になりやすい

・歯周病になる恐れがある

・噛み合わせが悪く奥歯に負担がかかる

それぞれ詳しく解説します。

歯間の虫歯になりやすい

八重歯が横の歯と重なると、プラークがたまりやすくなり虫歯のリスクが高まります。

デンタルフロスや歯間ブラシが入らなければ、両隣の歯に虫歯が広がる恐れがあります。八重歯の周囲の虫歯を防ぐには、ブラッシングに時間をかけなければいけません。

歯周病になる恐れがある

歯が重なると、歯の根っこが接近し、歯を支えている周囲の骨が減ってしまいます。「歯を支える骨が少ない」「磨きにくく汚れがたまる」などの理由によって、歯周病のリスクが高まります。

また、八重歯があることで口が開いた状態が続き、口内が乾燥すると歯周病菌が増殖します。

噛み合わせが悪く奥歯に負担がかかる

人は、噛んで食べ物をすり潰すとき、犬歯を機能させて奥歯の噛み合わせの負担を減らしています(犬歯誘導)。

八重歯があると犬歯が当たらないため、犬歯誘導ができず、奥歯に負担がかかった状態が続きます。日々の負担が積もることで、将来、奥歯が割れるなどトラブルが起こるリスクが高まります。また、噛み合わせがずれた状態で過ごすと、顔や顎の歪みが生じるかもしれません。

マウスピース矯正で八重歯は治せる?

グレーのテーブルの上にマウスピースが置かれている

マウスピース矯正はワイヤー矯正と同様、八重歯の治療に対応しています。

マウスピース矯正で治せる歯並び

マウスピース矯正で治せる歯並びは、以下のとおりです。

・八重歯などの叢生(歯が重なる、ガタガタの状態)

・上顎前突(出っ歯)

・下顎前突(受け口)

・すき間が多い歯並び

しかし、重度の叢生や骨格に問題があると、マウスピース矯正の治療対象外になるケースもあります。

マウスピース矯正で八重歯を治せないケース

八重歯の向きや突出具合によっては、マウスピース矯正で治せないことがあります。

マウスピース矯正で八重歯を治せないケースは、以下の3つです。

・八重歯以外の歯のずれが大きい

・骨格に問題がある

・噛み合わせが深い

同じ八重歯でも、ずれが大きい場合や過蓋咬合といわれる噛み合わせが深い場合は、マウスピース矯正で治せないケースがあります。

次に、八重歯の治療法と治療時の抜歯の有無について説明します。

八重歯の治療法

レントゲン写真を使って説明をする歯科医師と、説明を聞く患者

八重歯の治療法は、以下の4つです。

歯を後方に移動させてスペースを確保する(非抜歯の場合)

奥歯を後方に移動させてスペースを確保し、八重歯を正しいスペースに戻す治療法です。

顎の幅を広げて八重歯のスペースを確保する(非抜歯の場合)

上顎は横に広げやすいため、顎を横に広げることで八重歯の入るスペースを確保します。八重歯の角度やねじれ具合によっては、マウスピース以外の装置を使用する場合があります。

歯の側面を削り歯列内に収める(非抜歯の場合)

軽度の叢生であれば、歯の側面を削り、八重歯をスペースに収める治療で対応が可能です。

歯を削ると聞いて心配になる方がいるかもしれませんが、影響がない程度に削るため問題はありません。表面のエナメル質をごくわずかに削り、上の歯全体で八重歯1本分のスペースを確保するイメージです。

抜歯をしてスペースを確保する

顎が極端に狭く、八重歯以外に歯にずれが生じていれば、抜歯をするケースがあります。抜歯をしたあとに、上記3つの治療法を組み合わせて矯正します。

抜歯をするケースでも、基本的に八重歯を抜くことはありません。なぜなら、犬歯は根っこが大きく生涯にわたり残せる可能性が高いからです。八重歯が邪魔だからといって抜いてしまうと、噛み合わせが崩れる恐れがあります。多くの場合、抜歯は4〜5番目の歯を抜きます。

