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矯正治療中の発音への影響は?滑舌が悪くなるって本当?

矯正治療中の発音への影響は?滑舌が悪くなるって本当?

2024年10月11日

こんにちは!大阪府八尾市の歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。歯の事やそれに関連する様々な疑問に勝手に答えていく「もりかわ歯科の勝手に解説!ブログ」です!

「矯正治療に興味があるけど発音が悪くなったらどうしよう…」
「滑舌が悪くなると仕事や人間関係に影響が出そうで不安…」

そんな不安を感じていませんか?
矯正治療は美しい歯並びを手に入れるだけでなく、噛み合わせや顔のバランスを整えるなど、様々なメリットがあります。それでも治療中の発音への影響や口元の突出感(いわゆる「口ゴボ(くちごぼ)」)が気になる方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、矯正治療と発音・滑舌の関係、そして口ゴボについて、皆さんの疑問や不安を解消していきます。具体的な症例や改善方法もご紹介しますので、ぜひ最後まで読んで矯正治療への一歩を踏み出す参考にしてくださいね。

歯並びと発音・滑舌:切っても切れない関係

歯並びは私たちの滑舌や発音に大きな影響を与えます。歯は舌や唇とともに、言葉を話す上で重要な役割を果たしています。私たちが言葉を話す時、舌や唇を歯に当てたり歯と歯の間に息を通したりすることで、様々な音を正確に作り出しています。

歯並びが悪いと舌や唇の動きが制限されてしまい、特定の音を発音しづらくなることがあります。以下のような歯並びの方はそれぞれ特徴的な発音の癖が出やすい傾向があります。

出っ歯

歯並び/出っ歯

上の前歯が前に出ている状態で、サ行やタ行の発音が不明瞭になりやすい傾向があります。これは発音時に前歯の隙間から空気が漏れてしまうためです。また、口元が前に出ている「口ゴボ」の状態を引き起こしやすく、見た目の印象だけでなく発音や口腔機能にも悪影響を及ぼす可能性があります。

受け口

歯並び/受け口

下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態で、パ行やマ行の発音がしづらいことがあります。これは下の歯が上の歯よりも前に出ているため、唇の動きが制限されるためです。また、顎関節への負担や噛み合わせの問題を引き起こす可能性があり、放置すると顎関節症や消化不良などの健康問題に発展することもあります。

開咬

歯並び/開咬

奥歯を噛み合わせた時に前歯が噛み合わない状態です。前歯で空気をしっかりと閉じることができないため、サ行やタ行、カ行などの発音がしづらいことがあります。さらに開咬は舌で前歯を押してしまう癖(舌突出癖)や口呼吸を誘発し、さらなる歯並びの悪化や口腔機能の問題を引き起こす可能性があります。舌突出癖は、舌で前歯を押すことで開咬をさらに悪化させたり、出っ歯の原因になることもあります。また、口呼吸は、口内環境を悪化させ、虫歯や歯周病、口臭の原因となるだけでなく、免疫力の低下やアレルギー症状の悪化にもつながることがあります。

口ゴボ(くちごぼ):その深刻な影響とは

口ゴボ(くちごぼ):その深刻な影響とは

「口ゴボ」とは「口元が出ている状態」を表す俗語で、医学的には「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」と呼ばれます。

口ゴボは上の前歯が前に出ていたり、上の顎の骨自体が前に出ていたり、上下の顎のバランスが悪かったりすることが原因で起こります。これらの原因が組み合わさり、口元が前に突き出ているように見える状態が「口ゴボ」です。

口ゴボは見た目の問題だけでなく、以下のような様々な健康面への影響も懸念されます。

口呼吸

口が閉じにくいため、鼻ではなく口で呼吸する習慣がつきやすいです。口呼吸は口内が乾燥しやすく、虫歯や歯周病、口臭の原因となるだけでなく、細菌やウイルスが直接体内に入りやすくなるため、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなることもあります。さらに、アレルギー症状が悪化したり睡眠の質が低下したり、顔の成長や発達に影響を与える可能性もあります。

咀嚼(そしゃく)機能の低下

前歯でうまく食べ物を噛み切ることが難しく、奥歯に過度な負担がかかりやすいです。食べ物をよく噛み砕けないことで消化不良を起こしやすくなり、胃腸への負担が増加します。さらに咀嚼回数が減ることで満腹中枢が刺激されにくくなり、過食や肥満につながる可能性もあります。

