こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。
「虫歯の進行状況が気になる」「そもそもどうして虫歯になるんだろう?」と考えていませんか?
定期健診で不意に虫歯が見るかることがありますよね。自分の虫歯はどのくらい進行しているのかと不安になる人も少なくありません。
そこでこの記事では、虫歯がどのように進行していくのか、虫歯予防のために気をつけるべきポイントは何かについてお伝えしていきます。
Contents
虫歯レベルを知るために歯の構造を解説
虫歯の進行度や、虫歯になる理由についてよりくわしく理解するために、まずは歯の構造を理解しておきましょう。
歯は次の3つの層で構成されています。
- ✅️エナメル質
- ✅️象牙質
- ✅️神経(歯髄)
このように歯は、1層目がエナメル質、2層目が象牙質、3層目が神経(歯髄)からなっているのです。
1層目がエナメル質
1層目のエナメル質は歯の表面のことで、約2〜3mmの厚みがあり、歯をコーティングし守ってくれているような構造物です。
熱いものや冷たいもの、酸性の食品など「歯がしみる」と感じさせるものを、刺激に敏感な内部の層へ触れさせないように保護する役割があります。
なおエナメル質に虫歯が進行しても、まだ痛みは感じません。
2層目の象牙質
次に2層目の象牙質は、エナメル質の内側にあり、歯の大部分を占める構造物です。
象牙質は神経に刺激を伝える役割があります。
「知覚過敏」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、知覚過敏はなんらかの原因で象牙質が露出し、象牙質の受けた刺激が神経に伝わって敏感に反応している状態のことです。
3層目は神経(歯髄)
3層目は神経(歯髄)です。
歯髄には神経のほかに血管も通っており、歯に栄養を与えたり酸素を運んだり、免疫などの防御反応を伝達する重要な役割があります。
「虫歯で神経が痛む」「虫歯の治療でズキズキと感じる」というのは、虫歯が神経まで進行している状態です。
歯はこれらの3層構造になっていることを覚えておいてください。
虫歯進行度の見分け方
虫歯は、進行度によって次のような名称で表現されます。
- ✅️CO(シーオー)
- ✅️C1(シーワン)
- ✅️C2(シーツー)
- ✅️C3(シースリー)
- ✅️C4(シーフォー)
※数字が大きいものほど進行している虫歯
歯科用語では虫歯のことを「カリエス(Caries)」と呼び、「カリエス(Caries)」の頭文字である「C」と、O(Observation(オブザベーション))、1~4の数字を使って虫歯の存在・進行度を表しています。
虫歯の進行度「CO」は初期虫歯|治療は不要で要観察
虫歯の進行度を表す「CO(シーオー)」とは、初期虫歯のことです。
COの「O」は、Observationすなわち要観察の「O」になります。
歯の溝や歯の表面が茶色や黒、白色に変色しているものの、まだ欠けたり穴があいたりはしていない状態。
COの段階ではまだ治療する必要がなく、要観察の歯となります。
虫歯の進行度「C1」はエナメル質の虫歯|ここからは治療が必要
虫歯の進行度を表す「C1」は、虫歯が歯表面のエナメル質まで到達している状態です。
まだ痛みなどの自覚症状は感じにくいものの、歯が茶色くなっていたり穴があいていたり、見た目で虫歯とわかる状態。
このC1から虫歯の治療が必要となります。
進行を止めるためにも、C1の時点で治療をする必要がありますが、C1は自覚症状が少なく虫歯の存在に気づきづらいのが難点です。
虫歯の進行度「C2」は象牙質の虫歯|痛みが出る
虫歯の進行度を表す「C2」は、虫歯がエナメル質の内側にある象牙質まで到達している状態です。
象牙質は刺激を神経に伝える役割があります。そのため虫歯が象牙質に到達すると、冷たいものがしみたり、チョコレートなどの甘いものを食べた際に痛みが出たりするのです。
虫歯の進行度「C3」は神経(歯髄)の虫歯|何もしなくても痛い
「C3」は、虫歯が神経まで到達している状態です。
神経まで虫歯が到達してしまうと自発痛が起こります。
自発痛とは、いわゆる「何もしていなくても歯がズキズキと痛む」状態のこと。
~~【虫歯治療の豆知識(ワンポイントアドバイス)】~~
虫歯の進行度がC2までの場合は「歯の治療」だけで済みます。
しかし虫歯の進行度がC3になってしまうと「神経の治療」が必要。