抜歯を懸念する気持ちがある方もいらっしゃるかもしれませんが、抜かずに無理に歯を動かすと、骨の吸収が早まる恐れがあります。抜歯については、歯科医師に相談し、納得したうえで進めましょう。

マウスピース矯正とワイヤー矯正を併用する

マウスピース矯正だけで対応できない場合は、部分的にワイヤーを使用することがあります。

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と併用することで対応できる症例の範囲が広がります。ワイヤー矯正で部分治療する範囲は、それぞれの歯科医師の判断によります。ワイヤー矯正の技術が乏しい歯科医院では、マウスピース矯正とワイヤー矯正を併用できないことがあります。歯科医院を選ぶときは、経験が多い歯科医院であるか適切に判断しましょう。

マウスピース矯正で八重歯を治すメリット

青い白衣を着た歯科衛生士が片手に治療木後を持っている

八重歯を治したいと思ったとき、マウスピース矯正とワイヤー矯正のどちらにするか迷う方もいるでしょう。両方を比較しながら、メリットについて解説します。

装置が目立たない

マウスピース矯正の最大のメリットは、装置が目立たないことです。

矯正は長期にわたるため、見た目が気に入らないと日々ストレスを感じ続けることになります。社会人の場合、写真撮影や接客など、見た目が気になるシーンは日常に溢れています。マウスピース矯正は見た目がほとんど変わらないため、外見によるストレスは少ないでしょう。

取り外しが可能である

マウスピースは、好きなタイミングで取り外せます。ワイヤー矯正では、ワイヤーに引っかかる食べ物や色のつくカレーを避けるなど、食事にも気を遣います。その点、マウスピース矯正は取り外して食べられるため、気にする必要がありません。

ただし、長時間取り外すとマウスピースが入らなくなる恐れがあるため、着け忘れには注意しましょう。

しっかり磨ける

ワイヤー矯正は、歯ブラシが届かない装置のすき間に汚れがたまるため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。汚れを取るために、歯間ブラシやタフトブラシを使い、手入れに時間をかけなければいけません。マウスピースは歯を磨くときに取り外せるため、隅々までしっかり磨けます。

ただし、マウスピースは常に歯を覆っているため、唾液が循環しにくくなります。糖度が高いジュースは、マウスピースを取り外して飲むか、飲んだあとにうがいをするように心がけましょう。

痛みが少ない

ワイヤー矯正は、ワイヤーが粘膜に刺さったり金属が舌に当たったりするなど、口内が傷つくことがあります。

しかし、マウスピース矯正であれば、口内を傷つけるリスクはほとんどありません。ワイヤー治療のように歯を引っ張って動かすのではなく、マウスピース全体に力が分散されるため、痛みも少ないといわれています。

治療後のシミュレーションができる

マウスピース矯正は、治療前にスキャナー装置でシミュレーションし、マウスピースを製作します。

矯正終了後の状態を事前に確認できるため、モチベーションが上がり、安心感につながるでしょう。

通院間隔を長く空けられる

ワイヤー矯正は1か月おきの通院が必要ですが、マウスピース矯正は問題がなければ、2〜3か月に通院間隔を空けることが可能です。

受診回数が少ないため、留学や出産など通院が難しい場合にも融通がききます。

楽器やスポーツも安心できる

ワイヤーを装着していると、楽器を吹きにくい場合があります。激しいスポーツでは、ぶつかるとワイヤーが唇にあたりケガをするかもしれません。

マウスピース矯正ではそのような心配がないため、部活動に励む学生の方でも安心して治療が可能です。

金属アレルギーの心配ない

マウスピース矯正は金属を使用しないため、金属アレルギーの方でも安心して治療が可能です。

マウスピース矯正における注意点

暗闇の中にスポットライトで照らされたびっくりマークが置かれており、後ろにクエスチョンマークが複数置かれている

マウスピース矯正には多くの魅力がありますが、注意しなければならない部分もあります。

長時間装着する必要がある

マウスピースは好きなタイミングで取り外せますが、基本的には常に装着する必要があります。就寝時はもちろんのこと、短くても1日20~22時間は装着しなければいけません。