発音障害

特にサ行やタ行の発音が不明瞭になりやすいです。前歯が前に出ていることで舌が適切な位置に収まらず、空気が漏れてしまうためです。口ゴボにより唇の動きも制限されるため、他の音の発音にも影響が出る可能性があります。発音障害はコミュニケーションの妨げとなり、自信喪失や対人関係の構築にも悪影響を及ぼす可能性があります。

顎関節症

顎の関節に負担がかかり、痛みや clicking音(顎を動かした時に音が鳴る)、開口障害(口が開きにくい)などを引き起こすことがあります。顎関節症は、放置すると慢性化し、頭痛、肩こり、耳鳴り、めまいなどを引き起こすこともあり、日常生活に支障をきたすこともあります。

口内炎

口が閉じにくいため唇が乾燥しやすく、口内炎ができやすいです。口内炎は食事や会話の際に痛みを伴い、日常生活の質を低下させる可能性があります。口内炎を繰り返すことで、口腔粘膜の炎症が慢性化し、より重篤な疾患につながるリスクも考えられます。

いびき・睡眠時無呼吸症候群

気道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。重度の口ゴボの場合、睡眠時無呼吸症候群になるリスクも高まります。睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に呼吸が止まる病気で、高血圧、心臓病、脳卒中などのリスクを高めるだけでなく、日中の眠気や集中力低下、記憶力低下などを引き起こし、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。

悪い歯並びを放置するリスクと矯正の重要性

悪い歯並びを放置するリスクと矯正の重要性

歯並びが悪いまま放置すると様々な問題を引き起こす可能性があります。

見た目のコンプレックス

歯並びが気になることで笑顔に自信が持てなくなったり、消極的な性格になってしまうことがあります。これは自己肯定感の低下や、対人関係の構築にも影響を及ぼす可能性があります。特に思春期のお子様にとっては周囲からの視線が気になる時期であり、歯並びのコンプレックスがいじめや孤立の原因になってしまうケースも残念ながら存在します。さらに就職活動や恋愛など、人生の様々な場面で第一印象は非常に重要です。歯並びが悪いことで自信を失ってしまい本来の能力を発揮できなかったり、チャンスを逃してしまう可能性も否定できません。

健康面への影響

顎関節症

歯並びの悪さは顎関節に過度な負担をかけ、顎関節症を引き起こすリスクを高めます。顎関節症は顎の関節や周囲の筋肉に痛みや違和感、口が開きにくいなどの症状を引き起こします。そのまま放置しておくと頭痛、肩こり、耳鳴り、さらには全身の骨格の歪みにつながることもあります。

虫歯や歯周病

歯並びが悪いと歯ブラシが届きにくい場所が増え、歯磨きが困難になります。結果としてプラーク(歯垢)が溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが大幅に高まります。重度の虫歯や歯周病は歯を失うことにつながり、将来的にインプラントなどの高額な治療が必要になることもあります。

発音障害

歯並びが原因で発音が不明瞭な場合、コミュニケーションに支障をきたし自信喪失につながることがあります。これは、学業や仕事、人間関係など、様々な場面で悪影響を及ぼす可能性があります。特にプレゼンテーションや接客業など、人前で話す機会が多い職業では歯並びが原因でキャリアアップの妨げになることも考えられます。

その他

歯並びの悪さは呼吸や消化にも影響を及ぼすことがあります。口呼吸になりやすくなったり、食べ物をうまく噛み砕くことができずに消化不良を起こしやすくなったりすることもあります。また、口内炎ができやすくなるなど、口腔内の健康にも悪影響を与える可能性があります。これらの問題を放置すると慢性化し、日常生活の質を著しく低下させることもあります。