神経の治療をする場合、神経を取ることになり、歯の寿命にも関わってきます。
そのため虫歯治療を行う際は、虫歯の進行度がCO~C2までの間に済ませましょう。
虫歯の進行度「C4」は深刻な神経(歯髄)の虫歯末期|手遅れとなるケースも
「C4」は、虫歯によって歯の神経が死亡し、歯冠(歯の頭部分)も崩壊しており、歯の残痕(根っこ部分)だけが残っている状態です。
根幹治療が成功すれば歯を残せますが、多くのケースで抜歯が適応されます。
虫歯の進行度ごとに変わる治療の特徴と必要性
虫歯治療で気をつけたいことは、虫歯の進行度がCO~C2の間に治療を済ませることです。
進行度がC2までの場合は「歯の治療」だけで済みます。
しかし虫歯の進行度がC3になってしまうと「神経の治療」が必要です。
神経の治療をする場合、歯の神経を抜くことになり、歯の寿命に影響します。
神経を抜いてしまった歯は、強い力が加わったときに割れやすく、寿命が短くなりやすいのです。
たとえば、枯れ木と、緑が生い茂った木を想像してみてください。
生きている木は、力が加わっても割れずにしなります。しかし、枯れ木は少し力が加わると、バキッと音が立てて割れてしまうでしょう。
これは神経を抜いた歯と、神経を抜いていない歯の違いによく似ているのです。
神経を抜いていない歯は、かみ合わせの力でしなります。
かみ合わせの力で割れることはほとんどありません。
一方で、神経を抜いている歯は、ある一定の力が加わるとバキッと割れてしまいます。
そして歯が割れてしまうと、歯を抜くしかなくなってしまうのです。
そのため虫歯治療は、虫歯の進行度がCO~C2まで(神経治療が必要なC3に達する前)に済ませましょう。
虫歯予防のために気をつけたい5つのリスク
虫歯を予防するために、次の5つのリスクについても押さえておきましょう。
- ✅️食生活
- ✅️プラークコントロール
- ✅️歯の強さ、弱さ
- ✅️歯並び
- ✅️材料の選択
それぞれ説明していきます。
気をつけたいこと1【食生活】
食生活はお口の環境と密接に結びついているため、虫歯予防にとって、とても重要な要素。
とくに間食は歯の天敵です。
その理由はお口の状態にあります。
お口は通常、中性の状態ですが、食事によって酸性へと傾いていくのです。
酸性状態では虫歯が進行するリスクは高くなるのですが、本来は唾液の働きによって中性状態へと戻ろうとします。
しかし間食をすると酸性状態が長く続くため、虫歯になりやすい環境を作ってしまうのです。
気をつけたいこと2【プラークコントロール】
お口の中のプラーク(歯垢)を取り、歯周病の原因となる細菌を可能な限り減らすことを、プラークコントロールと言います。
わかりやすく言えば、歯ブラシや歯間ブラシなどを使用したお口のケアのことです。
歯医者による歯の定期健診は、一般的に3ヵ月に1度行われます。その間の90日間は自分で歯を磨かないといけません。
定期健診に頼りきりになり「プロがケアしてくれるから大丈夫」と考えていると、虫歯のリスクは高くなります。
自分でどのようにケアしていくか、ふだんの磨き方に気を配ることこそが、虫歯のリスクを左右するポイントです。
気をつけたいこと3【歯の強さ、弱さ】
歯の強さ、弱さで虫歯のリスクは大きく変わってきます。
フッ素で洗口(お口の中を洗いすすぐこと)し口腔内のコーティングをしているのか、歯磨き粉もこだわっているのか、なども歯の強さ弱さに関係してくるポイントです。
気をつけたいこと4【歯並び】
虫歯のリスクは、歯並びとも関係しています。
歯が重なったり隠れたりしている場合、歯磨きがしづらいため虫歯のリスクが高まります。
虫歯予防には、ふだんの歯の磨き方だけでなく、歯を磨きやすいお口の環境(歯並び)も大切です。
気をつけたいこと5【材料の選択】
銀の詰め物か、セラミックの詰め物かという材料の選択も、虫歯のリスクを左右するポイントです。
歯の詰め物に関しては、別の記事でくわしく紹介しています。
関連記事:虫歯の被せ物、銀とセラミックはここまで違う!5つの視点から詳しく解説
虫歯かもしれないと思ったら|手遅れとなる前に適切な対処法を
こちらの記事では、虫歯の進行度について紹介しました。
歯には寿命があります。
ふだんのケアにより、虫歯にさせないことも大切です。さらに、もしも虫歯になってしまったら、早めの適切な治療が必要となります。
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