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歯周病になって歯茎から出血している女性

歯周病になりやすい人の特徴と予防方法を紹介

2024年6月5日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯茎の出血や口臭にお悩みの場合、歯周病の初期症状が現れているのかもしれません。日本人の成人の約8割が歯周病に罹患していると言われています。歯周病は、進行具合によっては歯を失ったり全身の健康に悪影響を及ぼしたりする病気です。

今回は、歯周病になりやすい人の特徴について解説します。歯周病にならないためにできることもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

歯周病とは

歯周病のイメージ

歯周病とはどのような病気なのでしょうか。発症のメカニズムと症状の特徴を確認しましょう。

歯周病のメカニズム

歯周病は、歯にプラーク(歯垢)が蓄積することで発症します。プラークは細菌などが集まった粘度のある物質です。食後数時間で形成されて歯に付着し、蓄積していきます。

プラークが長期間放置されると石灰化し、歯石になります。歯石ができると、さらにプラークが蓄積しやすくなるでしょう。

プラーク中の歯周病菌は、様々な毒素を作ります。歯周病菌が出す毒素は歯肉の組織にダメージを与え、炎症反応を引き起こします。炎症反応によって、歯周病の初期段階では歯肉が少し腫れたり出血したりします。炎症を放置すると、症状がさらに悪化します。

歯周病菌は酸素が少ない場所を好むため、酸素が少ない歯と歯肉の隙間(歯周ポケット)は歯周病菌が繁殖しやすい場所です。歯肉の炎症が進行することによって歯周ポケットが深くなり、細菌が増殖しやすい環境がつくられるのです。

歯周病はプラークの蓄積から始まり、炎症が進行すると最終的には歯の喪失にもつながることがあります。

歯周病の症状の特徴

歯周病の代表的な症状は、歯肉からの出血です。歯みがきの時や食事中に歯肉から出血がある場合、歯周病の可能性があるでしょう。

また、歯周病による炎症は歯肉の腫れを引き起こします。軽度の段階では確認しにくいですが、次第に歯肉が赤く腫れ上がり、痛みを伴うようになります。

歯肉の色は通常は健康的なピンク色ですが、歯周病が進行すると赤紫色に変化し、重症化すると茶褐色になることもあります。腫れた歯肉からは膿が出るケースもあり、口臭も悪化します。

歯周病が進行すると歯を支える骨が溶け、徐々に歯がグラつくようになります。初期の段階では気付きにくいものの、指で軽く押すと歯の動きを確認できます。

重症化すると大きく動くようになるので、力を入れてしっかり噛むことが難しくなるでしょう。

歯周病になりやすい人の特徴

歯周病になった人

歯周病になりやすい人の特徴を確認しましょう。

正しい歯磨きができていない

正しい歯磨きができていない人は、歯周病のリスクが非常に高いです。特に就寝中は唾液の分泌が低下して口内が乾燥しやすいです。乾燥した口内では歯周病菌の働きが活発になるため、就寝前に歯磨きをしない場合はより細菌が繁殖しやすいでしょう。

歯磨きを行っていても、適切なブラッシング方法を知らないとリスクは高いままです。不十分なブラッシングではプラークがしっかり除去されず、細菌が増殖します​​。

蓄積したプラークは硬化して歯石となり、歯ブラシでは取り除けなくなります。歯石が形成されると細菌がさらに付着しやすくなり、歯周病の進行につながるのです。

歯並びが悪い

歯並びが悪い人は、歯周病のリスクが高いです。歯が重なり合ったりデコボコしたりしていると、歯ブラシが届きにくい部分が多くなるため、プラークが残りやすいのです​​。

歯ブラシが入り込みにくい歯と歯の間や歯と歯茎の境目にプラークが溜まると、歯肉に炎症が広がり歯周病が進行します​​。また、歯並びが悪いと歯間ブラシやフロスの使用も難しいので、効果的な清掃が行いにくいでしょう。

歯並びが乱れていると、食事の際に特定の部位に過度な力がかかることがあります。歯を支える骨や歯周組織に負担がかかるため、歯周病が進行しやすいでしょう。

糖尿病に罹患している

糖尿病は全身に様々な悪影響を及ぼしますが、歯周病とのつながりも強いです。糖尿病患者は通常よりも歯周病にかかりやすく、症状が重症化しやすいという特徴があります。

糖尿病が原因で高血糖状態が続くと血液中の糖の濃度が上がるため、浸透圧の関係で尿が多く排出されます。体内の水分が減少すると唾液の分泌量も減少するので、口の中が乾燥しやすくなるのです。

唾液は口腔内の細菌を洗い流し、抗菌作用を発揮します。唾液が減ると口腔内環境が悪化し、歯周病菌が繁殖しやすくなります。

糖尿病により免疫機能が低下すると、感染症への抵抗力が低下します。この状態で歯周組織が細菌に感染すると、歯周病が進行しやすくなります。

高血糖状態が続くと血流が悪化して組織の修復能力も低下します。歯茎にダメージを受けても治りにくく、炎症が長引くでしょう。

喫煙の習慣がある

喫煙は歯周病のリスクを高めます。タバコに含まれるニコチンやタールなどの有害成分が歯茎の血流を悪化させ、歯茎に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなるからです。

