こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。
インビザラインの治療中に最も注意しなければならないといわれているのが歯ぎしりです。インビザライン治療をしたいけれど、歯ぎしりによってマウスピースが破損するのではないかと不安に思っている方がいるのではないでしょうか。
今回は、歯ぎしり癖があってもインビザライン治療は受けられるのか解説します。また、インビザライン治療中の歯ぎしりの対策方法についても解説しますので、歯ぎしり癖があるけれどインビザライン治療を検討しているという方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
歯ぎしりとは?
厚生労働省によると、歯ぎしりとは「睡眠時や無意識のうちに強い力で歯と歯を摺り合わせること」としていますが、近年ではこの定義は広がりつつあるとされています。歯ぎしりはそもそも厚生労働省が定義しているように睡眠時あるいは無意識のうちに行われるものとされていました。
しかし、近年では起きているときにも歯ぎしりをする方が増えているため、今後も歯ぎしりの定義が拡大していくことが予測されています。
歯ぎしりの種類
歯ぎしりには、主に3つの種類があります。
グライディング
グライディングは、上下の歯を臼のようにすり合わせる動作で、一般的に歯ぎしりと呼ばれるのはこのグライディングにあたります。
クレンチング
クレンチングは、上下の歯を強く噛み合わせる動作で、食いしばりとも呼ばれる行為です。
タッピング
タッピングは、上下の歯をカチカチと噛み合わせる動作です。
歯ぎしりの原因
歯ぎしりの原因は、以下の3つです。
ストレス
ストレスは歯ぎしりの最たる原因と考えられています。ストレスは睡眠を浅くする要因ともいわれており、ストレスによって睡眠が浅くなった結果、歯ぎしりが多くなるといわれているのです。
また、ストレスを感じたときに歯を食いしばることから、歯ぎしりはストレスの代償行為ともいわれています。歯ぎしりの7~10%はストレスが関係しているといわれているのです。
飲酒・喫煙
アルコールやニコチンの摂取は睡眠の質を低下させるといわれており、歯ぎしりの悪化につながるといわれています。特に、前述したストレスのはけ口が飲酒や喫煙となっている場合、ストレスに加えて余計に歯ぎしりを悪化させるのです。
遺伝
歯ぎしりには遺伝的な要因があるともいわれています。とある特定の遺伝子型をもつ方は、歯ぎしりをしやすいことがわかっているのです。
歯ぎしりが歯並びに与える影響
歯ぎしりは、さまざまな口腔内トラブルの誘因となりますが、特に歯並びにおいてはさまざまな影響を与えると考えられています。
歯ぎしりが歯並びに与える影響は、以下の2つです。
歯がすり減る・欠ける
歯を横にぎりぎりと滑らせるように歯ぎしりをすると、歯がすり減る可能性があります。また、歯が摩耗によって弱くなっていくため、欠けやすくなります。歯ぎしり中、あるいは少しの衝撃で歯が折れる場合や欠ける場合があるのです。
また、歯がすり減ることで噛み合わせが悪くなります。噛み合わせが悪くなると歯ぎしりもさらに悪化するので、悪循環になるといわれているのです。
歯並びが悪くなる
歯がすり減ることや欠けることで歯の大きさや歯の向きが変わり、歯並びが悪くなります。例えば、歯に強い力がかかり続けると、前歯が前方に押しだされて上顎前突(出っ歯)になることや、噛み合わせが深くなる過蓋咬合になることがあるのです。
また、強い力で歯ぎしりをすると顎にも影響を与え、歯並びに影響するケースもあります。
歯ぎしり癖があってもインビザライン治療は可能?
歯ぎしりの癖があってもインビザライン治療はできるケースもあります。
しかし、歯ぎしりによってインビザラインで使用するマウスピースが破損するリスクは極めて高いです。破損した場合には作り替えとなるため、費用や期間がかかるということを理解しておきましょう。
起きているときに歯ぎしりをする場合にはインビザライン治療が可能なケースが多いですが、寝ているときに歯ぎしりをするという場合にはインビザライン治療ができないことがあります。ご自身がどのタイミングで歯ぎしりをしているのかを知ったうえで、歯科医院で相談しましょう。
インビザラインでは歯ぎしり対策ができない
一般的に歯ぎしりは、ナイトガードというマウスピースで対策をします。インビザラインで使用するマウスピースで歯ぎしり対策もできるのではないかと考える方もいるでしょう。
しかし、インビザラインで使用するマウスピースとナイトガードは、使用の目的が異なります。インビザラインで使用するマウスピースは歯を動かすことを目的として装着しますが、ナイトガードは就寝中の歯ぎしりによって歯がすり減ることを防ぐことを目的として装着します。
また、インビザラインで使用するマウスピースはポリウレタン製の素材で、厚みは0.5mm程度と非常に薄いです。
一方、ナイトガードはゴム製またはレジン製の素材でできています。厚みは2mm程度で、インビザラインで使用するマウスピースと比較しても厚く作られていることがわかるでしょう。
このように、インビザラインで使用するマウスピースとナイトガードとでは、使用する目的や素材、厚みが大きく異なります。そのため、インビザラインで使用するマウスピースを歯ぎしり対策としては使用できないのです。
歯ぎしりでマウスピースが破損したときの対処法
歯ぎしりによってマウスピースを破損した場合には、すぐに歯科医院を受診して作り直す必要があります。作り直しに対して保証がある歯科医院はほとんどなく、改めて型取りから作製までの費用を負担しなければなりません。
また、新しいマウスピースが完成するまで時間もかかります。新しいマウスピースが完成するまでの間は、1つ前のマウスピースを装着するなどして後戻りを防止しなければなりません。
また、小さいヒビ程度であればそのまま使用し続けることもありますが、自己判断するのではなく、必ず歯科医師に相談しましょう。
インビザライン治療中の歯ぎしり対策方法
インビザライン治療中はどのように歯ぎしりを対策すればよいのでしょうか。ここでは、インビザライン治療中の歯ぎしり対策方法について解説します。
インビザライン治療中の歯ぎしりの対策方法は、以下の2つです。
安静空隙を意識する
起きているときの歯ぎしりを回避するためには、安静空隙を意識しましょう。安静空隙とは、安静時に存在する歯のすき間です。
私たちの上の歯と下の歯が完全に触れあっている時間は1日うち20分程度といわれています。それ以外の時間は、常に歯と歯のすき間が2~3mm程度空いているのがベストな状態です。
しかし、歯ぎしりをする癖がある方は、安静空隙が完全に埋まります。多くの時間、上の歯と下の歯が触れ合い、その刺激によって歯ぎしりが起こるのです。そのため、起きている間は意識して上の歯と下の歯を触れ合わないようにし、安静空隙をつくるよう意識しましょう。
ストレスを解消する
前述のとおり、歯ぎしりはストレスによって起こるとされています。インビザライン治療中は、マウスピースを装着していることにストレスに感じることもあるでしょう。リラックスする時間を作ることや運動をするなどして、意識してストレスを解消しましょう。
まとめ
今回は、歯ぎしりの原因や歯ぎしりが歯並びに与える影響、インビザライン治療中の歯ぎしりの対策方法について解説しました。
歯ぎしりは歯並びに影響を与えるだけでなく、インビザライン治療にも多大な影響を及ぼします。歯ぎしりはストレスが関係していることもあり、ご自身で意識するだけで改善できることもあります。
インビザライン治療を検討しているけれど歯ぎしりで悩んでいるという方は、歯科医師に相談しましょう。
インビザラインを検討されている方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。