こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。
歯科医院で奥歯のむし歯を治療した際に、被せ物にセラミックと銀歯のどちらを選択するか問われることがあります。治療の際の急な質問で、どちらが良いのか分からず悩む方も多いでしょう。
今回は、セラミックと銀歯の違いやメリットなどについて解説します。
Contents
奥歯はセラミックと銀歯どちらがいいの?
セラミックと銀歯は、治療費用・見た目・素材などさまざまな違いがあります。どちらの治療にもメリット・デメリットが存在するため、一概にどちらのほうが優れているとは言い切れません。
しかし、歯科医院ではセラミックを勧められることも多いでしょう。口腔内の長期的な健康を考えた時に、むし歯の再発リスクが低く耐久性に優れているという点で、セラミックのほうがメリットが多いからです。
歯1本に対して治療できる回数は、一般的に3~6回とされています。通常の治療ができなくなれば、抜歯を検討しなければなりません。そのため、少しでも長持ちするセラミックが推奨されるのです。
銀歯が粗悪なわけではないので、費用や年齢などさまざまな観点から考察して選択することが大切でしょう。
奥歯をセラミックにするメリット
ここでは、奥歯の治療にセラミックを選択するメリットについて詳しく見ていきます。
審美性が高い
銀歯は字のとおり銀色ですが、セラミックは天然歯に限りなく近い白色を再現することができます。天然歯にある艶や透明感も再現することができるため、銀歯と比較すると非常に審美性が高いです。
奥歯は外からは見えにくい部分ですが、大きな口を開けると見えることもあります。他の歯に馴染みやすいセラミックを選択することで、周囲の目を気にせず会話したり笑ったりできるでしょう。
むし歯が再発しにくい
セラミックは耐久性に優れている陶材でできており、銀歯で起こるような熱による変形の心配がありません。非常に密着度が高く、隙間や段差も生じにくいです。そのため、歯垢が蓄積しにくく、むし歯になりにくいという利点があります。
何度も同じ歯を治療する必要性がなくなるので、一度治療した歯を長く使用することができるでしょう。
劣化しにくい
白い詰め物で治療をするという点が同じでも、歯科用プラスチックなどは保険が適用されるため安価です。
しかし、歯科用プラスチックはセラミックと比較すると早期に変色が進むため、場合によっては作り直しが必要になることもあるでしょう。セラミックの場合は、素材や扱い方によって異なりますが、10年以上問題なく使用している方も少なくありません。
歯茎が黒ずまない
歯茎の黒ずみにコンプレックスを抱いている方は少なくありません。歯茎の黒ずみの原因の一つとして、歯科治療における金属材料の溶出があります。
銀歯などで起こりやすく、唾液により金属イオンが溶け出して歯茎に付着し黒ずむのです。金属を使用しないセラミックを選択すると、溶出の心配はありません。
金属アレルギーにならない
セラミックは基本的には金属を使用しないため、金属アレルギーのリスクはありません。金属アレルギーの方も安心して治療を受けられるでしょう。
ただし、セラミックの種類の一つのメタルボンドは、内側が金属の被せ物です。金属アレルギーの方は使用できません。
奥歯をセラミックにするデメリット
どんな治療にも必ずメリットとデメリットの双方が存在します。ここでは、セラミックのデメリットについても
永久には使用できない
セラミックは永久に使用できると勘違いしている方もいますが、セラミックにも寿命が存在します。扱い方によっては10年以上使用できる場合もあるので、セラミック治療後はセルフケアを怠らないようにしましょう。
割れることがある
銀歯が割れることはほとんどなく、変形などがトラブルの原因となります。
しかし、セラミックは強い力が加わると、割れたり欠けたりすることがあります。治療時には噛み合わせなどを計算しますが、強い力がセラミックに集中して加わらないように注意が必要です。
特に、歯ぎしりをする癖がある方は、無意識のうちにセラミックに強い力をかけている可能性があるため、割れたり欠けたりするリスクが高いでしょう。歯ぎしりの癖を改善できない場合には、セラミックの中でも強度の高い素材を選択しましょう。