矯正治療で得られるもの:美しい歯並びの先にある未来

矯正治療は見た目の改善だけでなく、健康面や精神面にも良い影響を与えることができます。

健康面

噛み合わせ・顎関節の機能改善

噛み合わせが改善することで食べ物をしっかり噛み砕けるようになり、消化を助けます。また、顎関節への負担を軽減して顎関節症の予防や改善にもつながります。

虫歯・歯周病の予防

歯並びが整うことで歯磨きがしやすくなり、プラーク(歯垢)が溜まりにくくなります。結果として虫歯や歯周病のリスクを減らすことができます。

発音改善

歯並びが整うことで舌や唇の動きがスムーズになり、発音が明瞭になります。

呼吸・消化の改善

口ゴボが改善されれば鼻呼吸がしやすくなり、呼吸機能が向上します。また、食べ物をしっかり噛み砕けるようになることで消化もスムーズになります。

精神面

自信の向上

美しい歯並びはあなたの笑顔をさらに輝かせ、自信を与えてくれます。これまで歯並びが気になって思いきり笑えなかった方も、矯正治療後は自然と笑顔が増え、表情も明るくなるでしょう。

自分に自信を持つことは積極性や行動力にもつながります。新しいことにチャレンジしたり、人前に出ることを恐れない、そんなポジティブな自分に出会えるかもしれません。

コミュニケーション能力の向上

歯並びが整って発音が明瞭になることでコミュニケーションがスムーズになります。相手に自分の気持ちをしっかりと伝えられるようになり、誤解やトラブルも減るでしょう。

自信を持って話せるようになることで積極的にコミュニケーションを取れるようになり、人間関係の構築にも良い影響を与えます。

自己肯定感の向上

長年抱えていた歯並びのコンプレックスが解消されれば自分自身を肯定的に捉えられるようになり、自己肯定感が向上します。「自分はダメだ」と感じていた方も矯正治療を通して自分の価値を再認識し、前向きな気持ちで毎日を過ごせるようになるでしょう。

自己肯定感の向上は心の健康にもつながり、ストレスへの耐性や幸福感の向上にも貢献します。

矯正治療は単に歯並びを整えるだけではありません。それはあなた自身の内面を輝かせ、より豊かな人生を送るための第一歩となります。

まとめ「矯正治療で、自信あふれる笑顔と健康な毎日を!」

矯正治療中の発音への影響や口ゴボは、確かに気になる点かもしれません。しかし、矯正治療によって得られるメリットは、それらをはるかに上回ります。

美しい歯並びは、自信に満ちた笑顔と健康的な生活をもたらし、あなたの人生をより豊かに彩ってくれるでしょう。

もりかわ歯科ではインビザライン歯列矯正の無料相談を実施しています。歯並びや歯列矯正治療について、どんなことでもお気軽にご相談ください。

インビザライン専門ドクター 森川 康司(もりかわ こうじ)があなたの疑問や不安にお答えし、最適な治療プランをご提案いたします。

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医療法人甦歯会 マイデンタルクリニックもりかわ歯科

  • 住所:〒581-0803 大阪府八尾市光町2丁目3 アリオ八尾2F
  • 電話番号:072-922-8148
  • 診療時間:10:00~13:00 / 14:00~19:00(年中無休)
  • URL:https://yao-shika-morikawa.or.jp/

医療法人甦歯会 リノアス診療所もりかわ歯科

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インビザライン矯正症例ブログ 出っ歯②

2023年7月10日

インビザライン症例ブログ出っ歯2

こんにちは。大阪府八尾市にある歯医者医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。
今回は、「インビザライン矯正症例ブログ 出っ歯②」です。

今回、紹介する症例は40代女性の出っ歯の症例です。
メンテナンスで声掛けをした時に今まで気になってなかったけど言われてみると少し気になると言うことでご相談に来られました。

相談に来られてから歯並びが綺麗になるまでを経過を追って詳しく説明させて頂きます。

まず初めにインビザライン矯正とは

インビザライン(Invisalign)は、透明なプラスチック製のマウスピースを使用して歯列矯正を行う方法です。従来のブラケットやワイヤーを使用する矯正治療とは異なり、透明なアライナー(マウスピース)を使って歯の位置を調整します。

インビザライン矯正の最大の利点は、透明で目立たないため、外見的な影響が少ないことです。また、アライナーは取り外し可能であるため、食事や歯磨きの際には外すことができます。ただし、治療の効果を最大限に得るためには、アライナーを1日22時間装着することを推奨しております。

「出っ歯」の治療の流れ

インビザライン矯正前の状態(初診)

