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正しい歯磨き方法で虫歯予防!磨き残ししやすい場所と対策

正しい歯磨き方法で虫歯予防!磨き残ししやすい場所と対策

2024年11月22日

こんにちは!大阪府八尾市の歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。歯の事やそれに関連する様々な疑問に勝手に答えていく「もりかわ歯科の勝手に解説!ブログ」です!

「ちゃんと歯磨きしているのに、また虫歯が…」
「毎日磨いているのに、口臭が気になる…」

そんな経験ありませんか? 実は日々の歯磨きが正しくできていないと、虫歯や口臭のリスクが高まってしまうんです。
今回は虫歯予防に欠かせない「正しい歯磨き方法」「磨き残しやすい場所」、そしてその対策について詳しく解説します。

この記事を読めば分かること

  • なぜ虫歯になってしまうのか、その原因がわかります。
  • 歯磨きの大切さと、正しいブラッシング方法が理解できます。
  • ご自身やご家族の歯の健康を守るための具体的な対策がわかります。

正しい歯磨きで虫歯予防ができる理由

私たちの口の中には、実に数百種類もの細菌が住んでいます。
その数はなんと数百億個とも言われており、その中でも特に虫歯の原因菌として悪名高いのが「ミュータンス菌」です。

ミュータンス菌の攻撃

ミュータンス菌は私たちが大好きな甘いもの、特に砂糖をエサにして増殖します。そして増殖する過程で酸を作り出し、この酸が歯の表面のエナメル質を溶かしてしまうのです。これが虫歯の始まりです。
初期の虫歯は自覚症状がないため、気づかないうちに進行してしまうことも…。

歯磨きのパワー!

では、どうやってミュータンス菌の攻撃から歯を守ればいいのでしょうか?
答えは「正しい歯磨きを行うこと」です。

歯磨きはミュータンス菌や食べかすといった虫歯の原因を物理的に除去することができます。
例えるなら、お口の中を毎日大掃除しているようなもの。歯ブラシを使って歯の表面や歯と歯茎の境目など、すみずみまで丁寧に磨き上げることで虫歯のリスクを大幅に減らすことができるのです。

ここで注意が必要なのは「正しい歯磨き」であること。自己流の歯磨きでは磨き残しが発生し、せっかくの努力が水の泡になってしまうことも…。

磨き残ししやすい場所とその理由

では、どんな場所が磨き残ししやすく、なぜ磨き残しが発生してしまうのでしょうか?
ここからは虫歯になりやすい「磨き残しスポット」を詳しく解説していきます。ご自身の歯磨きを見直すきっかけになるかもしれません。

磨き残ししやすい場所とその理由

毎日歯磨きをしていても実は磨き残しがあるかもしれません。
歯ブラシの届きにくい場所はどうしても汚れが残りやすく、虫歯菌の温床になりやすいのです。

要注意!磨き残しトップ5

最奥の奥歯

最奥の奥歯

口の奥深くにある奥歯は歯ブラシが届きにくく、角度もつけづらいので磨き残しが最も多い場所の一つです。
特に親知らずがある場合は要注意です。

歯と歯の間

歯と歯の間

歯ブラシの毛先だけでは届かない歯と歯の間は歯垢(プラーク)が溜まりやすい場所。
歯間ブラシやデンタルフロスを使うなど、特別なケアが必要です。

歯と歯茎の境目

歯と歯茎の境目

歯と歯茎の境目は歯周ポケットと呼ばれ、歯垢が溜まりやすい場所です。
歯ブラシを強く当てすぎると歯茎を傷つけてしまうため、優しく丁寧に磨く必要があります。

歯の裏側

歯の裏側

舌や頬の粘膜に邪魔をされ、歯ブラシが届きにくい場所です。
特に下の前歯の裏側は唾液腺の開口部があり、歯石がつきやすいので注意が必要です。

矯正装置の周り

矯正装置の周り

矯正装置をつけている方は歯垢が溜まりやすいので、専用の歯ブラシや歯間ブラシを使って丁寧に磨く必要があります。

放置すると大変なことに…

これらの磨き残しスポットに歯垢が溜まったまま放置すると、どうなるのでしょうか?

