こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。
歯のブリッジ治療は、歯を失った部分の機能と見た目を補うために行う補綴治療のひとつです。両隣にある天然歯を支えとして橋のように人工歯をかけます。短期間で完了でき、さらに保険が適用されるケースもあるため、多くの患者さまに選ばれている治療法です。
一方で、ブリッジには、周囲の健康な歯を削る必要がある、清掃がやや難しいといった注意点も存在します。
ここでは、ブリッジ治療の基本構造や特徴、利点・欠点、費用について解説します。歯を失った場合に選択できる他の治療法もご紹介するので、参考にしてください。
Contents
歯のブリッジ治療とは

ブリッジとは、歯が抜けてしまった部分の前後にある歯を利用して人工歯を固定する方法です。ブリッジという名称は、その見た目と構造が橋のようになっていることに由来しています。
仕組みと構造
ブリッジは基本的に3本セットで構成されており、欠損している部分の両側の歯を削って被せ物を装着し、その間に人工歯を連結して固定します。3本の歯が一体となっており、外れる心配が少なく、見た目も本来の歯と似た自然な仕上がりになります。
土台となる歯が健康であれば、ブリッジはしっかりと安定し、食事や会話の際にも違和感がほとんどありません。前歯・奥歯のどちらにも適応できますが、噛み合わせや歯の状態によりブリッジが適さない場合もあるため、事前の診察が重要です。
ブリッジが適応される症例
一般的には、1本〜複数本の歯が連続して欠損しており、両側の歯がしっかりと残っているケースに対応可能です。これらの支台歯が健全で、ブリッジを支える力に耐えられることが前提となります。
もし隣接する歯が虫歯や歯周病で弱っている場合、ブリッジではなく他の方法が検討されるでしょう。
ブリッジ治療のメリット

ブリッジ治療を選択することには、さまざまなメリットがあります。主なメリットは、以下の通りです。
見た目と機能を自然に回復できる
ブリッジは固定式なので、噛んだときの安定感が高く、日常生活での違和感が少ないことが特徴です。装着中に外れることがなく、入れ歯のような煩わしさもありません。
審美性に優れており、とくに前歯の補綴においては自然な見た目を求める方にとって非常に満足度の高い選択肢といえるでしょう。
メンテナンスしやすい
ブリッジは取り外しの必要がないため、通常の歯みがきと同様にケアが可能です。入れ歯のように毎回外して洗浄する手間がなく、日常生活に取り入れやすいのも大きなメリットです。
また、ブリッジ下にはわずかな隙間があるため、フロスや歯間ブラシを使用して汚れを取り除くことが可能です。定期的なケアを行えば、長期間の使用が見込めます。
治療へのハードルが低い
外科的な手術が不要なため、高齢者や持病を持つ方、あるいは手術が難しい方にも適応しやすい治療法です。個人差はありますが、治療期間は2〜4週間ほどで済むことが多く、通院回数も少ないです。
身体への負担が少ないことも、ブリッジの大きな魅力といえるでしょう。
ブリッジ治療のデメリット