インビザライン矯正前の状態(初診)

相談に来られた時の状態です。
iTeroと言って3Dでお口の中を撮影する機器で全体をチェックしていきます。
患者さんがこの画像を見て自分の歯並びにびっくりされていました。
出っ歯なのも気になり、そしてこれからの歯の健康を考えてインビザライン治療をスタートすることになりました。
インビザライン矯正前の実際の写真
実際の状態はこちらです。
右上の前歯が飛び出ている状態でした。
治療計画としては
前歯の隙間を先に作り、そこから前歯の飛び出ているところにアプローチをかけていくような治療計画になりました。

インビザライン矯正 シミュレーション

インビザライン矯正 シミュレーション

大体、9ヶ月の変化です。
シミュレーションでは前歯の飛び出ていたのも解消することが出来ています。
マウスピースをどんどん形が変わることではめることより変化していきます。
大体、99枚のマウスピースを使うのですが当院は、マウスピースの交換頻度が3日に1回なので10ヶ月くらいで変化します。
実際のお口の中がどう変化するのかが一番大切です。
シミュレーションとお口の中を比べて見ましょう。

インビザライン矯正10ヶ月後

インビザライン矯正10ヶ月後

インビザライン矯正10ヶ月後です。
歯並びがたった10ヶ月でここまで綺麗になりました。
シミュレーションともしっかり一致しています。
患者さんからの声は
「最初は慣れなくて辛かったけど変化を家族や友人に言われるようになってインビザライン矯正を進めることが楽しみになっています。」と嬉しいお言葉を頂きました。

インビザライン矯正前と10ヶ月後の比較
インビザライン矯正前とインビザライン矯正10ヶ月後の実際の写真です。
こんなにも変化します。
脱マスクになるのでこの時期に自分の歯並びを見直して見ませんか?

いかがだったでしょうか?

今回は、「インビザライン矯正症例ブログ 出っ歯②」でした。
前歯の見栄えは笑顔の自信にも繋がります。
是非、歯並びの相談は無料なのでお越し下さい。
当院は、全国でも1%も獲得する事が出来ないダイヤモンドプロバイダーです。
インビザライン矯正にご興味ある方はこちらからお問合せ下さい。
来週の月曜日もインビザライン矯正症例ブログをお楽しみ下さい。
ダイヤモンドプロバイダーの森川康司

黒の背景の前に置かれた2つのマウスピース

マウスピース矯正とは?ほかの治療法との違いやメリット、費用について詳しく解説!

2023年2月21日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

近年、矯正治療を希望する人が増えています。厚生労働省が2020年に行った患者調査によると、矯正治療の初診者数は、2017年と比較して3.6倍にもなっています。また、男女別に見ると、男性患者は1.7倍、女性患者は4.8倍に増えています。矯正治療が年々人気になっていることがわかるでしょう。

参照元:「3年間で3.6倍と増加、最新の厚労省患者調査からわかる歯科矯正初診患者数」

そこで今回は、矯正治療の中でも特に人気のあるマウスピース矯正について説明したいと思います。

マウスピース矯正とほかの治療法の違い

右手に歯の治療器具を持ち、左手で左上を指差す女性

矯正治療には、大きく分けてワイヤー矯正とマウスピース矯正の2種類があります。これらの違いを以下にまとめてみました。

歯を動かす仕組み

ワイヤー矯正は、ブラケットという小さな矯正装置とワイヤーを歯に装着することで行う治療法で、ワイヤーの元に戻る力を利用して歯を動かします。

一方、マスウスピース矯正は、現在の歯並びから少しずれたマスウスピースを装着し、このずれにより生じる力を利用して歯を動かします。

適応症例の範囲

ワイヤー矯正は、歯を大きく動かすことができるため、広い範囲の歯並びを治療することができます。

一方、マウスピース矯正は、歯を大きく動かすことができないため、治療できる歯並びは限られています。

取り外しの有無

ワイヤー矯正では、歯に矯正装置を装着するため、矯正治療中は矯正装置を取り外すことができません。

一方で、マウスピース矯正はマウスピースを自由に取り外すことができます。

矯正中のトラブルの頻度

ワイヤー矯正では、治療中に矯正装置が外れる可能性があり、場合によっては矯正装置が頬の粘膜や歯茎を傷つけることがあります。

一方、マウスピース矯正ではこのようなトラブルは比較的少ないです。

食べ物の制限

ワイヤー矯正では、食べ物が当たると矯正装置が外れる可能性があります。そのため、硬い食べ物を食べるときは注意が必要です。また、キャラメルなどの粘着性のある食べ物は矯正装置に付着する可能性があるため、控える必要があります。