次は磨き残しが引き起こす恐ろしい事態について解説します。
もしかしたら、あなたも知らないうちに虫歯のリスクを高めているかもしれません。ぜひ、読み進めてみてください。

磨き残しが虫歯を招く仕組みとは?

放置厳禁!磨き残しから始まる虫歯の恐怖

磨き残しを甘く見てはいけません。
一見きれいに見えたとしても歯ブラシの届きにくい場所に残った歯垢(プラーク)が静かに、そして確実に虫歯への道を切り開いているかもしれません。

歯垢の中のミュータンス菌が引き起こす悪循環

歯垢は食べかすや細菌の塊。その中には虫歯の主な原因菌であるミュータンス菌が潜んでいます。
ミュータンス菌は私たちが食事で摂取した糖分をエサにして酸を作り出し、その酸が歯を溶かしていくのです。

初期虫歯のサイレントアタック

恐ろしいことに、初期の虫歯にはほとんど自覚症状がありません。
そのため知らないうちに虫歯が進行し、歯の内部にある象牙質まで到達してしまうことも。

象牙質にまで虫歯が進行すると冷たいものがしみたり、甘いものがしみたりするようになります。さらに放置するとズキズキとした激しい痛みや歯茎の腫れ、そして最悪の場合、歯を失ってしまう可能性も…。

「もう虫歯になりたくない!」そう思ったあなたへ。
次のセクションでは、自宅で簡単にできる磨き残し対策をご紹介します。毎日の歯磨きを少し工夫するだけで虫歯のリスクをグッと減らすことができますよ!

自宅でできる磨き残し対策

毎日コツコツと積み重ねるセルフケアは、虫歯予防の第一歩です。
ちょっとした心がけと工夫で、磨き残しをグッと減らしてお口の健康を守りましょう。

歯ブラシの選び方

ヘッドは小さめ

歯ブラシのヘッドは小さめを選ぶのがポイントです。
一般的にヘッドの長さは2.5cm程度が目安とされています。 小さめのヘッドは奥歯や細かい部分にも届きやすく、口の中で動かしやすいので磨き残しを減らすことができます。

毛先は柔らかめ

歯や歯茎を傷つけないよう毛先は柔らかめのものを選びましょう。
硬い毛先は一見、汚れがよく落ちそうに思えますが、実は歯や歯茎を傷つけてしまう可能性があります。特に歯茎が敏感な方や歯肉退縮が気になる方は、極細毛タイプの歯ブラシもおすすめです。

歯磨きの時間

1回3分を目安に

1本1本丁寧に磨くためには最低でも3分間の歯磨き時間を確保しましょう。
スマホのタイマーや歯磨き専用のアプリを使って時間を計るのもおすすめです。

歯ブラシの動かし方: 4つのテクニックで磨き残しゼロへ

歯ブラシの動かし方: 4つのテクニックで磨き残しゼロへ

バス法:歯と歯茎の境目を優しくケア

歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、小刻みに振動させる方法です。
歯周ポケットの汚れを効果的に除去し、歯周病予防に効果的です。力を入れすぎず毛先を優しく歯面に当てるのがポイントです。

ローリング法:歯の表面を効率的に清掃

歯ブラシの毛先を歯面に垂直に当て、歯茎から歯の先端に向かって小さな円を描くように動かします。
歯の表面の汚れを効率的に落とすことができます。特に上の歯を磨く際に有効な方法です。

スクラビング法:噛み合わせ面をしっかり磨く

歯ブラシの毛先を歯の噛み合わせ面に直角に当て、前後に細かく動かします。
奥歯の溝や噛み合わせ面の汚れをしっかり落とすことができます。力を入れすぎると歯を傷つける可能性があるので注意しましょう。

フォーンズ法:小さなお子様にもおすすめ

歯ブラシの毛先を歯面に直角に当て円を描くように動かします。
小さなお子様でも簡単にできる磨き方で、歯全体をまんべんなく磨くことができます。

デンタルフロス・歯間ブラシを活用しよう

デンタルフロス・歯間ブラシを活用しよう

歯と歯の間のケア

歯ブラシだけでは届かない歯と歯の間の汚れはデンタルフロスや歯間ブラシを使って丁寧に除去しましょう。
歯間が狭い場合はデンタルフロス、広い場合は歯間ブラシがおすすめです。