ブリッジは優れた治療方法ではありますが、メリットばかりではなく、いくつかのリスクや制限事項も存在します。後悔のない選択をするためには、デメリットも正しく理解することが重要です。
健康な歯を削らなくてはならない
ブリッジを装着するには、支えとなる左右の歯を削る必要があります。場合によっては神経を取り除く処置が必要になるケースもあり、その歯の寿命に影響することもあるでしょう。
将来的に、支台の歯が虫歯や歯周病のリスクにさらされることもあり、慎重に検討が必要です。
清掃が難しい箇所がある
ブリッジの下部は、食べかすやプラークが溜まりやすい部分です。とくにブリッジと歯茎の隙間部分は歯ブラシが届きにくいため、歯周病や虫歯の原因になることがあります。日頃から綺麗に歯磨きをすることが大切です。
しかし、自宅での歯磨きだけでは不十分なこともあり、定期的に歯科医院での清掃が推奨されます。
支台の歯に負担がかかる
ブリッジは複数の歯を連結して機能させる構造のため、支台歯にかかる負荷が通常より大きくなります。とくに、噛み合わせが強い人や、歯ぎしり・食いしばりの癖がある人の場合、支台歯への負荷が大きく、破損や脱落の可能性もあります。
また、支台歯の神経がすでに処置されている場合は、歯の内部がもろくなりやすいため、さらに注意が必要です。場合によってはブリッジ全体を再製作しなければならず、時間的にも費用的にも負担が大きくなります。
長期使用による骨の吸収
ブリッジ治療をすれば、人工歯の部分に直接の噛む力が骨に伝わらないため、失った歯の周囲にある顎の骨が次第に痩せていく骨吸収が起こることがあります。インプラントとは異なり、ブリッジでは歯根が再建されません。
そのため、時間の経過とともに骨量が減少する可能性があります。骨が痩せればブリッジと歯茎の間に隙間が生じやすくなり、食べ物が詰まりやすくなったり、見た目の違和感が強まったりするでしょう。
ブリッジ治療の費用

ブリッジ治療の費用は、選ぶ素材や治療方法によって大きく異なります。
保険診療でのブリッジは、銀歯(パラジウム合金)を使用するのが一般的です。3本連結のブリッジで、1万5,000円~3万円程度が目安です。
ただし、これは前提として支台となる歯が健康であり、追加処置が不要な場合に限られます。
一方、自費診療になると費用は患者さまの全額自己負担になるため、費用が高くなります。オールセラミックのブリッジでは、1本あたり約10万〜15円が相場で、3本連結ならば合計で30万円〜45万円ほどになることもあります。
また、支台歯の根管治療や土台の形成、仮歯の装着などが必要な場合は、それぞれ追加で5,000円〜2万円程度かかることがあります。
失った歯を補うブリッジ以外の治療法

失った歯を補うための治療方法は、ブリッジだけではありません。他にも、以下のような選択肢があります。
インプラント治療
歯根から人工的に再建する方法であり、天然歯に近い機能と審美性が得られます。ブリッジのように隣の歯を削る必要がなく、周囲の歯に影響を与えずに済むのが大きな利点です。
しかし、外科手術が必要であり、治癒期間も平均3~6カ月と長くなります。費用は、インプラント1本あたり30万~50万円程度が目安です。
外科手術を伴うため、全身状態や骨の状態によっては適応が難しいケースもあります。また、メンテナンスを怠るとインプラント周囲炎のリスクがあるため、定期的な歯科受診と日々の口腔ケアが不可欠です。
部分入れ歯
部分入れ歯は、ブリッジやインプラントに比べ治療期間や費用の面で低負担な選択肢です。保険適用の部分入れ歯ならば5,000円〜1万5,000円ほどで作成でき、金属のバネで固定する構造が一般的です。
自費診療の場合は、バネが目立ちにくいノンクラスプデンチャーや、薄くて丈夫な金属床義歯を選ぶことができ、10万円〜30万円程が費用目安です。入れ歯は着脱式なので、清掃がしやすいというメリットがあります。
その反面で、最初は違和感が出やすく、慣れるまでに時間がかかるケースもあるでしょう。また、支えになる歯に負担がかかるため、定期的な調整と点検が必要です。
まとめ

ブリッジは固定式で違和感が少なく、審美性や機能性に優れた治療です。
その一方で、健康な歯を削る必要があり、メンテナンスが重要という特性があります。保険適用ならばより手軽に始められる治療ですが、清掃や支台歯の健康管理を怠ると将来的に再治療のリスクが高まります。
インプラントや部分入れ歯など他の選択肢とも比較し、ライフスタイル・予算・口腔環境などを考慮して最善策を選ぶことが大切です。信頼できる歯科医師とよく相談しながら、後悔のない補綴治療を目指しましょう。
歯のブリッジ治療でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療をはじめ、矯正治療や入れ歯・ブリッジ・インプラント治療、予防歯科などさまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、ご予約・お問い合わせも受け付けております。