一方、マウスピース矯正は、マウスピースを取り外して食事ができるため、食べ物の制限は特にありません。

マウスピース矯正のメリット・デメリット

赤色で描かれた困り顔のスマイリーと、黄色で描かれた笑顔のスマイリーがあり、黄色のスマイリーマークを指でタッチしている

次に、マウスピース矯正のメリット・デメリットについて解説していきます。

メリット

マウスピース矯正のメリットは、以下の2つです。

自由に着脱できる

マウスピースは自由に取り外すことができるため、装置を取り外した状態での飲食や歯磨きができます。そのほかにも、人前で話す必要があるときや運動を行うときなどにも装置を取り外すことができるため、日常生活におけるストレスは少ないでしょう。

目立たない

マウスピース矯正では、透明なマウスピースを使用し自由に取り外しができるため、目立ちにくいという特徴があります。

デメリット

マウスピース矯正のデメリットは、以下の2つです。

1日の装着時間が長い

マウスピース矯正で歯を動かすためには、マウスピースを1日20〜22時間以上装着する必要があります。装着時間が短いと、歯に十分な力を与えられず、治療期間が長引く可能性があります。

噛み合わせが変わることがある

マウスピースは、歯全体を覆っています。奥上から押さえつけられる力が奥歯に働くため、結果として奥歯の高さが低くなり、奥歯の噛み合わせが変化することがあります。

マウスピース矯正で治療できる症例・できない症例

左手にマウスピースを持ち、右手でグッドサインをしている女性

専門用語で悪い歯並びのことを不正咬合(ふせいこうごう)といいます。不正咬合には、さまざまな種類があり、マウスピース矯正で治療できる不正咬合は限られています。

以下に、マウスピース矯正で治療ができる症例とできない症例をまとめました。

マウスピース矯正で治療できる症例

マウスピース矯正で治療できる症例は、以下の5つです。

軽度の叢生(そうせい)

叢生とは、歯並びが不揃いでボコボコしている歯並びのことをいいます。「乱杭歯」や「八重歯」がこれに該当します。本来の歯列から歯が大きくずれていない軽度の叢生であれば、マウスピース矯正で治療できます。

空隙歯列(くうげきしれつ)

空隙歯列とは、歯と歯の間に隙間が空いている歯並びのことをいいます。いわゆる「すきっ歯」がこれに該当します。この症例もマウスピース矯正で治療できます。

上顎前突(じょうがくぜんとつ)

上顎前突とは、上の歯が出ている歯並びのことをいいます。いわゆる「出っ歯」がこれに該当します。上顎前突には、歯が前に出ている場合と骨格的に上顎骨全体が前に出ている場合があります。歯が前に出ている場合はマウスピース矯正が適応となりますが、骨格的な原因がある場合は手術が必要になります。

下顎前突(かがくぜんとつ)

下顎前突とは、下の歯が出ている歯並びのことをいいます。いわゆる「受け口」がこれに該当します。下顎前突も、上顎前突と同様に歯が前に出ている場合と骨格的に下顎骨全体が前に出ている場合があり、歯が原因の場合のみマウスピース矯正で治療できます。

過蓋咬合(かがいこうごう)

過蓋咬合とは、噛み合わせが深いため奥歯で噛んだときに上の前歯が下の前歯に覆いかぶさって、下の前歯が見えなくなる歯並びのことをいいます。奥歯の噛み合わせに問題がある場合は、マウスピース矯正で治療できます。

しかし、骨格的な問題がある場合は手術が必要です。

開咬(かいこう)

開咬とは、歯を噛み合わせた時に上下前歯が噛み合わず、隙間がある歯並びのことをいいます。舌を噛む癖などの舌癖(ぜつへき)などが原因で起こることがあります。マスウスピース矯正と並行して、舌癖がある場合はそちらの改善も行います。