血行不良により再生能力が低下し回復が遅れるため、非喫煙者に比べて喫煙者は歯周病の進行が早く、治療の効果も低いでしょう。また、喫煙者は唾液の分泌が減り、プラークや歯石が付きやすくなります。歯周病菌の繁殖が助長されるので、歯周病になりやすいでしょう​​。

タバコの煙によって歯茎の血流が悪化すると、歯周病の初期症状である出血を見逃しやすいことも問題です。気づいたときには歯周病が進行しているケースが多いので注意が必要です。

口呼吸をする癖がある

口呼吸は歯周病のリスクを高めます。口呼吸をする人は、口腔内が常に乾燥しやすい状態です。唾液は、口腔内の湿度を保ち、細菌の繁殖を抑制する役割を果たしています。唾液が不足すると口腔内の細菌が増殖しやすくなり、歯周病のリスクが高まるのです。

鼻の疾患を持つ人や、慢性的に鼻詰まりがある人は口呼吸になる傾向にあります。口呼吸を改善するためには、鼻の通りを良くすることが重要です。治療を受ける、日常生活で鼻呼吸を意識する、加湿器を活用するなど、口腔内の乾燥を防ぎましょう。

妊娠中や更年期の女性

女性は男性に比べて歯周病になりやすいです。女性ホルモンが歯周病の進行に影響を与えるためです。

特に、妊娠中の女性はエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌が増加します。一部の歯周病菌の栄養源になるため、歯周病菌が増殖して炎症が起こりやすくなるのです。口の中で歯周病菌が活発に活動するため、妊娠中は多くの女性が妊娠性歯肉炎を経験します。

また、更年期の女性は、エストロゲンの減少により歯周組織が弱くなり、歯周病が進行しやすくなります。エストロゲンは骨密度の低下を防ぐホルモンでもあります。減少すると骨密度が低下するため、歯を支える骨が脆くなって歯が抜け落ちやすくなる可能性もあります。

歯周病にならないためにできること

ブラッシング指導をしている歯科衛生士

歯周病にならないためにできることについて確認しましょう。

セルフケアを継続する

歯周病の予防には、日々のセルフケアが欠かせません。セルフケアの基本は、ブラッシングと歯間清掃です。

ブラッシングは、歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、小さな円を描くように優しく行いましょう。歯周ポケットに溜まったプラークを効果的に除去できます。

歯ブラシだけでは届かない歯間部分には、歯間ブラシやデンタルフロスを使用しましょう。ブラッシングの際に使用すれば、歯と歯の間に残るプラークや食べかすを効率的に取り除けます。

毎日最低2回のブラッシングと歯間清掃を継続することが、歯周病予防につながります。

定期的に歯科検診を受ける

セルフケアだけでなく、定期的な歯科検診も大切です。歯科医院では、スケーリングやルートプレーニングといった専門的なクリーニングを受けられます。セルフケアだけでは取り除けない歯石やプラークを徹底的に除去できるため、歯周病の予防につながります。

また、歯科検診は歯周病の早期発見にもつながります。初期段階であれば簡単な治療で完治することも多いでしょう。

糖尿病を治療する

糖尿病にかかっていると高血糖状態になり、歯周組織の炎症が促進されます。感染に対する抵抗力も低下し、歯周病にかかりやすくなります。

糖尿病にかかっている人は、血糖値を定期的にチェックし、医師の指導に基づく食事療法・運動療法・薬物療法によって血糖のコントロールに努めましょう。

免疫力を高める

免疫力を高めることは、歯周病対策にもなります。バランスの取れた食事や十分な睡眠、定期的な運動は免疫機能を向上させます。栄養素としては、ビタミンC・ビタミンD・亜鉛などが免疫力の向上に効果的です。

また、ストレス管理も重要です。趣味の時間を持つなどしてストレスをうまく軽減することで、免疫力を高く保つことができます。免疫力が高まれば、細菌やウイルスから身を守る力が強化され、歯周病の予防にもつながるでしょう。

まとめ

歯周病になって歯茎から出血している女性

歯周病は、プラークの蓄積によって引き起こされます。正しい歯磨きができていない人や歯並びが悪い人はプラークが蓄積しやすく、歯周病になりやすいといえます。また、喫煙習慣がある人や口呼吸の癖のある人も細菌が増殖しやすいため、歯周病になりやすいでしょう。

全身の健康状態やホルモンバランスも歯周病の発症に関与しています。糖尿病にかかっている人や、妊娠中または更年期の女性は、歯周病を発症するリスクが高いことが知られています。

これらに該当する人や、既に歯茎から出血があるなど歯周病の疑いがある人は、歯科医院を受診して適切な対策を講じましょう。

歯周病でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。

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