費用が高額
ほとんどのセラミック治療は自由診療で、全額自己負担のため高額です。一般的な銀歯の治療ではあれば費用は数千円程度の場合が多いですが、セラミックでは安くても銀歯の何倍近もの費用が必要でしょう。
数年でトラブルが起こって作り直す場合も、再度同程度の費用がかかります。経済的負担が大きいため注意しましょう。
歯を削る量が多い
セラミックは、割れにくくするために厚みを持たせて作られます。そのため、歯を大きく削る必要があるのです。
歯を削る量が多ければ多いほど、歯の寿命は短くなります。歯を削ることに抵抗を感じない方も多くいますが、リスクは理解しておく必要があるでしょう。
また、歯は一度削ると元には戻らないので、治療前に慎重に判断しましょう。
ホワイトニングが難しい
ホワイトニングを検討している方は、セラミック治療を先に行わないようにしましょう。
セラミックは人工物なので、ホワイトニングを行っても治療時の色より白くなることはありません。そのため、セラミック治療後にホワイトニングをすると、天然歯だけが白くなってセラミックの色が浮くことがあります。
ホワイトニング後に、色調を合わせたセラミックを装着すると良いでしょう。
奥歯のセラミックの種類
歯科治療で用いるセラミックには多くの種類があり、値段や特徴もそれぞれ異なります。ここでは、奥歯のセラミック治療で使用されることが多い素材を紹介します。
ジルコニア
ジルコニアは、人工ダイアモンドと呼ばれるほど強度が高い素材です。薄く作ることが可能で、歯科治療で歯を削る量を最小限に抑えられるという特徴があります。
ジルコニアは表面の色彩を調整することしかできないので、透明感は他のセラミック素材と比較すると劣るでしょう。
メタルボンド
メタルボンドは、金属でできた歯科材料の外側にセラミックを焼き付けて作成される被せ物です。奥歯に使用して咬合しても問題ないほど、強度的に優れています。
しかし、外から見えない部分は金属製であるため、時間の経過で金属が溶け出して歯茎の変色を引き起こす可能性があります。他のセラミックと比較すると、安価であることが多いでしょう。
e-max
e-maxは、非常に丈夫な二ケイ酸リチウムという成分が主体の素材です。強度が通常のセラミックの3~4倍あり、天然歯のエナメル質に近いです。
エナメル質に対して強く接着する特徴もあるため、治療中の歯にある程度のエナメル質が残っている場合は、e-maxは歯と同程度の強度を有します。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックは、セラミックと歯科用レジンを混ぜ合わせた素材です。オールセラミックより柔らかくレジンより強度があり、審美性にも優れています。
費用は、セラミックの中では安価に設定されています。セラミックとレジンの良いところを掛け合わせた素材で、条件を満たせば保険が適用されるケースもあります。
奥歯をセラミックにする際の費用
セラミックにする際の費用は、種類や大きさによって異なります。一般的な相場としては、インレーと呼ばれる詰め物で4万円から10万円前後、クラウンと呼ばれる被せ物は10万円から20万円ほどです。
高額な治療のため、歯科医院独自の保証を導入している場合もあります。治療開始前に確認しておきましょう。
また、歯科医院によってはデンタルローンが使用できる可能性があります。まとまった費用を捻出することが難しい場合は、歯科医院に相談すると良いでしょう。
まとめ
今回は、奥歯の治療にセラミックを選択するメリットとデメリットについて解説しました。セラミックは審美性に優れた素材ではありますが、費用が高く躊躇する方も少なくありません。さまざまな側面から考えて、ご自身に合う治療を選択しましょう。
また、セラミックは歯科治療の中でも比較的新しい治療内容です。デメリットもしっかりと理解した上で、納得して治療を進められるようにすることが大切です。
奥歯の治療でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。