マウスピース矯正で治療できない症例

マウスピース矯正で治療できない症例は、以下の4つです。

重度の叢生

マウスピース矯正では、歯を大きく動かすことができません。そのため、本来の歯列から歯が大きくずれていて歯を大きく動かす必要がある場合は、マウスピース矯正で治療ができません。

インプラントがある場合

インプラントは、骨に直接埋め込まれています。そのため、マウスピース矯正のような弱い力では動かすことはできません。

重度の歯周病

重度の歯周病がある場合、顎の骨が溶けています。この状態で矯正をすると、歯に加わる力が原因で歯が抜けてしまう場合があるため、マウスピース矯正では治療ができません。

骨格的な不正咬合

顎の骨格が原因で起こる不正咬合の治療は、手術を行う必要があります。そのため、マウスピース矯正では治療ができません。

マウスピース矯正の治療の流れ

PCの画面に映し出されたレントゲン写真と歯の模型で説明をする歯科医師と説明を聞く患者

マウスピース矯正の治療の流れは、以下のとおりです。

1.カウンセリング

マウスピース矯正を行う前にカウンセリングを行います。

カウンセリングでは、現在の歯並びのお悩みや矯正治療に対する疑問などをうかがい、説明を行います。また、お口の中を確認し、マウスピース矯正が可能であるかの判断も行います。

2.精密検査

カウンセリングを受けていただき、矯正治療をご希望される場合は精密検査を行います。

精密検査では、現在のお口の中の写真やレントゲンの撮影、歯型の採取などを行います。

3.治療計画の説明

精密検査の結果から歯並びの状態を評価し、治療計画を立てます。治療計画の決定後、治療のスケージュールや期間、費用などの説明を行います。

4.術前処置

マウスピース矯正を始める前に虫歯や歯周病がある場合は、こちらの治療を優先して行うことがあります。歯に汚れが付いている場合は、歯のクリーニングを行います。

5.マウスピース矯正

マウスピースの着脱の仕方や注意点などを説明します。

歯科医師の指示に従い、決められた期間装着したあとは、新しいマウスピースを装着します。お口の中や矯正の進行具合くを確認する必要があるため、定期的に通院します。

6.保定期間(ほていきかん)

矯正治療が終了してしばらくは、歯を支えている骨が不安定のため歯並びが元に戻ってしまうことがあります。これを防ぐために、保定装置と呼ばれる歯並びを保つための装置を一定期間装着します。

マウスピース矯正にかかる期間

水色のテーブルの上に歯の模型と歯鏡、カレンダーが置かれている

マウスピース矯正にかかる期間の目安は、部分的に矯正が必要な場合は2か月~1年、全体的に矯正が必要な場合は1~2年程度必要です。また、矯正治療終了後は、元の歯並びに戻ることを防ぐために保定装置を1~2年装着する必要があります。

マウスピース矯正にかかる費用

テーブルの上にパソコン、聴診器、ノート、メガネ、白い電卓が置かれている

マウスピース矯正は自費診療のため、歯科医院ごとにかかる費用は異なります。

大まかな目安としては、部分的に矯正を行う場合は約300,000~400,000円、全体的に矯正を行う場合は約700,000~100,000円です。

マウスピース矯正中に注意すること

青い白衣を着て、首に聴診器を掛けた女性

マウスピース矯正中に注意することは、以下の3つです。

食事中はマウスピースを取り外す

マウスピース矯正中に食事をする際は、マウスピースを取り外してください。マウスピースを装着した状態で食事をすると、マウスピースが割れたり、マウスピース内に食べ物が溜まり虫歯や歯周病の原因になります。

装着時間を守る

マウスピース矯正で歯を動かすためには、マウスピースを1日20〜22時間以上装着する必要があります。装着時間が短いと、治療期間が長くなるため注意しましょう。

マウスピースの交換期間を守る

マウスピースは概ね10日ほど装着します。決められた期間マウスピースを装着したあとは、新しいマウスピースを装着しましょう。

まとめ

手の平に置かれたマウスピース

今回は、マウスピース矯正についてご説明しました。当院では、マウスピース矯正のカウンセリングを行っております。マウスピース矯正に少しでも興味がございましたら、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にお気軽にご相談ください。