フロス・歯間ブラシの使い方

自己流の使い方では歯茎を傷つけてしまう可能性も。
歯科医院で正しい使い方の指導を受けるのがおすすめです。

洗口液で仕上げ

洗口液で仕上げ

洗口液で口内をスッキリ

歯磨き後に洗口液を使うことで口内全体の殺菌効果が期待できます。歯磨きで落としきれなかった汚れや細菌を洗い流す効果も。
殺菌成分に加えてフッ素配合の洗口液を選べば、さらに虫歯予防効果UP!

セルフケアである程度の磨き残しは防げますが、完璧を目指すならプロの力を借りるのもおすすめです。
次のセクションでは、歯科医院でのクリーニングや磨き残しを減らすためのプロからのアドバイスをご紹介します。

磨き残しを防ぐプロのアドバイス

毎日の歯磨きを頑張っても、どうしても完璧にするのは難しいもの。セルフケアだけでは限界がありますよね。
そこで、プロの力を借りて磨き残しゼロを目指してみませんか?

歯科医院でのプロフェッショナルクリーニング

歯科医院では、歯科衛生士が専用の器具を使って歯ブラシでは届かない歯周ポケットや歯間などの細かい部分の汚れを徹底的に除去します。歯の表面をツルツルに磨き上げ、歯垢や着色汚れもスッキリ落とすことができます。

歯並びが整うと、こんなに変わる!

歯並びが悪いと歯ブラシが当たりにくく、磨き残しが多くなってしまいます。また歯並びが悪いことで噛み合わせが悪くなり、特定の歯に負担がかかりやすくなることも。

矯正治療によって歯並びを整えることで歯磨きがしやすくなり、磨き残しを減らすことができます。さらに噛み合わせが改善されることで、虫歯や歯周病だけでなく顎関節症の予防にもつながります。

「自分は大丈夫」と思っていても、磨き残しを放置すると虫歯は静かに進行していきます。

次のセクションでは虫歯の進行と、放置することで引き起こされる様々なリスクについて解説します。
虫歯が進行すると治療も複雑になり、身体への負担も大きくなってしまいます。そうなる前にぜひ一度、プロの目でチェックしてもらいましょう。

放置すると危険!虫歯の進行とその影響

「少しぐらい虫歯があっても大丈夫でしょ?」

そんな風に思っていませんか? しかし、虫歯は自然に治ることはありません。
放置すればするほど悪化し、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。

虫歯の進行とその恐ろしい症状

虫歯は初期段階では自覚症状がないことが多く、気づかないうちに進行してしまうケースも少なくありません。
進行するにつれて、以下のようなツラい症状が現れます。

知覚過敏

冷たいものや温かいものが歯にしみるようになります。

歯の痛み

何もしなくてもズキズキと痛むようになり、食事や睡眠にも支障をきたします。

歯茎の腫れ

虫歯が歯の根にまで達すると、歯茎が腫れて膿が溜まることがあります。

口臭

口臭の原因は様々ですが、虫歯もその一つです。進行した虫歯は、強い口臭を発生させることがあります。

さらに虫歯を放置すると…

  • 歯の神経を抜く治療(根管治療)が必要になる
  • 最悪の場合、歯を失ってしまう

といった、より深刻な事態に陥る可能性があります。

根管治療:歯の寿命を延ばすための最後の砦

虫歯が歯髄(歯の神経)まで達してしまうと、激しい痛みとともに歯の神経を取り除く「根管治療」が必要になります。

根管治療では歯髄を取り除いた後、根管と呼ばれる細い管を洗浄・消毒し薬剤を詰めて密封します。この治療は非常に複雑で、複数回の通院が必要となることも。治療中の痛みや治療後の歯の脆さなども考慮すると、決して楽な治療とは言えません。

歯を失う:生活の質を大きく低下させるリスク

虫歯がさらに進行し歯を支える骨まで溶けてしまうと、残念ながら歯を抜かなければならないケースもあります。
歯を失うことは見た目の問題だけでなく、以下のような様々な影響を及ぼします。

食事の楽しみが減る

硬いものが噛めなくなったり食べ物が挟まりやすくなったりと、食事の満足度が低下します。

発音が不明瞭になる

前歯を失うと、特に「さしすせそ」などの発音がしにくくなります。

顔のバランスが崩れる

歯を失うことで顔の骨格が変化し、老けて見えることもあります。

全身の健康にも影響する

よく噛めないことで消化不良を起こしたり、栄養バランスが偏ったりする可能性があります。

早期発見・早期治療が鍵!

