こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。
マイオブレースとは、マウスピース型の装置を使用した小児矯正のことです。従来のワイヤー矯正と違い、違和感や痛みが少なく、お子様のストレスになりにくいのがメリットです。
ただし、マイオブレースの管理方法やお子様のモチベーションによって、治療の失敗につながる可能性があります。
そこでこの記事では、マイオブレースの失敗例とその原因について解説します。マイオブレースでの失敗を防ぐ方法についても言及していますので、ぜひ参考にしてみてください。
マイオブレースの目的

マイオブレースとは、マウスピースを使用した小児矯正のひとつです。直接歯に力をかけて歯並びを整える治療法ではありません。マイオブレースを装着することでお口周りの筋肉を鍛え、間接的に歯並びを整えることが目的です。
そもそも、歯並びを悪くする原因の多くは、舌の位置や指しゃぶり、口呼吸などの癖や習慣によるものです。これらの悪習癖があると、お口周りの筋肉や顎の成長が阻害され、歯並びや噛み合わせが悪化することがあります。
マイオブレースを使用することで顎の成長をサポートし、永久歯が理想的な位置に生えるように促すことができるのがメリットです。また、同時にトレーニングを行うことによりお口周りの筋肉を鍛えられるため、正しい舌の位置や呼吸法、飲み込み方を習得する効果もあります。
マイオブレースの失敗例とその原因

ここでは、マイオブレースの失敗例とその原因について解説します。
治療の開始が遅かった
マイオブレースでは、子どもの顎の成長を利用して治療を行います。4~8歳頃に乳歯から永久歯へと生え変わりますが、このときに上下の顎も大きく成長します。この時期にマイオブレースを使用することにより、顎の成長をコントロールし、効率的に治療を進められるのです。
しかし、マイオブレースでの治療を開始する時期が遅ければ、顎の成長をうまくコントロールできず、失敗する可能性があります。多くの場合、約10~15歳の間に顎の成長は完成するといわれているため、遅くとも9歳頃までには治療を開始するのがよいでしょう。
ただし、顎が成長する時期や永久歯への生え変わりには、個人差があります。マイオブレースでの治療を開始する時期はお子様によって異なりますので、早めに歯科医師に相談しましょう。
お子様のモチベーションを維持できなかった
マイオブレースでの治療結果は、お子様のモチベーションによって左右されます。マイオブレースでは、装置の自己管理にくわえ、毎日トレーニングを重ねる必要があるのです。
しかし「装置を装着したくない」「トレーニングが面倒くさい」など、お子様自身が小児矯正の必要性を感じていなければ、治療の失敗につながる可能性があります。
装置の管理ができなかった
マイオブレースの装着時間が短ければ、思ったような治療結果が得られない可能性があります。また、装置の管理が不適切であれば紛失や破損につながり、治療が失敗する可能性もあるので注意が必要です。
マイオブレースの失敗を防ぐ方法

ここでは、マイオブレースの失敗を防ぐ方法について解説します。
お子様に治療の重要性を理解してもらう
マイオブレースでの平均的な治療期間は、約1〜2年です。前向きに治療を進めるためにはお子様に治療の重要性を理解してもらう必要があります。
そのため、マイオブレースでの治療を始める前にお子様とよく話し合い、歯並びが整うことのメリットや治療の進め方などを共有するのがよいでしょう。
また、お子様任せにせず、保護者の方がサポートすることも欠かせません。トレーニングを一緒に行う、装置の管理を見守るなど、日々声掛けを行い、保護者の方も一緒になって治療に取り組みましょう。
歯科医院と一丸となって治療を進める
マイオブレースでの治療の失敗を防ぐためには、ご家族と歯科医院が一丸となって治療を進めることが大切です。
まず、マイオブレースでの開始時期が遅ければ、歯並びが整わず、治療の失敗につながる可能性があります。適切な治療開始の時期については個人差があるため、早めに歯科医師に相談するのがよいでしょう。
また、お子様にマイオブレースでの治療の重要性を理解してもらうためには、保護者の方だけでなく歯科医師や歯科衛生士のサポートも欠かせません。
装置の管理方法やトレーニング方法についてご不明点がある場合は、遠慮なくご相談ください。ご家族と歯科医院が一丸となることで、お子様のモチベーションを維持し、前向きに治療を進められるでしょう。
装置の装着を習慣化する
マイオブレースの装着時間は、日中1時間と就寝中です。マイオブレースの装着時間が短ければ、歯並びが整わなかったり、治療期間が延びたりと、治療の失敗につながる可能性があります。
日中の装着時間を決める、就寝前の歯磨きが終わったらすぐに装着するなど、マイオブレースの装着を習慣化することが大切です。
装置の管理を徹底する
マイオブレースの管理が不適切であれば、破損・紛失する可能性があります。そのため、マイオブレースを外した際は、必ず専用のケースに入れて保管しましょう。
また、マイオブレースの洗浄を怠ると、お口の中が不衛生になり、虫歯や歯周病を発症するリスクが高まります。マイオブレースを取り外したら洗浄し、清潔な状態に保ちましょう。
基本的には水洗いで構いませんが、においや汚れが気になるときはマウスピース専用の洗浄剤をお使いください。
定期的に歯科医師のチェックを受ける
マイオブレースでの治療を計画どおりに進めるためには、定期的な診察が欠かせません。基本的には、装置を患者様自身で管理して治療を進めます。
しかし、装着方法やトレーニングの方法が間違っていると、治療の失敗につながることがあります。そのため、定期的に歯科医師の診察を受け、口腔内の状態をチェックしてもらうことが大切です。
マイオブレースのメリット・デメリット