マウスピースを装着できない状態が続くと、修正が効かなくなる恐れがあります。マウスピースがはまりにくいなどトラブルが起こったら、早めに受診しましょう。

治療効果に本人の意志が関わる

取り外しが可能なマウスピースは、装着時間により治療の進行に差が出ます。食事後は洗ってすぐに着ける、寝る前に着け忘れないなど、ご自身が意識して行動しなければなりません。

マウスピースをまとめて受け取るときは、紛失や破損しないように丁寧に保管しましょう。

歯科医師の技術によって結果が左右される

マウスピース矯正は、矯正に熟知していない歯科医院でも治療できるからこそ、信頼できるところで治療することが重要です。

歯科医師の経験によって対応できる症例の範囲が異なります。金額のみで判断して治療を始めてしまうと、理想の状態から遠ざかり修正ができなくなるかもしれません。初回のカウンセリングで、今までの症例を見せてもらうなど、歯科医師任せにせず情報を集めるようにしましょう。

矯正後に保定装置の着用が必要である

矯正をして動かしたあとでも、歯は元の位置に戻ろうとする習性があります。そのため、ワイヤー矯正と同様、後戻りを防ぐために保定装置を使用しなければなりません。

治療後も装置の着用が必要であることを理解しておきましょう。

マウスピース矯正で八重歯を治療する場合にかかる期間・費用

カレンダーと白い電卓が置かれている

マウスピース矯正は何年かかるのか、費用はいくらかかるのか気になる方も多いでしょう。結論をいうと、治療にかかる期間・金額は歯科医院によって異なります。マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と同じく保険適用外のため、治療費は高額です。費用や治療計画を比較するためにも、いくつかの歯科医院で相談することをおすすめします。

マウスピース矯正の一般的な治療期間・費用の目安を以下にまとめてみました。

<マウスピース矯正で八重歯を治療する場合にかかる期間・費用>

矯正の範囲 部分矯正 全体の矯正
金額 200,000〜500,000円程度 800,000〜1,200,000円程度
期間 4か月~1年程度 1〜3年程度

ワイヤー矯正と同様、マウスピース矯正は医療費控除の対象です。

また、治療費の支払い方法は多くの歯科医院で分割払いができます。

マウスピース矯正で八重歯を治せない場合の治療法

青い背景の前でワイヤー矯正の装置付きの歯の模型を持っている

マウスピース矯正で八重歯を治せない場合はどうしたらいいのでしょうか。ここからは、マウスピース矯正で八重歯を治せない場合の治療法について解説していきます。

拡大装置で顎を広げる

拡大装置を使えば、顎を一気に広げることが可能です。そのため、マウスピース矯正に比べてかかる期間が短くて済みます。マウスピース矯正やワイヤー矯正と併用することもよくあります。

表側のワイヤー矯正

歯の表面にブラケットを付けて、そこにワイヤーを通して歯を動かします。金属ワイヤーのイメージが強いですが、白いブラケットや白いワイヤーのような目立ちにくい装置もあります。

裏側のワイヤー矯正

歯の裏側にブラケットを付けるワイヤー矯正です。装置が目立ちにくいメリットがありますが、表側のワイヤー矯正よりも時間がかかるのがデメリットです。

まとめ

男性歯科医師に治療を受ける女性が左手でグッドサインを出している

今回は、マウスピースを使った八重歯の治療について、期間やリスクを含めて解説しました。八重歯が治るだけでお顔全体が整って見えます。写真で見比べれば、笑顔の印象はずいぶん変わるでしょう。マウスピース矯正を取り扱う歯科医院は年々増えており、日本での症例数も増加しています。一度、歯科医院でカウンセリングを受けるとイメージがしやすくなるでしょう。治療を開始してから後悔しないように、歯科医院を選ぶときは症例数や費用を比較し、納得したうえで進めてください。

マウスピース矯正でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。