虫歯は早期発見・早期治療であれば、簡単な治療で済むことがほとんどです。
しかし放置すると治療が複雑になり、身体への負担も大きくなってしまいます。

「自分は大丈夫」と思っていても、磨き残しを放置すると虫歯は静かに進行していきます。そうなる前にぜひ一度、プロの目でチェックしてもらいましょう。もりかわ歯科医院では、患者様一人ひとりに合わせた予防プログラムをご提案しています。お気軽にご相談ください。

まとめ:虫歯予防には専門的なケアが重要です!

今回は毎日の歯磨きからプロによるケアまで、虫歯予防の様々な側面をご紹介しました。

毎日の歯磨きを丁寧に行うことは健康な歯を保つ上で非常に大切です。しかし、セルフケアだけではどうしても限界があります。磨き残しや歯並びの問題など、自分では気づきにくいリスクが潜んでいるかもしれません。

虫歯を早期発見し適切な治療を受けるためには、定期的な歯科検診とプロによるクリーニングが欠かせません。
さらに歯並びが気になる方は、矯正治療によって磨き残しを減らして虫歯になりにくい口内環境を整えることも可能です。
「医療法人甦歯会もりかわ歯科」では患者様一人ひとりの口腔状態に合わせた虫歯予防プログラムをご提案しています。些細なお悩みでも構いませんので、ぜひお気軽にご相談ください。

虫歯のない健康な歯で、毎日を笑顔で過ごしましょう!

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医療法人甦歯会 マイデンタルクリニックもりかわ歯科

  • 住所:〒581-0803 大阪府八尾市光町2丁目3 アリオ八尾2F
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歯茎を気にする女性

インビザライン治療で歯肉退縮を起こしてしまったときの対処法を解説

2023年9月27日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

「歯茎が下がってきたように感じるけど、これって歯肉退縮?」「インビザラインで歯肉退縮が起こることってあるのかな……」と、お悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。歯を覆っている歯茎が減ってしまうことを「歯肉退縮」と呼びます。歯肉退縮が起こる理由はいくつかあり、放置しておくと最悪のケースでは歯が抜けてしまうこともあるのです。

今回は、歯肉退縮を予防するためにできることや、インビザライン治療で歯肉退縮が起こった時の対処法などについて解説します。

歯肉退縮とは?

歯磨き粉のクエスチョンマークと歯科器具

歯肉退縮とは、歯を覆っている周りの歯茎が減ってしまい、歯の根っこの部分が出ている状態のことを指します。歯肉退縮が起こると「歯が長くなった」「歯と歯のすき間に黒い三角形(ブラックトライアングル)が目立つようになってきた」などの見た目の変化を感じることがあります。

歯肉退縮を起こす原因

タブレットに表示されたレントゲン写真

歯肉退縮を起こす原因には、おもに以下のようなものがあります。

 

・矯正治療

・歯周病

・過剰なブラッシング

・歯ぎしり・食いしばり

 

詳しく解説します。

矯正治療

矯正治療における歯の移動距離や移動方向によっては、歯肉退縮が起こることがあります。

歯を並べるスペースがなく歯列の拡大を行うときは、前方や外側に向かって歯を移動することがあります。その際に抜歯をせず、狭いスペースに歯を並べようと無理な力をかけて歯を移動させると、歯肉の退縮が起こることがあるのです。

また、歯列のガタガタが原因で歯ブラシによるケアが不十分になり、歯周病がすでに生じているケースもあります。このような状態で矯正治療を行うと、薄くなった歯槽骨にさらに矯正による力が加わってしまい、歯槽骨の吸収が進んでしまうことも考えられるのです。