ここでは、マイオブレースのメリットとデメリットについて解説します。
マイオブレースのメリット
マイオブレースのメリットは、以下のとおりです。
抜歯を回避できる可能性が高い
永久歯が生え揃ったあとに矯正治療をする場合、歯が並ぶスペースが足りないときには抜歯をすることがあります。
しかし、適切な時期にマイオブレースで顎の成長をコントロールできれば、永久歯が生えるスペースを確保できる可能性が高まります。これにより、将来的に二期治療が必要になったとしても、抜歯を回避できる可能性が高くなるのがメリットです。
また、顎のバランスが整えられることで、二期治療の期間を短縮できる可能性もあります。子どものうちにマイオブレースでの治療をスタートさせることで、結果的に費用を抑えることもできるでしょう。
悪習癖を改善できる
マイオブレースを装着することで、舌癖や指しゃぶりを改善する効果も期待できます。また、日々のトレーニングによりお口周りの筋肉を鍛えられれば、口呼吸やポカン口などの改善も可能です。
このように、悪習癖を改善することで綺麗な歯並びを長期的に維持する効果も期待できます。
人前で装置を装着する必要がない
マイオブレースの装着は基本的には自宅のみのため、友だちなどに見られることはありません。マイオブレースは日中1時間と就寝中にしか装着する必要がないため、お子様のストレスを軽減できるのがメリットです。
違和感や痛みが少ない
ワイヤー矯正の場合、歯に強い力をかけるため、違和感や痛みが出やすいといわれています。
その点、マイオブレースはやわらかいシリコン製のため、装着時に違和感が生じにくいです。また、歯を直接動かす治療ではないため、痛みが少ないのがメリットです。
後戻りのリスクが低い
後戻りのリスクが低いこともマイオブレースのメリットのひとつです。お口周りの筋肉を鍛えることで、顎の成長をコントロールし、歯並びが悪くなるのを予防します。
さらに、歯並びを悪くする原因を根本的に解消できることで、長期的に歯並びを安定させ、後戻りを起こしにくくする効果があるのです。
マイオブレースのデメリット
マイオブレースのデメリットは、以下のとおりです。
歯並びによっては治療できないことがある
マイオブレースは、既製品です。そのため、歯並びの乱れが重度の場合など、マイオブレースの適応とならない歯並びの場合は治療できません。また、マイオブレースでの治療を開始できる時期は限られているため、お子様の年齢によっても治療できないことがあります。
トレーニングを継続する必要がある
マイオブレースでは装置の装着に加えて、毎日トレーニングをする必要があります。
しかし、トレーニングを怠ると治療の失敗につながる可能性があるでしょう。歯並びや悪習癖を改善するためには、正しい方法でトレーニングを継続することが大切です。
装置の自己管理が必要
ワイヤー矯正の場合は、患者様が装置の管理をする必要はありません。
一方、マイオブレースは取り外しができるという利点があるものの、患者様自身で装置を管理する必要があります。マイオブレースの装着時間が短かったり、トレーニングを怠ったりすると、治療の失敗につながる可能性があるでしょう。
そのため、マイオブレースの装着時間の管理やお手入れ、トレーニングなど、保護者の方がサポートしてあげる必要があるのです。
費用が高い
基本的にマイオブレースは保険適用外となるため、費用が高くなる傾向にあります。歯科医院によって費用は異なりますが、約40万〜60万円が相場です。費用や期間については個人差があるため、詳細については歯科医師にご相談ください。
まとめ

マイオブレースは、お口周りの筋肉を鍛えることで、間接的に歯並びを整える治療です。日中1時間と就寝中に使用することで、顎の成長をコントロールし、永久歯が正しい位置に生えるよう促します。
適切な時期に治療を開始することで、抜歯を回避できる場合があるのがメリットです。また、トレーニングを併せて行うことで、悪習癖を改善し、後戻りを防止する効果もあります。
ただし、お子様自身が治療の重要性を理解していなければ、治療の失敗につながる可能性があるでしょう。マイオブレースでの治療を失敗させないためにも、ご家族と歯科医院が一丸となり、お子様のモチベーションを下げない環境を作ることが大切です。
小児矯正を検討されている方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療をはじめ、矯正治療や入れ歯・ブリッジ・インプラント治療、予防歯科などさまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、ご予約・お問い合わせも受け付けております。