歯周病

歯周病とは、細菌感染により歯茎が炎症を起こしてしまい、重症化すると歯を支えている顎の骨が溶かされてしまう病気です。

顎の骨が溶けると歯茎も下がるため、徐々に歯の根っこがでてきます。歯周病になってしまう原因には「喫煙」や「磨き残しが多く歯に汚れが溜まっている」などがあります。

過剰なブラッシング

歯肉退縮は、研磨剤の多く入った歯磨き粉を使用することや、強すぎる力でのブラッシングで起こります。これらの刺激で歯や歯茎を削ってしまい、歯茎が下がってしまう恐れがあるのです。

磨き残しが多いことも歯や歯茎にとってよくない影響を与えてしまいますが、過剰なケアの方法も歯肉退縮の原因となります。

歯ぎしり・食いしばり

歯列矯正で歯にかかる力によっても歯肉退縮が起こるリスクがあるとお話ししましたが、歯ぎしりや食いしばりによって歯や歯茎に強い力がかかることで歯肉退縮の原因になることがあります。

歯ぎしりや食いしばりは、多くの場合に無意識で行われるため、患者様自身では気付かないことがあります。そのため、長期間にわたって歯茎に負担がかかり、気付いたときには歯肉退縮が起こっていることがあるのです。

歯肉退縮を起こすとどうなる?

歯の痛みに耐える女性

歯肉退縮を起こすと、以下のようなトラブルが予想されます。

 

虫歯や歯周病になるリスクが高まる

・知覚過敏になりやすい

・歯が抜ける可能性がある

・見た目が悪くなる

 

それぞれ詳しく解説します。

虫歯や歯周病になるリスクが高まる

歯の根っこは、通常、歯肉によって守られています。

歯の根っこは、歯茎から出ている歯の部分とは異なり、歯をあらゆる刺激から保護する役割を果たす「エナメル質」がありません。歯肉退縮によって歯茎からでてきてしまった歯の根っこの部分は、より繊細であるため細菌感染しやすい状態になってしまいます。その結果、細菌感染が原因で起こる症状である「虫歯」や「歯周病」になるリスクを高めてしまうのです。

ほかにも、歯茎が下がったことで、歯と歯の間や歯と歯茎の間のすき間が増えます。すると、そのすき間に汚れが溜まりやすくなり、十分なブラッシングができていないと虫歯や歯周病になるリスクが高まるでしょう。

知覚過敏になりやすい

歯の根っこには、歯を刺激から守るためのエナメル質がありません。そのため、冷たいものや温かいものなどのわずかな刺激でも、歯がピリッとするような感覚になることがあります。

歯が抜ける可能性がある

歯肉退縮が始まったからといって、すぐに歯が抜けることはありません。

しかし、歯がグラグラし始めるなどの症状がでてくると、歯を支えている歯槽骨まで吸収されている恐れがあります。最終的に、歯が自然に抜けてしまったり抜歯をしなければならなくなったりすることがあるでしょう。

見た目が悪くなる

歯肉退縮が起こると、歯が長くなることや歯と歯の間や歯と歯茎の間のすき間が目立ちやすくなるなど、見た目の変化を感じることがあります。

それ以外にも、歯と歯茎のバランスが変わってしまうことで、人によっては「老けた」と感じる人もいます。

インビザライン治療をすると歯肉退縮が起こりやすくなる?

インビザラインと収納ケース

「インビザライン治療」は、マウスピース型矯正の一つです。インビザライン治療では歯肉退縮が起こる可能性はあるのでしょうか。

すべての矯正方法で歯肉退縮は起こる可能性がある

インビザライン治療に関わらず、ワイヤー矯正やほかのマウスピース型矯正など、すべての矯正治療を行ううえで、歯肉退縮が起こるリスクがあります。その中でも、抜歯をせずにスペースがないところに無理に歯を並べようとする矯正や、顎の骨を拡大させる矯正では、特に歯肉退縮が起こる可能性が高いといわれているのです。

また、もともとの歯茎が薄い方は歯肉退縮が起こる可能性が高いとされています。

デジタル矯正治療では場合によっては歯肉退縮が起こることもある

インビザライン治療のようなシミュレーションソフトを使ったデジタル矯正治療では、場合によっては歯肉退縮が起こることがあります。

シミュレーションではうまく歯の移動ができていても、実際には歯周組織のない位置へ歯を動かしてしまう可能性もゼロではありません。CTによる十分な精密検査や、歯槽骨・歯根の検査が不十分であると、歯肉退縮のリスクが高まります。

インビザライン治療で歯肉退縮を起こしてしまったときの対処法

対策を考える人

インビザライン治療で歯肉退縮が起きた時は、すぐに歯科クリニックへ相談してください。歯肉退縮が起きているときの症状としては、以下のようなものがあります。

 

・知覚過敏の症状がある

・歯茎が下がった、歯茎が痩せて見えると感じる

・歯がグラグラする

・歯茎に強い痛みがある

 

このような兆候がある方は、歯肉退縮が起こっている可能性があります。歯肉退縮が起こりそう、または起こっている場合、歯科医師の判断により、インビザライン治療の中断・インビザラインの調整・治療計画の変更などで対応するでしょう。また、歯根部を歯茎に戻すなどの治療を行うこともあります。

いずれの場合も、歯肉退縮を放置すると自然に回復することはありません。歯肉退縮に気づいたときや「歯肉退縮かもしれない」と不安に感じた時は、歯科クリニックへ相談するようにしましょう。

歯肉退縮の予防方法

笑顔で3をつくる男性

ここまで、歯肉退縮が起こる原因や対処法について紹介しました。最後に、歯肉退縮の予防方法について解説します。以下の3つに注意しましょう。

 

・矯正装置の不具合を放置しない

・汚れを溜めない

・やわらかめの歯ブラシを使用する

 

それぞれ詳しく説明します。

矯正装置の不具合を放置しない

矯正装置の歪みや歯茎の一部に強くあたるなどの不具合がある場合は、すぐに歯科医師に相談しましょう。そのまま使い続けると歯茎が傷つくなど、歯肉退縮を引き起こすことがあります。

ほかにも、マウスピースなどの矯正装置に汚れが残ったまま使用を続けると、細菌が繁殖し、歯周病などの歯肉退縮につながるトラブルになることがあります。矯正装置はつねに清潔に保つように、マウスピース用のクリーナーで洗うことや、水ですすぐなどしてケアすることを忘れないようにしましょう。

汚れを溜めない

歯茎が下がってしまう原因の大部分は歯周病だといわれています。毎日の歯磨きをきちんと行い汚れを残さないようにしたり、歯科クリニックでの定期的なクリーニングが効果的です。食後は歯ブラシを使って歯を丁寧に磨き、歯と歯茎の境目の汚れにも注意が必要です。歯間ブラシやフロスなどを使って細かい部分の掃除を行うと、さらによいでしょう。

毎日丁寧にセルフケアを行っていても、歯石やプラークなどを完全に取り除くことはできません。歯科クリニックでの定期的なクリーニングを行うことで、より口内の衛生状態を保つことができます。

特に、ワイヤー矯正のように取り外しができない矯正装置をつけている場合は、装置が邪魔で歯ブラシを当てにくく、汚れが残りやすい傾向にあります。歯列矯正中は、特に磨き残しに注意しましょう。

やわらかめの歯ブラシを使用する

自宅で歯磨きをする際は、歯茎を必要以上に傷つけないために、やわらかめの歯ブラシを使うのがおすすめです。研磨剤の多く入った歯磨き粉も歯茎を傷つける恐れがあるため、避けるほうがよいでしょう。力をかけずに優しく磨くのがポイントです。

まとめ

インビザラインを持って笑顔の女性

今回は、歯肉退縮が起こる原因やインビザラインで歯肉退縮が起こるかどうかについて解説しました。

歯肉退縮が起こる原因はいくつかありますが、歯に汚れが溜まることやインビザラインを含む矯正器具で歯に無理な力が加わることで起こることが多いです。歯肉退縮の症状を放っておくと、最悪の場合、歯が抜けてしまうことも考えられます。不安がある方は、歯科医院に相談してみましょう。

インビザライン治療による歯肉退縮でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。